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古川 全太郎(ふるかわ ぜんたろう) データ更新日:2020.06.15

助教 /  工学研究院 社会基盤部門 地盤学講座


大学院(学府)担当

学部担当



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ホームページ
https://kyushu-u.pure.elsevier.com/ja/persons/zentaro-furukawa
 研究者プロファイリングツール 九州大学Pure
http://www7.civil.kyushu-u.ac.jp/bousai/
九州大学 防災地盤工学研究室 .
電話番号
092-802-3383
FAX番号
092-802-3383
取得学位
博士(工学)
専門分野
地盤工学、地盤環境工学、土壌化学
活動概要
被評価者は,「植物と地盤の物理的・化学的インターラクションの評価手法」をテーマに,主に下記3つの研究テーマに取り組んでいる.
①乾燥地の土地劣化進行抑制のための高保水・保肥地盤材料の開発
②植物根系の代謝を活かした重金属汚染地盤の浄化に関する研究
③地盤のせん断時の根系の生体反応モニタリングによるバイオアラームの開発

①気候変動や人為的活動によって進行する土地劣化を抑止するための技術が求められている.被評価者は劣化した土地に植生を施す地盤環境保全技術を開発し,対象地の住民が自主的に行える持続可能な砂漠化防止技術を提案することを目的とした研究に取り組んでいる.
 具体的には,高効率かつ経済的・持続的な植生定植手法として,現地で廃棄される不要な家畜の乾燥糞を,低肥沃度の現地砂質土に混合した節水型の高保水・高肥沃度材料である「緑化土質材料」を開発している.本材料は,現地地盤にほとんど含まれない必須栄養素の窒素・リン等を制御でき,家畜乾燥糞を炭素源として微生物活性が飛躍的に向上し,土壌団粒化が促進されるため表層地盤の保水・保肥性の長期的な持続が可能である.さらに,家畜乾燥糞は繊維質を含むため,現地表層土の保水性を向上させる機能を有する.加えて,廃棄される古紙を利用することによるCO2の排出抑制効果も期待できる.
対象とする植物は,稀少で有用な薬用植物「カンゾウ」である.カンゾウは中国,モンゴル等の乾燥地に自生する郷土植物であるが,近年の気候変動や乱獲・過放牧により個体数は激減している.
これまでの研究成果として,緑化土質材料を用いたカンゾウの生育実験を現地で行い,材料の設置・混合条件によって異なる地盤環境を総合的に調査し,地盤の物理・化学・生物的環境をパラメータとして,植生の生存率・生長度に対する統計分析及びロジスティック回帰分析を行い,「植生生長シミュレーター」を構築する.シミュレーターを基に,植生生長と材料の環境の関係を評価し,郷土植物生長に適切な地盤環境を提案している.

②近年,植物の生長と代謝を活かした汚染土壌の浄化工法であるファイトレメディエーションが着目されている.しかしながら,その効果は汚染物質の形態,植物根系の生育量,降雨等の気象条件に依存し,その不確実性が懸念されている.このよう背景から,効果的・効率的なファイトレメディエーション (植物根による地盤内汚染物質の浄化) を行うために,地盤内のpH,ORP (酸化還元電位),不飽和分散係数,陽イオン交換容量に依存する汚染物質の形態変化・移動メカニズムを、移流、分散、吸脱着特性に着目し,実験的・解析的に評価する手法を開発する.具体的には,汚染物質動態に基づいた植物根による吸水・汚染物質の吸着と、生長に伴うその変化を追うことができる環境配慮型地盤浄化シミュレーターを構築し、汚染物質除去時間、除去量と植生密度・生長量の関係を予測・評価する手法を提案する。
これまでの研究において,コマツナ,ヒマワリを対象として,六価クロムを混合した二次元系模擬汚染地盤における植生実験を行い,シミュレーターの精度評価に必要な土壌環境パラメータと植生生長に関するデータを得た.その結果,六価クロムの初期濃度と植生の生育期間,植生による六価クロム浄化率,及び植生による浄化効果が確認できる最大の六価クロム濃度が明らかとなった。また,円筒座標系に不飽和土の浸透流解析と移流-分散解析に根による物質吸収項を付与したモデルを構築し,根の生長速度、分布密度、根の吸水能力および土壌の保水性が、汚染物質の濃度の分布および経時変化に及ぼす影響を計算した.その汚染物質の軽減に最も寄与している植生生長・土壌パラメータを明らかにした。現在は,植生実験で得られた土壌パラメータ,植生生長データとの比較を行い,構築したモデルの精度検証および高精度化を行うことに加え,長期間の浄化効果の予測,適切な植栽条件について解析的に検討している.

③本研究は,山間部の斜面や廃棄物処分場周辺斜面の表層斜面崩壊のソフト対策として,植物根が地盤のすべりによって受けたせん断力に反応する「生体電位」を読み取り,災害時にある変位が発生した時点で警告を発令し,早急に避難を促すことができる「表層崩壊バイオアラーム」を開発することが目的である.本アラームは,樹木や植生が外的刺激 (すべり面でのせん断力や引張力) を受けたときの「生体電位」の変化を利用して地盤の変状をモニタリングし,早期警報の発令に資するものである.
 生体電位とは,心電図や脳波等,動物や植物等の生命活動によって生じる電気信号のことである.生物の体内では,様々な外的刺激によって情報伝達が起こるため,生体電位は時々刻々と変動 (反応) する.提案するセンサーを用いると,植物の根や茎の表面に安価な電極を固定し,常時発生している電位を読み取り,根周辺の地盤の変位や作用しているせん断力をモニタリングすることができる革新的な表層崩壊モニタリングシステムを構築できる. そのため,根を含む地盤のせん断強さと,根の植物生理的反応の関係を明らかにし,地盤のせん断強さ-根の反応生体電位の関係性を見出すことが重要である.
これまでの研究において,スギ,クヌギ根系を含む一面せん断試験を室内で行い,根による地盤補強効果及びせん断時の生体電位の変化に関する評価を行った.その結果,せん断面での根の存在割合と地盤の内部摩擦角,粘着力の増加割合の関係を明らかにした.また,スギ,クヌギの生体電位の出力値と波形のせん断前後の電位波形,周波数の特徴を得た.

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