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井口 千雪(いのくちちゆき) データ更新日:2024.04.09

准教授 /  人文科学研究院 文学部門


原著論文
1. 井口千雪,小松謙,大賀晶子,川上萌実,孫琳浄,田村彩子,永井もゆ,藤田優子,宮本陽佳, 「漢將王陵變」訳注(一), 『京都府立大学学術報告(人文)』第74号, 1-55, 2022.12.
2. 井口千雪,@大賀晶子,@川上萌実,@小松謙,@孫琳浄,@田村彩子,@永井もゆ,@藤田優子,@宮本陽佳, 「漢將王陵變」訳注(二), 『和漢語文研究』第12号, 12, 164-188, 2022.11.
3. 井口 千雪, 馮夢龍三言に見る軍士の表象, 『中国文学論集』第50号, 50, 96-114, 2021.12.
4. 井口千雪・大賀晶子・川上萌実・小松謙・孫琳浄・玉置奈保子・田村彩子・藤田優子・宮本陽佳, 「金剛醜女因縁」訳注(三), 『和漢語文研究』第19号, 2021.11.
5. 井口千雪・大賀晶子・川上萌実・小松謙・孫琳浄・玉置奈保子・田村彩子・藤田優子・宮本陽佳, 「金剛醜女因縁」訳注(二), 『京都府立大学学術報告(人文)』第73号, 2021.12.
6. 井口 千雪, 宋江之乱考実, 『文学研究』第118輯(九州大学人文科学研究院), 39-76, 2021.03.
7. 井口千雪・大賀晶子・川上萌実・小松謙・孫琳浄・玉置奈保子・田村彩子・藤田優子・宮本陽佳, 「大目乾連冥間救母變文」訳注(五), 『京都府立大学学術報告(人文)』第72号, 67-112, 2020.12.
8. 井口千雪・大賀晶子・川上萌実・小松謙・孫琳浄・玉置奈保子・田村彩子・藤田優子・宮本陽佳, 「金剛醜女因縁」訳注(一), 『和漢語文研究』第18号, 115-164, 2020.11.
9. 井口 千雪, 武定侯郭勛による『三国志演義』『水滸伝』私刻の意図, 『日本中國學會報』第71集, 2019.10, 中国においては従来、文学の担い手は大夫(文人・文官)であったとみなされて来たが、本研究は、明代文学を代表する小説『三国志演義』『水滸伝』が高級武官である武定侯郭勛によって出版されたことに着目し、膨大な史料の精査により、その出版意図や背景を考察したものである。明代の武人・武官が、出版事業によって、自身らの主張を世に知らしめたり、地位向上を図っていたことを明らかにした。.
10. 井口 千雪, 武定侯郭勛の人脈―その文学活動を支えたもの(前編), 『中国文学論集』第47号, 47, 37-69, 2018.12.
11. 井口千雪・大賀晶子・香月玲子・川上萌実・小松謙・孫琳浄・玉置奈保子・田村彩子・藤田優子・宮本陽佳, 「大目乾連冥間救母變文」訳注(一), 『京都府立大学学術報告(人文)』第70号, 27-83, 2018.12.
12. 井口千雪, 武定侯郭勛の人脈―その文学活動を支えたもの(後編), 『和漢語文研究』第16号, 201-224, 2018.11.
13. 井口千雪・大賀晶子・香月玲子・川上萌実・小松謙・孫琳浄・玉置奈保子・田村彩子・藤田優子・宮本陽佳, 「大目乾連冥間救母變文」訳注(二), 『和漢語文研究』第16号, 224-244, 2018.11.
14. 井口千雪, 「明朝勲戚武定侯郭氏と文学―「諸葛の如き」定襄伯郭登―」, 『中国文学論集』第四十六号, 111-133, 2017.12.
15. 井口 千雪, 「明朝勲戚武定侯郭氏と文学―家譜・年譜―」, 『京都府立大学学術報告・人文』第68号, 2016.12.
16. 井口 千雪, 「『三國志演義』三系統の版本の継承関係―異同の全体像から見た成立過程の考察―」, 『京都府立大学学術報告・人文』第66号

, 2014.12,  『三國志演義』の三系統の版本の本文を、全編にわたって校勘した結果をまとめる。
 まず、各版本間の本文の異同は、序盤・中盤・終盤で多寡が異なっていることを指摘する。そしてこのような状況は、各部の成立時期が異なるために生じたのではないかと論じる。また、本文改変の意図を、具体例を挙げながら考察する。
 紙面上可能な限りの例を列挙し、今後の版本研究においても基盤となり得る内容となっている。.
17. 井口 千雪, 「『三國志演義』と歴史書―終盤を中心に―」, 『和漢語文研究』第12号, 2014.11,  『三國志演義』の終盤、魏・蜀・呉が滅びる部分は、ほぼ完全に歴史書の記述を繋げただけのものであることを実証する。つまりこの部分は、架空の物語を多く含むメインストーリーとは執筆プロセスが異なっているのであって、制作者や成立時期の違いを示唆している。本論では、この部分は書坊が商業的利益目的で付け足したものではないかと論じ、当時の商業出版、大衆文学の発展がどのように起こったのかを考える。.
18. 井口 千雪, 「『三國志演義』三系統の版本の継承関係―劉龍田本を手がかりに―」, 『東方學』第127集, 2014.01,  『三國志演義』の三系統の版本の本文を校勘し(本論では葉逢春本、劉龍田本、嘉靖壬午序本という比較的古い版本三種を利用)、従来は簡本であるがゆえに軽視されてきた劉龍田本の本文は、葉逢春本から嘉靖壬午序本へと洗練されていく過渡期に派生した版本であることを明らかにする。
 この発見は、これまで漠然と想定されてきた「現存する版本以前に存在したであろうテキスト」の存在を実証するものであって、今後、人物形象の変遷などを考察する際にも重要な基礎的研究とみなされることになると思われる。.
19. 井口 千雪, 「関索説話に関する考察」, 『和漢語文研究』第11号, 2013.11,  『三國志演義』のいくつかの版本には、関羽の架空の息子、「関索」が活躍するという所謂「関索説話」が存在する。従来は嘉靖壬午序本が現存最古の版本と考えられてきたことから、まず嘉靖壬午序本のように関索説話を持たない版本が存在し、そこに関索説話が挿入されて周曰校本のような版本が成立し、さらにそれを参照して劉龍田本等の版本が関索説話を取り入れたとする説が有力であった。
 しかし、先に発表した論文により、嘉靖壬午序本の本文は必ずしも最古の様相を残しているわけではないことがわかった(1参照)。そこで本論では、関索説話は原演義には存在していたが、嘉靖壬午序本が、史実と乖離するものを排除するという意識の下、関索説話を削除したものと提言する。そして、読者層の需要の変化に伴う文学の変容という問題に目を向ける。.
20. 井口 千雪, 「『三國志演義』と『蜀漢本末』」, 『和漢語文研究』第10号, 2012.11,  『三國志演義』の諸葛亮南蛮征伐の部分をとりあげ、この部分には元の趙居信著『蜀漢本末』なる歴史書が利用された可能性が高いことを指摘し、他の部分とは成立過程や成立時期が異なるのではないかと提言する。『蜀漢本末』は現在では中国でも日本でも、ほぼ研究されることなく埋もれてしまっている書物であるが、本論でその価値を再評価する。.
21. 井口 千雪, 『三国志演義』執筆プロセスに関わる考察, 『日本中國學會報』第64集, 2012.10.
22. 井口 千雪, 「『三國志演義』の原初段階における成立と展開―段階的成立の可能性―」, 『和漢語文研究』第9号, 2011.11,  中国の白話小説『三國志演義』の現存する最古の版本とされる「嘉靖壬午序本」(1522年序)と、それに準じて古いとされる「葉逢春本」(1548年序)の本文を詳細に校勘し、葉逢春本の文体が稚拙でより原演義(現佚)に近く、嘉靖壬午序本には洗練を目的とした書き換えが施されていることを指摘する。
 さらに、『演義』の本文と史書の記述と比較し(西晋の陳寿著『三國志』・北宋の司馬光著『資治通鑑』・南宋の朱熹著『資治通鑑綱目』等)、原作者の執筆手法について、初歩的な考察を行う。.

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