九州大学 研究者情報
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松瀨 大(まつせ だい) データ更新日:2024.04.25

講師 /  九州大学病院 脳神経内科 内科学


主な研究テーマ
難病ネットワークに関する研究
キーワード:難病ネットワーク
2017.10~2024.03.
スモンに関する調査研究
キーワード:スモン
2017.10~2024.03.
多系統萎縮症のバイオマーカーの検索
キーワード:多系統萎縮症 脊髄小脳変性症 バイオマーカー
2017.10.
多系統萎縮症のモデルマウスの作成、病態の解明、治療薬の開発
キーワード:多系統萎縮症, モデルマウス
2017.10.
間葉系細胞を用いた神経系細胞の誘導と、神経疾患への細胞移植治療の開発
キーワード:間葉系細胞 分化誘導 細胞移植 
2010.10.
従事しているプロジェクト研究
神経変性疾患における炎症性マーカー、ニューロン・グリア関連マーカーの解析
2023.02~2028.01, 代表者:松瀨大.
脊髄小脳変性症における末梢血免疫関連マーカーと臨床データとの相関の解析
2019.04~2024.03, 代表者:松瀨大.
経口セマグルチドのパーキンソン病に対する有効性検証および用量探索試験
2022.10, 代表者:木村康義, 大阪大学, 大阪大学.
九州における進行期パーキンソン病における LCIG 療法の安全性お よび効果についての長期的調査
2022.03~2024.03, 代表者:坪井 義夫, 福岡大学病院, 福岡大学病院
九州において、レボドパ・カルビドパ経腸用液療法を受けたパーキンソン病の患者のデータを解析し、それにより本治療法の効果や安全性を評価するとともに、患者の治療に対する満足度やQOLの変化を調査する。.
多系統萎縮症レジストリー
2017.01~2025.11, 代表者:辻省次, 東京大学, 東京大学

多系統萎縮症患者を登録し、情報や検体を収集。治験やその他疾患の解明、治療法の開発に役立てる。.
研究業績
主要原著論文
1. Dai Matsuse, Ryo Yamasaki, Guzailiayi Maimaitijiang, Hiroo Yamaguchi, Katsuhisa Masaki, Noriko Isobe, Takuya Matsushita, Jun-ichi Kira, Early decrease in intermediate monocytes in peripheral blood is characteristic of multiple system atrophy-cerebellar type, Journal of Neuroimmunology, 10.1016/j.jneuroim.2020.577395, 349, 577395, 2020.09.
2. Shohei Wakao, Matsuse Dai, Mari Dezawa, Mesenchymal Stem Cells as a Source of Schwann Cells: Their Anticipated Use in Peripheral Nerve , 31-41, 2015.03.
3. Matsuse D, Kitada M, Ogura F, Wakao S, Kohama M, Kira J, Tabata Y, Dezawa M,, Combined transplantation of bone marrow stromal cell-derived neural progenitor cells with a collagen sponge and fibroblast growth factor (bFGF) releasing microspheres enhances recovery after cerebral ischemia in rats. , Tissue Engineering, 2011.05.
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. 松瀬 大, 進行性核上性麻痺, 総合医学社, 脳神経内科学レビュー2022-'23, 2022.03.
2. 松瀨 大, 吉良 潤一, 多発性硬化症・視神経脊髄炎, 診療ガイドラインUP-TO-DATE(メディカルレビュー社), 2014.03.
3. 松瀨 大, 吉良 潤一, 多発性硬化症のフィンゴリモド療法, Minds多発性硬化症トピックス.
4. 松瀨 大, 吉良 潤一, 多発性硬化症, 日本医師会雑誌「神経・精神疾患診療マニュアル」(南山堂) , 2013.05.
5. 松瀨 大, 吉良 潤一, 多発性硬化症, 免疫性神経疾患ハンドブック(南江堂).
主要学会発表等
1. 松瀬大, 山口浩雄, 眞﨑勝久, 西村由宇慈, 田中辰典, 雑賀徹, 田中謙二, 山﨑亮, 吉良潤一, 磯部紀子, 新規小脳型多系統萎縮症モデルのCSF-1R阻害剤治療, 第15回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス, 2021.07.
2. Dai Matsuse, Ryo Yamasaki, Guzailiayi Maimaitijiang, Hiroo Yamaguchi, Jun-ichi Kira, Noriko Isobe, Early decrease of peripheral blood intermediate monocytes in multiple system atrophy cerebellar-type., 62nd Annual Meeting of the Japanese Society of Neurology, 2021.05.
3. 松瀬大, 山口浩雄, 眞﨑勝久, 西村由宇慈, 田中辰典, 雑賀徹, 田中謙二, 山﨑亮, 吉良潤一, オリゴデンドロサイト特異的αシヌクレイン蓄積による小脳型多系統萎縮症モデルの樹立, 第14回日本パーキンソン病・運動障害疾患学会, 2021.02.
4. Dai Matsuse, Ryo Yamasaki, Maimaitjiang Guzailiayi, Hiroo Yamaguchi, Jun-ichi Kira, Early decrease of peripheral blood intermediate monocytes in multiple system atrophy cerebellar-type, 61st Annual Meeting of the Japanese Society of Neurology, 2020.09.
5. 松瀨 大, 骨髄間葉系細胞からの神経前駆細胞誘導と脳梗塞モデルへの有効な移植システムの検討, 第53回日本神経学会学術大会, 2012.05, 【目的】骨髄間葉系細胞 (MSCs)は効率的に神経細胞へ誘導することが可能で、生体内でも効果的に機能することが脳梗塞モデルラットへの移植実験で確認されている。今回我々はより効果的な細胞移植治療法を確立するため、MSCsから誘導した神経前駆細胞を、その足場となるcollagen sponge、血管新生を誘導するためのbasic fibroblast growth factor (bFGF) 徐放システムと組み合わせて脳梗塞モデルラットへ移植し、細胞の生着・増殖・分化率および組織学的、機能的再生を評価した。【方法】MSCsにNotch細胞質ドメインを遺伝子導入し浮遊培養を行うことで、神経前駆細胞様細胞(NS-MSCs)を効率的に誘導した。ラットの中大脳動脈閉塞モデルを作成し、7日後に移植を行った。移植はcollagen sponge、bFGF-infused gelatin microsphere、NS-MSCsを様々に組み合わせ、6グループに分けて行った。神経機能評価として移植後7日毎にmodified limb-placing test, beam balance testを行い、移植31-35日にMorris water maze testを行った。移植35日後に安楽死させ、組織学的解析などを行った。【結果】移植後のNS-MSCsは高率に神経系の細胞へ分化していた。NS-MSCsにcollagen spongeを組み合わせて移植した群は、NS-MSCsのみを移植した群に比べ生存細胞数を約4-5倍に増加させた。さらに、bFGF-infused gelatin microsphereを組み合わせて移植した群は、明らかに多くの新生血管の増生が得られ、また脳室下帯においてより多くの神経幹細胞の増殖を認めた。これらの生体材料をNS-MSCsに組み合わせた群は、NS-MSCs単独移植群と比較し脳梗塞体積の明らかな減少と、神経機能の改善を認めた。【結論】以上より、NS-MSCsはcollagen sponge、bFGF-infused gelatin microsphereと組み合わせて移植することで、より優れた組織学的・機能的改善をきたした。これらの生体材料と組み合わせることで、より有効な細胞移植システムの確立が可能である。.
6. 松瀬大、北田容章、若尾昌平、小濱みさき、田畑泰彦、出澤真理、吉良潤一, 骨髄間葉系細胞からの神経前駆細胞誘導と脳梗塞モデルへの有効な移植システムの検討, 九州CVDカンファレンス, 2011.11, 骨髄間葉系細胞 (MSCs)は効率的に神経細胞へ誘導することが可能で、生体内でも効果的に機能することが脳梗塞モデルラットへの移植実験で確認されている。
今回我々は、MSCsから誘導した神経前駆細胞を、その足場となるcollagen sponge、血管新生を誘導するgelatin microsphereを利用したbasic fibroblast growth factor (bFGF) 徐放システムと組み合わせて脳梗塞モデルラットへ移植し、細胞の生着・増殖・分化率および組織学的、機能的再生を評価した。
MSCsにNotch細胞質ドメインを遺伝子導入し、bFGFとEGFを添加した浮遊培養を行うことで、神経前駆細胞様細胞(NS-MSCs)を効率的に誘導した。これらの細胞はSox2, nestinなどのマーカーを発現していた。ラットの中大脳動脈閉塞モデルを作成し、7日後に移植を行った。移植はcollagen sponge、gelatin microsphere、bFGF、NS-MSCsを様々に組み合わせ、6グループに分けて行った。神経機能評価として、移植後7日毎にmodified limb-placing test, beam balance testを行い、移植31-35日にMorris water maze testを行った。移植35日後に安楽死させ、組織学的解析などを行った。
移植後のNS-MSCsは高率に神経系の細胞へ分化していたが、これにcollagen spongeを組み合わせて移植した群は明らかに高い細胞の生存率を認めた。さらに、gelatin microsphere+FGFを組み合わせて移植した群は明らかに多くの新生血管の増生が得られた。以上より、NS-MSCsはcollagen sponge、gelatin microsphere+FGFと組み合わせて移植することで、より優れた脳梗塞体積の減少と機能的な改善をきたした。これらの生体材料は細胞移植と組み合わせることで、より有効な移植システムの確立に貢献すると思われる。
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7. 松瀬大、北田容章、小濱みさき、西川幸希、若尾昌平、藤吉好則、吉良潤一、出澤真理, ヒト臍帯間葉系細胞からのシュワン細胞の誘導と末梢神経再生への応用, 第22回日本末梢神経学会学術集会, 2011.09, 目的
シュワン細胞は軸索をミエリン化し、軸索再生を促進する機能をもつ1-3)。そのため、末梢神経障害に対する細胞移植治療への応用が期待されるが、シュワン細胞を採取するためには、他の末梢神経を損傷する必要があるという問題がある。
本研究では、臍帯に存在する間葉系細胞からのシュワン細胞様細胞への分化誘導を行う。さらに誘導された細胞を用いた成体ラット坐骨神経切断モデルへの移植実験を行い、末梢神経再生への応用について検討する。

対象・方法
ヒト臍帯のWharton's jellyから間葉系細胞を採取。誘導は骨髄間葉系細胞からのシュワン細胞誘導法を軽度変更して行った4)。beta-mercaptoethanol(BME)、レチノイン酸(RA)で処理した後、human basic fibroblast growth factor (FGF)、forskolin (FSK)、platelet-derived growth factor-AA (PDGF)、heregulin-beta1-EGF-domain (HRG)の栄養因子を加えることで、シュワン細胞を誘導した。誘導後、P0、Krox20、S-100、O4等のシュワン細胞のマーカーの発現を、RT-PCRおよび免疫細胞化学で調べた。
さらに、成体ラット坐骨神経切断モデルを作成し、誘導した細胞の移植実験を行い、移植後毎週、坐骨神経機能評価であるWalking track analysisを施行した。3週間後に安楽死させ、組織学的に解析した。

結果
誘導後の細胞は、正常ヒトシュワン細胞と同様の形態を示し、シュワン細胞のマーカーであるP0、Krox20、S-100、O-4等の発現が、RT-PCRおよび免疫組織化学にて確認された。
また、成体ラット坐骨神経切断モデルに対する移植実験では、移植3週間後に神経様の実質組織が誘導細胞移植部全長にわたって確認できた。Walking track analysisでは、誘導細胞移植群は正常ヒトシュワン細胞移植群と同等の機能改善を認めた。
免疫組織化学では、誘導細胞移植群では多くのneurofilament陽性神経線維、myelin-associated glycoprotein (MAG) 陽性構造を認め、これらの所見は正常ヒトシュワン細胞移植群と同等であった。移植細胞の中にはMAG陽性でRanvier絞輪を形成しているものも認められた。電子顕微鏡においても軸索が移植細胞によってミエリン化されていることが確認され、移植細胞がシュワン細胞としての機能をin vivoでも保っていることが示された。

考察
骨髄、臍帯に存在する間葉系細胞は、培養が容易で高い分化能、増殖能をもつ4-6)。細胞バンクも利用可能であり、腫瘍化の報告もないことから、細胞移植治療における細胞源としての実用化が期待されている4-6)。臍帯由来の間葉系細胞は非侵襲的に採取可能であり、その利用には倫理的問題が少なく、細胞移植治療を考える上で非常に有望な細胞である。
末梢神経系が損傷され軸索がミエリンを喪失すると、シュワン細胞は活性化・増殖し、様々な成長因子やサイトカインを放出し、軸索再生に適した微小環境を作る1-3)。シュワン細胞はまた、それ自身が機能的回復に必要不可欠なミエリンを再形成し、末梢神経再生に重要な役割を果たす1-3)。シュワン細胞は末梢神経障害に対する移植治療においても、これらの機能を通じて神経再生に貢献すると思われる。本研究ではシュワン細胞を、臍帯から誘導することで供給可能であることを示し、より非侵襲的で応用しやすい細胞移植治療の確立につながると期待される。
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8. 松瀨 大, ヒト臍帯細胞からのシュワン細胞の誘導と神経再生への応用, 日本神経学会学術大会, 2011.05.
9. 松瀬 大, 間葉系細胞からのシュワン誘導と神経再生へ応用, 福岡県認知症・脳卒中広域ネットワーク研修会 , 2011.03.
特許出願・取得
特許出願件数  1件
特許登録件数  0件
学会活動
所属学会名
日本パーキンソン病・運動障害疾患学会
日本人類遺伝学会
日本再生医療学会
日本内科学会
日本神経学会
学協会役員等への就任
2019.11~2024.03, 日本難病ネットワーク学会, 評議員.
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2023.05.31~2023.06.03, 64th Annual Meeting of the Japanese Society of Neurology, 座長.
2022.07.01~2022.07.03, 第15回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス, 座長.
2014.05.22~2014.05.25, 第55回日本神経学会学術大会, 事務局長.
2012.08.31~2012.09.01, 第23回日本末梢神経学会学術集会, 事務局長(医局長).
学術論文等の審査
年度 外国語雑誌査読論文数 日本語雑誌査読論文数 国際会議録査読論文数 国内会議録査読論文数 合計
2020年度
その他の研究活動
海外渡航状況, 海外での教育研究歴
ケンブリッジ大学, UnitedKingdom, 2014.10~2017.04.
外国人研究者等の受入れ状況
2024.01~2024.03, 1ヶ月以上, Italy.
2010.04~2014.03, 1ヶ月以上, China.
2010.04~2014.03, 1ヶ月以上, China.
2010.04~2014.03, 1ヶ月以上, China.
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2023年度~2024年度, 萌芽研究, 分担, 新規同定病原性ミクログリアを標的とした変性と脱髄共通のグリア炎症病態の解明と治療.
2023年度~2025年度, 基盤研究(C), 分担, ヘミチャネル阻害薬を用いたαシヌクレイン伝播阻止による多系統萎縮症の治療法開発.
2022年度~2024年度, 基盤研究(C), 分担, 単一細胞RNA解析による多系統萎縮症増悪性ミクログリア亜群の同定と同細胞標的療法.
2018年度~2020年度, 基盤研究(C), 代表, 異常蛋白の発現調整が可能な多系統萎縮症動物モデルの開発と抗ミクログリア点鼻薬治療.
2013年度~2015年度, 基盤研究(C), 分担, 脳梗塞急性期におけるアクアポリン4/TRPV4複合体を標的とした治療法の開発.
2012年度~2014年度, 基盤研究(C), 分担, CIDPにおける軸索‐グリア接合を標的とした新規自己抗体介在性の脱髄機序の解明.
2013年度~2014年度, 萌芽研究, 分担, 間葉系幹細胞から誘導した脳移行性シュワン細胞による進行型多発性硬化症の治療法開発.
2013年度~2014年度, 若手研究(B), 代表, パーキンソン病の間葉系由来グリア細胞移植による画期的治療法開発.
2011年度~2012年度, 若手研究(B), 代表, 間葉系細胞から分化・誘導した脳移行性シュワン細胞による中枢神経脱髄性疾患の治療.
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会以外)
2012年度~2013年度, 厚生労働科学研究費補助金 (厚生労働省), 分担, 中枢・末梢連合脱髄症の診断基準作成と臨床疫学調査の実施による治療指針の確立.
2012年度~2014年度, 厚生労働科学研究費補助金 (厚生労働省), 分担, アトピー関連脳脊髄・末梢神経障害の病態解明と画期的治療法の開発.
2012年度~2014年度, 厚生労働科学研究費補助金 (厚生労働省), 代表, 骨髄・臍帯間葉系細胞由来脳移行性シュワン細胞による脳梗塞の神経修復治療.

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