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三浦 佳子(みうら よしこ) データ更新日:2023.10.04

教授 /  工学研究院 化学工学部門 工学府 化学システム工学専攻 生体界面工学 (分子・生物システム工学講座)


大学院(学府)担当

工学府 化学工学専攻 分子生物システム工学講座
工学府 化学システム工学専攻 分子・生物システム工学講座

学部担当



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九州大学大学院工学研究院化学工学部門 第9講座 ホームページ
九州大学工学部化学プロセス生命工学コース 第9講座 ホームページ .
電話番号
092-802-2749
FAX番号
092-802-2769
就職実績-他大学
就職実績有, 2000年4月 ペンシルバニア大学博士研究員
2001年4月 名古屋大学大学院工学研究科物質制御工学専攻 助手
2005年4月 北陸先端科学技術大学院大学材料科学科 助教授
2007年4月 北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科 准教授
2010年2月-2015年3月 北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンスサイエンス研究科 客員教授
取得学位
博士(工学)京都大学
学位取得区分(国外)
あり 博士
専門分野
生体高分子, 機能性高分子、高分子合成、化学工学
ORCID(Open Researcher and Contributor ID)
0000-0001-8590-6079
外国での教育研究期間(通算)
01ヶ年00ヶ月
活動概要
【研究活動概要】
高分子材料、化学工学、生体高分子、界面科学を基礎として、次のような研究を行っている。
(1) 糖鎖高分子を用いた機能材料の研究
細胞表面の糖鎖は生命のシグナル分子として働いている。これを側鎖に結合させた高分子は、糖鎖の分子認識能を発する高分子材料となる。糖鎖を様々に設計することで、細胞、ウイルス、毒素タンパク質など種々の生体分子認識を効率良く起こす高分子を創製することが可能である。
糖鎖高分子は、その合成において、糖鎖が結合したビニル系化合物を合成すれば、高分子合成化学を用いて、精密な材料、複合材料へと結びつけることができる。特に近年はリビングラジカル重合のような精密制御重合を用いることで、ブロックポリマー、スターポリマー、ナノゲルなどの精密高分子を用いたタンパク質や細胞との結合の精密な設計を行っている。さらに最新の重合である光重合法を取り入れた合成についても展開している。基材と組み合わせてグラフト重合することによって、生体認識性の素材やデバイスを作り上げることができ、特定の病原体を除去する材料などへの活用が可能である。また、細胞免疫を制御するための分子を開発することも可能である。現在はこのような技術を利用して、医用デバイスや基礎生物学に役立つ材料開発を行っている。

(2) 多孔性高分子材料を用いた固定化触媒の開発および新しい化学合成プロセスの開発
固定化触媒は触媒と基質の分離が容易であること、流通プロセスに応用可能であることなどから、有機合成をはじめとした化学プロセスで重要である。一方で、有機合成プロセスを考えるならば、均一に混合できる触媒に比べて、基質の物質移動の上で不利な点があり、また触媒の活性自体も変化する恐れがあり、開発が難しい。そこで、基質の物質移動が容易で、有効表面積の多い多孔体を用いた固定化触媒開発を行っている。高分子のミクロ相分離現象などを応用して多孔体の高分子を合成し、触媒を固定化することで、多孔性高分子固定化触媒を開発している。触媒としては、有機金属触媒、分子触媒を用いている。多孔体は高い溶液の透過性を有しており、それに従って基質の物質移動は良好である。特に多孔高分子固定化触媒を利用した、連続流通式フロー合成について検討を行っている。

(3)機械学習や自動合成を通じた新しい高分子機能材料の開発方法の検討
高分子はソフトマターの主要な構成要素であり、化学、バイオ、材料と広い用途を持っている。また、カーボンニュートラルのターゲットとしても重要である。ソフトマターの開発は、複雑な要素が多いため、人的な資本と時間を費やして開発されている。このような手法を大きく改変して、実験結果を素早く最適化する手法を用いて高分子機能材料の開発を行う。高分子材料をどのようにデータ化するかが問題であるが、研究室で行ってきた機能性高分子をコポリマーで開発する手法を基礎として、モノマー比率を用いた学習、それによる機能材料の開発について進めている。また(2)の研究も通じてフロー合成を活用した自動合成へとつながる化学プロセスの研究も進める。

【教育活動】
学部卒業研究生、博士課程、修士課程の大学院生の研究指導、教育を行っている。学部の授業では、有機物質化学I(全学)、物理化学第一(2年生)、反応工学第一(3年))を担当している。大学院の授業では生体由来材料工学、Bioresorce Materials Engineering(大学院)を担当している。研究室内では大学院生、学部卒業研究生に対して、個別に実験の指導、論文の読解、執筆の指導、論理的な思考訓練を行っている。研究面だけでなく、生活面について、必要に応じて家庭と連携した上で指導を行っている。所属学部学生、大学院生については国内外の学会発表についても推進、指導している。全学,部局あるいは部門のFDに毎年参加し,教育改善及び教育方法の向上を図っている.

【国際連携活動】
国際共同研究、国際会議によって海外の研究者と交流を行っている。ペンシルバニア大学,カリフォルニア大学(アーバイン校) アルバータ大学、慶北大学と共同研究を行ってきた。高分子分野、糖鎖分野において、国際会議などによる国際連携活動をしている。
また、Journal of Material Chemistry B, Materials Advances、 Chemistry Letters誌、Associate Editor, でACS Macro Lett, ACS Applied Materials InterfaceでEditorial Boardを務めている。Membrane、Applied Science誌の編集委員も務めている。更に国際学会誌については多くの学会誌の査読を行っている。

【社会活動】
高分子学会、日本化学会、化学工学会、糖質学会、日本MRS、アメリカ化学会に所属している。日本化学会男女共同参画委員 副委員長、日本糖質学会男女共同参画委員を務めている。化学工学会九州支部は企画幹事を務めた。高分子学会九州支部九州支部幹事を務めている。日本学術会議については連携会員として、高分子化学、化学工学、バイオマテリアルの分科会で活動している。また、日本学術振興会システム研究員として化学班のプログラムオフィサーを務める。JST、Act-Xでは領域アドバイザーを務める。内閣府食品安全委員会専門委員を務めている。
財団活動として、戸部眞紀財団、中谷財団における学術支援活動、奨学金事業の審査を行っている。
 
【大学運営】
工学部運営委員会委員、工学部、工学府人事委員、工学部教育企画委員を務める。また、これまでに、化学工学部門、部門長、副部門長、各学年の担任、秋季、春季工場見学、工学部教育企画、研究企画、財務委員、人事委員、中央分析委員、などを担任している。過去に全額男女共同参画委員を務めた。その他、大学及び大学院の入試についての業務を行い、大学および部門の運営に協力している

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