九州大学 研究者情報
研究者情報 (研究者の方へ)入力に際してお困りですか?
基本情報 研究活動 教育活動 社会活動
森田 太智(もりた たいち) データ更新日:2024.03.15

准教授 /  総合理工学研究院 エネルギー科学部門 エネルギーシステム学


社会貢献・国際連携
社会貢献・国際連携活動概要
高出力レーザーを用いた実験室宇宙物理研究において、米国ローレンスリバモア研究所のNational Ignition Facilityや、ロチェスター大学のOmegaレーザーを用い、
米国、仏国、英国、中国等多期間との共同研究を行っている。
新聞・雑誌記事及びTV・ラジオ番組出演等
2020.03, 読売新聞, サイエンス&エコロジー "月より遠く 太陽圏外へ速く" (編集委員 吉田昌史)
"核融合利用 火星まで3ヶ月"という記事において、将来の推進システム構想であるレーザー核融合ロケットを用いた場合の惑星探査についてのコメントを提供。.

2020.01, 日刊工業新聞, 九州大学大学院総合理工学研究院の山本直嗣教授らは、IHIエアロスペース(東京都江東区)などと、高出力で低燃費な「レーザー核融合ロケット」の実現に向けて共同研究を始めた。レーザー核融合ロケットの模擬実験と数値シミュレーションを行い、研究開発を進める。
光産業創成大学院大学や大阪大学レーザー科学研究所、広島大学、米パデュー大学、明石工業高等専門学校が参加する。期間は2023年3月までの3年間。
レーザー核融合ロケットは、推進させるための燃料が入った球状プラスチック容器にレーザー光を当て、生成される「核融合プラズマ」をロケット外に排出することで推力を得る。研究グループが行う実験では、中が空洞の球状プラスチック容器にレーザー光を当てて加熱し、プラズマを発生させる。レーザー光の出力エネルギーを変え、得られる推力の変化量から両者の関係性を導く。阪大が所有する数キロジュールのレーザー光の出力装置を使って研究を進める。
有人での月や火星の探査に向けた研究開発が各国で進められている。核融合プラズマを推進剤とするレーザー核融合ロケットは、他の技術と比べて大推力や低燃費が実現できる。そのため、地球から火星まで数年かかると言われている飛行時間を3カ月間に短縮することが期待できる。.

2017.10, 日本経済新聞, 九大、レーザー核融合ロケット実現に向けたプラズマの噴出制御に成功

九州大学大学院総合理工学研究院の森田太智助教と山本直嗣教授は、大阪大学レーザー科学研究所、パデュー大学、光産業創成大学院大学、広島大学、明石高専と協力して、プラズマロケット磁気ノズルのレーザー生成プラズマ噴出方向の制御に成功しました。

 有人火星探査が現実味を帯びる中、従来までの化学ロケットでは火星までの往復に長時間を要し、宇宙船乗務員・乗客には、心理的な負担に加えて宇宙線被曝、骨密度減少など大きな負荷をかけます。そのため化学ロケットに代わる高速の宇宙船・ロケットが求められています。将来の惑星間・恒星間航行の有力候補とされるレーザー核融合ロケットでは、高速で膨張する核融合プラズマを、強力な磁場で制御し排出します。

 今回、大阪大学レーザー科学研究所のEUVデータベースレーザー(出力エネルギー:6J)を固体に照射することで高速に膨張するプラズマを生成し、複数の電磁石を組み合わせた磁気ノズルで排出プラズマの方向制御が可能であることをはじめて実験的に実証しました。さらにレーザー照射によって生成されるプラズマとその膨張過程を数値シミュレーションで計算することで、本手法の原理が実証可能であることを確認しました。

 本成果は、平成29年8月21日(月)に英国科学誌Springer Natureが出版する『Scientific Reports』誌に掲載されました。引き続き、10月16日(月)から20日(金)にかけて、さらに100倍のエネルギーをもつ大阪大学レーザー科学研究所の大型レーザー(激光XII号)を利用して、その性能を向上させるための詳細な実験を行い、本手法の実用化を確信する実験データを得ました。今後は実機で想定されるような、さらに1000倍のエネルギーを用いたプラズマロケット磁気ノズルの原理実証を目指して、研究を進めていきます。

 本研究はJSPS 科研費 若手研究(B) JP15K18283、JP17K14876 および大阪大学レーザー科学研究所の支援を受けて行われました。

 参考論文 Scientific Reports 7, Article number: 8910 (2017)

 https://www.nature.com/articles/s41598-017-09273-3.

2017.10, 日刊工業新聞, 九大、プラズマ噴出方向制御­レーザー核融合ロケット、実証成功

九州大学大学院総合理工学研究院の森田太智助教や山本直嗣教授らは、地球圏の外にある「深宇宙」への有人探査での有力候補技術の一つ「レーザー核融合ロケット」の要素技術の実証に成功した。レーザーと複数の電磁石の組み合わせで、ロケットの推力となるプラズマの排出方向を制御した。プラズマを利用したロケットの磁気ノズルの原理実証を目指す。

四つのコイルを立方体形状に組み合わせた磁気ノズルを作製。直径0・5ミリメートルの樹脂製の球を磁気ノズル付近につり下げ、球にレーザー光を照射した。

レーザー光を照射した球の表面から電子やイオンに分離したプラズマが放出。この時に四つのコイルに流す電流の強度を調節することで、付近の磁場が変わり、プラズマの噴出方向を制御できた。

将来、有人で火星などを探査する際に従来の化学ロケットでは長時間の乗船を強いられ、心理的な負担や宇宙線による被ばくなどの負荷がかかる。もしレーザー核融合ロケットが実現すれば火星との往復期間が150日程度になるという試算がある。

大阪大学レーザー科学研究所や米パデュー大学などとの共同研究。成果は英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。.

初等・中等教育への貢献状況
2018.05, 九州大学魅力発見BOOK .

2018.06, SSH 先端技術体験講座
, 城南高校.

大学運営
学内運営に関わる各種委員・役職等
2024.04, 障碍者支援推進委員会.


九大関連コンテンツ

pure2017年10月2日から、「九州大学研究者情報」を補完するデータベースとして、Elsevier社の「Pure」による研究業績の公開を開始しました。