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岩間 映二(いわまえいじ) データ更新日:2024.04.09

准教授 /  医学研究院 臨床医学部門


主な研究テーマ
肺癌
キーワード:肺癌、EGFR-TKI阻害剤、抗体薬物複合体
2012.04~2024.03.
従事しているプロジェクト研究
EGFR遺伝子変異陽性肺癌における抗体薬物複合体の作用機序に関する研究
2021.04~2024.03, 代表者:岩間映二, 九州大学病院呼吸器科, 九州大学病院呼吸器科
近年、非小細胞肺癌を含む様々ながん種に対する抗体薬物複合体の開発が進んでいる。我々は、これまでの研究においてEGFR遺伝子変異陽性肺癌細胞株はHER2の抗体薬物複合体であるT-DM1(トラスツズマブ・エムタンシン)の感受性が高いことをin vitroの研究で示している。またEGFR遺伝子変異陽性肺癌に対するHER3の抗体薬物複合体の効果が報告されている。EGFR遺伝子変異陽性肺癌ではEGFRがErbBファミリーであるHER2, HER3とリガンド非依存性にヘテロダイマーを形成し、恒常的にリン酸化され、内在化され易い状況にあるために、HER2, HER3に対する抗体薬物複合体が細胞内に取り込まれ易くなり、殺細胞効果を示すと考えられるが明らかにされていない。本研究はEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌におけるEGFR-HER2ヘテロダイマー形成を介したT-DM1の作用機序について明らかにし、非小細胞肺癌における抗体薬物複合体開発、またEGFRチロシンキナーゼ阻害剤耐性克服の一助とすることを目的とする。.
HER2遺伝子変異陽性肺癌の分子生物学的特性とリキッドバイオプシーに関する研究
2018.04~2021.03, 代表者:岩間映二, 九州大学病院.
次世代シークエンサーによる網羅的がん関連遺伝子パネル解析を用いた HER2遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺癌に対する治療開発を目指した研究
2018.10~2022.03, 代表者:岡本 勇, 九州大学病院, 九州大学病院
HER2 exon 20挿入変異は非小細胞肺癌におけるドライバー遺伝子変異の一つであるが、現在のところ有効な分子標的薬の開発に至っていない。本研究においては、次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子パネル検査によるHER2 exon20挿入変異陽性非小細胞肺癌のスクリーニングを行い、本疾患に対するトラスツズマブ・エムタンシン(T-DM1)の効果を検討する多施設共同第II相臨床試験を医師主導治験(以下、本治験)にて実施する(目標登録症例数:20例、主要評価項目:奏効率、治験実施施設8施設で実施)。
【成果】平成31年2月より医師主導治験を開始した。HER2 exon20挿入変異陽性非小細胞肺癌のスクリーニングは、国立がん研究センター東病院(研究分担施設)を中心に実施中の産学連携全国がんゲノムスクリーニング研究であるLC-SCRUM、保険償還パネル検査(OncoGuideTM NCCオンコパネルシステム、FoundationOne® CDxがんゲノムプロファイル、オンコマイン Dx Target Test マルチCDxシステム)を用いて行った。令和2年7月21日に症例登録を完了、計22例の登録症例に対して治験治療(T-DM1の投与)を行った。令和2年7月21日に予定(令和2年8月31日)よりも早く登録を完了した(計22例の登録)。全登録症例に対して治験薬を投与し、登録症例の追跡、症例報告書の作成を行った。令和3年2月26日に観察期間が終了、転帰調査を実施、計画通り本治験を終了した。また、登録された全22症例においてコンパニオン診断薬開発に用いる腫瘍組織検体の保管を行った。令和3年4月にデータクリーニング、データ固定を完了。統計解析を行い、8月に総括報告書を作成した。主要評価項目である奏効率は38.1%(90%信頼区間23.0%-55.9%)と良好であったが、90%信頼区間の下限が閾値奏効率である30%を統計学的に上回ることは示せなかった。本結果臨床試験の結果を学会発表、論文にて報告を行った。T-DM1の適応拡大を目指し、12月に企業とPMDA申請前相談に臨んだが申請には至らなかった。.
研究業績
主要原著論文
1. Iwama E., Zenke Y., Sugawara S., Daga H., Morise M., Yanagitani N., Sakamoto T., Murakami H., Kishimoto J., Matsumoto S., Nakanishi Y., Goto K. & Okamoto I., Trastuzumab emtansine for patients with non–small cell lung cancer positive for HER2 exon-20 insertion mutations., European journal of Cancer, 162, 99-106, 2022.02.
2. Iwama E, Goto Y, Murakami H, Harada T, Tsumura S, Sakashita H, Mori Y, Nakagaki N, Fujita Y, Seike M, Bessho A, Ono M, Okazaki A, Akamatsu H, Morinaga R, Ushijima S, Shimose T, Tokunaga S, Hamada A, Yamamoto N, Nakanishi Y, Sugio K, Okamoto I., Alectinib for patients with ALK rearrangement-positive non-small cell lung cancer and a poor performance status (Lung Oncology Group in Kyushu 1401), J Thorac Oncol., 12(7):1161-1166., 2017.07.
3. Iwama E, Sakai K, Azuma K, Harada T, Harada D, Nosaki K, Hotta K, Ohyanagi F, Kurata T, Fukuhara T, Akamatsu H, Goto K, Shimose T, Kishimoto J, Nakanishi Y, Nishio K, Okamoto I. Monitoring of somatic mutations in circulating cell-free DNA by digital PCR and next-generation sequencing during afatinib treatment in patients with lung adenocarcinoma positive for EGFR activating mutations., Monitoring of somatic mutations in circulating cell-free DNA by digital PCR and next-generation sequencing during afatinib treatment in patients with lung adenocarcinoma positive for EGFR activating mutations., Ann Oncol. , 28(1):136-141., 2017.01.
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
主要学会発表等
1. 岩間映二, 肺癌診療におけるパネル検査の現状~中核拠点病院の立場から~, 第63回日本肺癌学会学術集会, 2022.12.
2. Eiji Iwama, ALK rearranged NSCLC; what's the best sequence?, 第61回日本肺癌学会学術集会, 2020.11.
3. Eiji Iwama, Kazuko Sakai, Koichi Azuma, Daijiro Harada, Kaname Nosaki, Katsuyuki Hotta, Makoto Nishio, Takayasu Kurata, Tatsuro Fukuhara, Hiroaki Akamatsu, Koichi Goto, Takayuki Shimose, Junji Kishimoto, Yoichi Nakanishi, Kazuto Nishio and Isamu Okamoto, A Multicenter Prospective Biomarker Study to Explore Mechanisms of Afatinib Resistance Based on Digital PCR and Next Generation Sequencing, World Conference on Lung Cancer 2018, 2018.09.
4. 岩間 映二, 初回治療におけるアファチニブの有用性, 第55回日本肺癌学会総会, 2014.11.
5. Iwama Eiji, Highly sensitive and quantitative detection of EGFR T790M mutation in tumor samples by nanofluidic digital PCR, 50th American Society of Clinical Oncology (ASCO), 2014.05.
学会活動
所属学会名
日本がん分子標的治療学会
日本癌学会
世界肺癌学会
日本肺癌学会
日本臨床腫瘍学会
日本呼吸器内視鏡学会
日本呼吸器学会
日本内科学会
学協会役員等への就任
2019.07~2024.02, 日本臨床腫瘍学会, 運営委員.
2022.04~2024.03, 日本肺癌学会, 評議員.
2022.04~2024.03, 日本臨床腫瘍学会, 協議員.
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2021.10.21~2021.10.23, 第59回日本癌治療学会学術集会, 演者.
2022.03~2024.03.31, 九州肺癌研究機構(LOGIK; Lung Oncology Group in Kyushu), 管理、運営.
学術論文等の審査
年度 外国語雑誌査読論文数 日本語雑誌査読論文数 国際会議録査読論文数 国内会議録査読論文数 合計
2022年度     10 
2021年度 12        12 
2020年度 22      25 
受賞
上原記念生命科学財団 リサーチフェローシップ, 2015.12.
福岡県すこやか健康事業団 がん研究助成金 入賞, 2015.12.
日本肺癌学会 若手奨励賞, 2015.11.
日本呼吸器学会九州支部会 学術奨励賞, 2015.10.
福岡県すこやか健康事業団 奨励賞, 福岡県すこやか健康事業団, 2013.11.
APSR2013 award for excellent young oral / poster presenters, Asian Pacific Society of Respirology, 2013.11.
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2021年度~2023年度, 基盤研究(C), 代表, EGFR遺伝子変異陽性肺癌における抗体薬物複合体の作用機序に関する研究.

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