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LAUWEREYNS JOHAN(ろーれんす よはん) データ更新日:2023.11.28

教授 /  基幹教育院 自然科学実験系部門 大学院システム生命科学府


大学院(学府)担当

学部担当

役職名

副学長


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ホームページ
https://kyushu-u.elsevierpure.com/ja/persons/johan-marc-jose-lauwereyns
 研究者プロファイリングツール 九州大学Pure
https://www.janlauwereyns.com
研究室ホームページ .
就職実績-他大学
就職実績有, 順天堂大学医学部 博士研究員
順天堂大学医学部 助手
アメリカ国立衛生研究所(NIH)国立眼病研究所 博士研究員
Lecturer, School of Psychology, Victoria University of Wellington, New Zealand
Senior Lecturer, School of Psychology, Victoria University of Wellington, New Zealand
玉川大学脳科学研究所 客員教授
Associate Professor, School of Psychology, Victoria University of Wellington, New Zealand
取得学位
Ph.D in Psychology
学位取得区分(国外)
あり
専門分野
認知科学, 生命倫理
ORCID(Open Researcher and Contributor ID)
https://orcid.org/0000-0003-0551-2550
外国での教育研究期間(通算)
13ヶ年00ヶ月
活動概要
「我思う故に我在り(cogito ergo sum)」- デカルトの言葉として有名なこのフレーズは、彼の哲学的思想が推論(思い考えること)から始まっていたことを示していますが、実はこの言葉の完全な形は「我疑う故に我思う故に我在り(dubito ergo cogito ergo sum)」だったという説があります。思い考える前に物事を疑う姿勢を持つことが重要だ、というわけです。
科学も疑うことから始まります。私たちの研究室では複雑で曖昧な状況下における知覚や意思決定の神経メカニズムに興味の焦点をあてて、様々な研究プロジェクトを進めています。外界から得られる情報が複雑で曖昧なとき、私たちはその情報の価値や妥当性を怪しみ、疑います。つまり私たちの目指す研究とは「疑い」を疑うことなのです。
私たちが様々な手がかりを頼りに何らかの行動を選択するとき、脳はどのようにはたらくのでしょうか。私たちの研究室では、そのような意思決定と呼ばれる問題の中でも特に、複数の選択肢の間で判断を「迷っている」状態、そしてそこからひとつを選び出す過程、それらに関与する脳内のメカニズムを明らかにしたいと考えています。
従来、こうした脳の高次機能研究には霊長類(ヒト・サル)が用いられてきました。しかし私たちはラットが行動的に示す「迷い」に注目し、敢えて齧歯類を研究に使用します。齧歯類は分子生物学的・遺伝子科学的分野で数多くの重要な知見を提供しています。私たちの目標は、そのような齧歯類の高次脳機能をより詳細に検証する方法を確立し、様々な認知機能に対応する神経応答の機序を明らかにしていくことです。これらは脳のミクロなレベルとマクロなレベルの知見を有機的に融合させてそのメカニズムの本質を理解していくためには必須の研究戦略であると考えています。
『ラットは「なぜ」迷い、そのとき一体「何を」迷っているのか。そしてどのような脳の活動によってその迷いが「解決された」のか…』。私たちはそうした疑問を以下に挙げるような最先端の技術を駆使して解き明かしていこうと思います。
1. 神経細胞レベルでの脳活動の記録と解析
2. 複数の細胞活動および脳内局所脳波の同時記録によるネットワーク機能の解析
3. 脳機能を部分的に遮断した影響の解析
4. 各種の行動分析
私たちのこうした試みは「意思とは何か」という科学史上最大の難問解明へ向けた重要な一歩となると信じています。

研究活動概要:
1. カオス力学系に代表される複雑系数理理論に基づくアプローチによる新しい神経データの解析方法の開発:行動分析や神経生理学における従来の静的かつ決定論的な視点を超える新たな手法を目指して
2. 神経科学分野における生物倫理を考慮したより良い実験のあり方と実践方法の検討:動物モデルを使った実験の倫理的コストの最小化・最適化を目指し、科学的かつ倫理的な観点から動機づけされた適切な実験アプローチを探る
3. ラットから線虫といった「非高等」動物モデルにおける様々な行動の認知的側面の探求
4. 神経科学と心理学や哲学、その他いわゆる文系的学問の学際的な融合:意識やこころに関する問題を扱う文系分野の諸研究が従来用いてきた心理分析学的研究アプローチを認知神経科学的手法へと転換させる試み

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pure2017年10月2日から、「九州大学研究者情報」を補完するデータベースとして、Elsevier社の「Pure」による研究業績の公開を開始しました。