九州大学 研究者情報
発表一覧
三苫 弘喜(みとまひろき) データ更新日:2024.04.09

准教授 /  九州大学病院 別府病院 内科


学会発表等
1. 三苫弘喜、柏戸佑介、綾野雅宏、森康雄、山内拓司、塚本浩、有信洋二郎、堀内孝彦、新納宏昭、赤司浩一, 難治性全身性硬化症に対する自己末梢血幹細胞移植療法の安全性と有用性の検討, 第117回日本内科学会総会・講演会, 2020.08, 【目的】欧米では従来治療であるシクロホスファミド間歇的静注療法との無作為化比較対照試験において,自己末梢血幹細胞療法の有用性が示されている.日本人全身性硬化症における本療法の安全性と有効性を明らかにする.
【方法】シクロホスファミド(4g/m2)投与後の血球回復期にG-CSF製剤を投与し,アフェレーシスを行った.11例では採取した単核球から抗CD34抗体を用いて,造血幹細胞を純化した.また8例では純化を行わなかった.シクロホスファミド(200mg/kg)で前処置を行い,自己末梢血幹細胞移植を施行した.有害事象および移植後8年間のスキンスコアと肺機能の解析を行った.さらに純化群と非純化群の比較検討を行った.
【結果】移植後8年間,スキンスコアおよび肺活量・肺拡散能の有意な改善が得られた.純化群で治療効果が高い傾向がみられた.また純化群でウイルス感染症が多い傾向にあったが,治療関連死はなく重篤な有害事象も両群で差はなかった.
【総括】難治性全身性硬化症に対して,CD34陽性細胞純化自己末梢血幹細胞移植療法は長期間の皮膚硬化,間質性肺炎の改善が得られる可能性が示された.2017年8月より本療法を先進医療Bとして実施している..
2. 三苫 弘喜, 各TNF阻害剤の臨床的特徴をその多様な分子学的作用から考える, 第53回九州リウマチ学会, 2017.03, 2003年に関節リウマチに対するTNF阻害剤が本邦で初めて承認されて以降、その高い臨床効果がリウマチ治療の変革をもたらし、現在では5剤のTNF阻害剤が保険承認されている。さらに若年性特発性関節炎、尋常性乾癬、関節症性乾癬、強直性脊椎炎などの炎症性疾患でもその有効性が示されている。一方で炎症性腸疾患、多発血管炎性肉芽腫症、サルコイドーシスなどではアダリムマブをはじめとする抗体製剤の有効性が示されているが、2型TNF受容体融合蛋白製剤では有意な臨床効果がえられていない。このことから各TNF阻害剤の分子学的作用機序や薬理学的特徴に関する研究が盛んに行われるようになり、可溶型TNFや膜型TNFの中和作用以外の知見の報告が集積されている。さらに炎症性腸疾患では腸粘膜生検によるTNF阻害剤投与前後の炎症組織の解析が可能であり、TNFおよびTNF阻害剤の生体内での作用が明らかとなってきた。
本セッションではこれまでの報告の中から、1)膜型TNF発現細胞に対する作用(抗体依存性細胞傷害,補体依存性細胞傷害,膜型TNFのreverse signal)、 2)Fc受容体発現細胞に対する作用、 3)Neonatal Fc receptor (FcRn)を介した抗体のリサイクリングと胎盤移行、4)組織メタロプロテアーゼによる切断、5)炎症組織への分布、について各製剤の特徴を紹介したい。
関節リウマチにおいては個々の症例において各TNF阻害剤の分子学的作用の長所を最大限に活かす薬剤選択は非常に難しいのが実情である。炎症性腸疾患を中心とするこれまでの報告を元に、今後の可能性と展望を交えながら議論したい。.
3. 三苫 弘喜, ヒトマクロファージの細胞質における核酸の認識とインフラマゾーム活性化のメカニズム, 日本リウマチ学会第1回アニュアルベーシックコースレクチャー, 2014.10.

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