参与に関する基礎的研究
キーワード:参与、フィールドワーク、質的研究、方法論的研究
2004.03.
木下 寛子(きのした ひろこ) | データ更新日:2024.04.09 |
主な研究テーマ
経験と行為:出会いの解釈学
キーワード:解釈学、出会い、経験と行為
2017.03.
キーワード:解釈学、出会い、経験と行為
2017.03.
日常性と学校
キーワード:地域性、学校、生活世界、近隣、
2020.04.
キーワード:地域性、学校、生活世界、近隣、
2020.04.
小学校の日々から始まる雰囲気の解釈学的現象学
キーワード:雰囲気、風土、生活世界、解釈学
2003.04.
キーワード:雰囲気、風土、生活世界、解釈学
2003.04.
従事しているプロジェクト研究
「移動」を前提とする都市の生活環境:「人間―環境」系理解のための探索的研究
2022.06~2024.03, 代表者:木下寛子, 九州大学
本研究は、「移動」が人生における希望にまで深く浸食する現代の都市生活の状況を理解することを通じて、都市と人の関係性の理解を目指すもので、当該2年間はその萌芽的段階である。具体的には九大の移転という出来事を経た福岡市とその周辺に注目し、市内近辺で調査や実践に取り組んできた多分野の研究者(環境心理学、都市設計学、建築計画学、社会学、教科教育学、博物館教育学等)相互のGroup Inquiry(Seamon,1991)を、特に生活者の「経験に近い言葉」に着目して実施する。期待される成果として①都市において問われるべき「移動」の意味が明確になり②大学まるごとの「移動」が地域にもたらしたインパクトを含め、今後生じる都市の諸問題への総合知の応答性・責任性に資する「人間-環境」系理解の理論的パースペクティブがもたらされることになる。
なお、本プロジェクトは、人社系協働研究・教育コモンズ「研究コモンズ」のポリシーのひとつ「アジアに開かれた九州」、および「教育コモンズ」の「クロスアジア」、人間環境学府多分野連携プログラム「都市の生態学:移動・地域・生活環境」等との連携のもとで進めていく。.
2022.06~2024.03, 代表者:木下寛子, 九州大学
本研究は、「移動」が人生における希望にまで深く浸食する現代の都市生活の状況を理解することを通じて、都市と人の関係性の理解を目指すもので、当該2年間はその萌芽的段階である。具体的には九大の移転という出来事を経た福岡市とその周辺に注目し、市内近辺で調査や実践に取り組んできた多分野の研究者(環境心理学、都市設計学、建築計画学、社会学、教科教育学、博物館教育学等)相互のGroup Inquiry(Seamon,1991)を、特に生活者の「経験に近い言葉」に着目して実施する。期待される成果として①都市において問われるべき「移動」の意味が明確になり②大学まるごとの「移動」が地域にもたらしたインパクトを含め、今後生じる都市の諸問題への総合知の応答性・責任性に資する「人間-環境」系理解の理論的パースペクティブがもたらされることになる。
なお、本プロジェクトは、人社系協働研究・教育コモンズ「研究コモンズ」のポリシーのひとつ「アジアに開かれた九州」、および「教育コモンズ」の「クロスアジア」、人間環境学府多分野連携プログラム「都市の生態学:移動・地域・生活環境」等との連携のもとで進めていく。.
人新世のレジリエンス論:人間と環境との共存に向けた関係性の再構築
2022.04~2023.03, 代表者:蕭 耕偉郎, 九州大学
人新世(じんしんせい、英: Anthropocene)とは、人類が地球の地質や生態系に与えた影響に注目して、ノーベル化学賞受賞者のポール・クルッツエンら(Crutzen and Stoermer, 2000)が提唱した地質時代における現代を位置づける概念である。1万年前に始まったばかりの完新世(Holocene)という安定した地球環境の時代が終わって、人間活動によって地球環境が大きく変動する新しい地質年代に入ったことを意味する(渡辺,2021)。「人新世」をめぐる議論では、もはや「人間−自然」の素朴な二分法では現実に生起する様々な環境問題を捉えきれなくなったことが指摘され、自然と人間をめぐる新たな関係のあり方が模索されている(中島,2019)。この背景のもとで、人新世における自然と人間との共存に向けては、様々なリスクを見据えた新たなレジリエンス論の構築が求められる。本研究では、従来から行われてきた自然科学の方法論に基づく「環境領域」と、人間活動に着目する「人間領域」の側面に加えて、人間と環境との接続を担うプラットフォームである社会制度などの「社会システム領域」の側面を取り込み、新たなレジリエンス論を構築することを目的とする。この目的を踏まえて、本研究では上述の3領域の側面から人新世における自然と人間との共存に向けて必要不可欠な要素から構成する「レジリエンス」の在り方を模索することによって、新たな自然と人間の関係性を示唆する「人新世のレジリエンス論」を提示する。
本研究の展望は、「人新世のレジリエンス論」という新たな理論的枠組みの提示から、今後多様なフィールド・実空間を対象とした実証的分析を視野に、既存の多くの関連分野の垣根を超えて方法論を活用し、人間と環境、そしてそのインターフェイスとなる社会システムの各側面に通底するリスク/レジリエンスを評価するための枠組みの構築につなげる。具体的に、相互依存関係にある人間、環境と社会システムでは、①「共通または相乗効果」が存在する要素(例:水の循環を不可欠とする点)や、②「相反または互いに衝突」する要素(例:人間による開発・生産活動は環境に影響を来たす一方、環境がなければ開発・生産活動もできないという不可分性)と、互いのリスクに影響を与えうる要素(例:温室効果ガスの排出/抑制)が考えられる。これらの要素を抽出して、更に要素同士の関係性を体系化することで、将来の多様な変化を予見して、柔軟に対応しうる方法論や実務面での政策提言に貢献する。また、本研究が提示する「人新世のレジリエンス論」は、人間と環境との関係性への抜本的な見直しに向けた示唆や、その両者をつなぐインターフェイスとしての社会システムを導入することで、「人間環境学」という既存の学問領域への新たな水平を示す理論的な進展を企図する。.
2022.04~2023.03, 代表者:蕭 耕偉郎, 九州大学
人新世(じんしんせい、英: Anthropocene)とは、人類が地球の地質や生態系に与えた影響に注目して、ノーベル化学賞受賞者のポール・クルッツエンら(Crutzen and Stoermer, 2000)が提唱した地質時代における現代を位置づける概念である。1万年前に始まったばかりの完新世(Holocene)という安定した地球環境の時代が終わって、人間活動によって地球環境が大きく変動する新しい地質年代に入ったことを意味する(渡辺,2021)。「人新世」をめぐる議論では、もはや「人間−自然」の素朴な二分法では現実に生起する様々な環境問題を捉えきれなくなったことが指摘され、自然と人間をめぐる新たな関係のあり方が模索されている(中島,2019)。この背景のもとで、人新世における自然と人間との共存に向けては、様々なリスクを見据えた新たなレジリエンス論の構築が求められる。本研究では、従来から行われてきた自然科学の方法論に基づく「環境領域」と、人間活動に着目する「人間領域」の側面に加えて、人間と環境との接続を担うプラットフォームである社会制度などの「社会システム領域」の側面を取り込み、新たなレジリエンス論を構築することを目的とする。この目的を踏まえて、本研究では上述の3領域の側面から人新世における自然と人間との共存に向けて必要不可欠な要素から構成する「レジリエンス」の在り方を模索することによって、新たな自然と人間の関係性を示唆する「人新世のレジリエンス論」を提示する。
本研究の展望は、「人新世のレジリエンス論」という新たな理論的枠組みの提示から、今後多様なフィールド・実空間を対象とした実証的分析を視野に、既存の多くの関連分野の垣根を超えて方法論を活用し、人間と環境、そしてそのインターフェイスとなる社会システムの各側面に通底するリスク/レジリエンスを評価するための枠組みの構築につなげる。具体的に、相互依存関係にある人間、環境と社会システムでは、①「共通または相乗効果」が存在する要素(例:水の循環を不可欠とする点)や、②「相反または互いに衝突」する要素(例:人間による開発・生産活動は環境に影響を来たす一方、環境がなければ開発・生産活動もできないという不可分性)と、互いのリスクに影響を与えうる要素(例:温室効果ガスの排出/抑制)が考えられる。これらの要素を抽出して、更に要素同士の関係性を体系化することで、将来の多様な変化を予見して、柔軟に対応しうる方法論や実務面での政策提言に貢献する。また、本研究が提示する「人新世のレジリエンス論」は、人間と環境との関係性への抜本的な見直しに向けた示唆や、その両者をつなぐインターフェイスとしての社会システムを導入することで、「人間環境学」という既存の学問領域への新たな水平を示す理論的な進展を企図する。.
地域性の解釈学
2020.04~2024.03, 代表者:木下寛子, 九州大学.
2020.04~2024.03, 代表者:木下寛子, 九州大学.
地域コミュニティに開かれた特別支援学校についての学際的研究
2020.04~2022.03, 代表者:宮本聡, 九州大学.
2020.04~2022.03, 代表者:宮本聡, 九州大学.
農と食と心理学
2010.11, 代表者:石井宏典・菅野幸恵・木下寛子・浜田寿美男, 茨城大学・青山学院大学・九州大学・奈良女子大学.
2010.11, 代表者:石井宏典・菅野幸恵・木下寛子・浜田寿美男, 茨城大学・青山学院大学・九州大学・奈良女子大学.
研究業績
主要著書
主要原著論文
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. | 木下 寛子, 学校の時間(3)新しい場所、新しくなる場所, クラルス(新曜社Webマガジン), 2020.01, [URL]. |
2. | 木下 寛子, 学校の時間(2)学校の時間のはじまり:あなたを待っていた, クラルス(新曜社Webマガジン), 2019.09, [URL]. |
3. | 木下 寛子, 学校の時間(1)はじめに:学校のための時間, クラルス(新曜社Webマガジン), 2019.07, [URL]. |
4. | 田中 裕一, 木下 寛子, イラストで学ぶ合理的配慮BandA(12):適切に合理的配慮を提供し続けるために, 教職研修, No.559, p.59, 2019.03. |
5. | 江口 裕輔, 木下 寛子, 細川 晋一郎, マリア・アレハンドラ・ロペス, 箱崎のマチ・ミチ・ヒト:生活空間としての街路から見る箱崎の様相:シリーズアーバンデザインを考える―05, 季刊都市情報誌fU(エフ・ユー)第6号, 38-39., 2006.03. |
主要学会発表等
1. | Hiroko KINOSHITA, Blooming qualities in fields: For psychology as historical/interpretive practices, SQIP(Society for Qualitative Inquiry in Psychology), 2022.06, [URL]. |
2. | 木下寛子, 「出会い」が開く学校の世界―小学校の日々への参与から―, 日本質的心理学会研究交流委員会主催企画「社会を見据える質的研究―長期的フィールドワークと、これから」, 2018.03, 本発表は、日本質的心理学会研究交流委員会企画「社会を見据える質的研究―長期的フィールドワークと、これから」(企画:青木美和子・石井宏典/話題提供:出口泰靖(千葉大学)・木下寛子(九州大学)・青木美和子(札幌国際大学)・石井宏典(茨城大学))における話題提供である。 本発表では、約18年にわたるある小学校のフィールドワークの参与の特徴と長期化することで何が見えるようになり、実現するようになったのかを、フィールドワークを始まる前の関心の変遷、およびフィールドエントリーの過程、そして6つの具体的なエピソードを紹介しながら論じていった。. |
3. | 木下 寛子, 小学校の風景:参与を通じた場の全体性理解の契機と展開, 日本質的心理学会第14回大会, 2017.09. |
4. | 木下 寛子, ある小学校のフィールドワークを通した雰囲気の考察:「様相」・「とどまること」・「返照」をめぐって(論文番号7番), 日本質的心理学会第7回大会, 2010.11. |
学会活動
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2024.03.20~2024.03.20, 九州大学人社系協働研究・教育コモンズシンポジウム 「『歴史総合』時代のロシア史」第3部「隣国の歴史と私たち」, 指定討論.
2023.11.05~2023.11.05, 日本質的心理学会第20回大会自主シンポジウム「孤立からつながりへ:エージェンシーをめぐる対話」(企画:青山征彦(成城大学)・保坂裕子(兵庫県立大学)・木下寛子(九州大学),話題提供:青山征彦・保坂裕子・浜田寿美男(奈良女子大学名誉教授),指定討論:木下寛子), 企画・指定討論.
2023.10.18~2023.10.18, 九州大学人社系協働研究・教育コモンズ企画シンポジウム「『人社系の知』とELSI」, 指定討論.
2023.09.22~2023.09.22, 九州大学人社系協働研究・教育コモンズ企画ブックラウンチ「『都市で故郷を編む』を囲んで―沖縄・シマの近現代と社会心理学的フィールドワーク」, 企画・同行(司会).
2022.10.28~2022.10.28, 日本質的心理学会第19回大会自主シンポジウム「フィールドに花開く質:社会・文化的、歴史的行為としての『解釈』と『翻訳』」, 企画・司会.
2022.06.16~2022.06.16, Symposium "Blooming qualities in fields: For psychology as historical/interpretive practices" (in SQIP Virtual Conference 2022), Chair.
2022.06.16~2022.06.18, SQIP VIRTUAL CONFERENCE 2022, 2022 SQIP-Conference Planning Team for East Asia.
2022.03.26~2022.03.26, 日本質的心理学会研究交流委員会企画シンポ「世界を見ることを学びなおす―臨床実践の哲学から―」(登壇者:西村ユミ(東京都立大学健康福祉学部看護学科)・大倉得史(京都大学大学院人間・環境学研究科)), 企画・司会.
2022.03.05~2022.03.07, 日本発達心理学会第33回大会(日本発達心理学会・分科会「ナラティブと質的研究会」)「ビジュアル・ナラティブの理論:イメージ、記号、ビジュアル言語」(6PM2-B-DS05), 指定討論.
2021.09.06~2021.09.07, 九州大学社会連携推進室科学コミュニケーション推進グループ設置記念公開シンポジウム「九州大学×科学コミュニケーション:伝える喜び、伝わる喜び ~双方向コミュニケーションの場を造る~」, 企画・第3部(パネルディスカッション)モデレーター.
2021.08.28~2021.08.28, 考える読書会第3回合評会(村上靖彦:著『摘便とお花見ー看護の語りの現象学』), 指定討論.
2021.07.31~2021.07.31, 九州大学人社系協働研究教育コモンズ「棚田の教え:その成立基盤と持続可能性」, 企画・司会.
2021.03.29~2021.03.31, 日本発達心理学会第32回大会(日本発達心理学会・日本質的心理学会合同シンポジウム)「エスノグラフィ視点なトランスナショナル発達科学の可能性」 , 指定討論.
2020.10.25~2020.10.25, 日本質的心理学会研究交流委員会企画「背中合わせで世界に臨む-環境、文化を問うことと質的心理学の今とこれから-」, 企画・司会(同行).
学術論文等の審査
年度 | 外国語雑誌査読論文数 | 日本語雑誌査読論文数 | 国際会議録査読論文数 | 国内会議録査読論文数 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
2021年度 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
2020年度 | 0 | 4 | 0 | 0 | 4 |
2019年度 | 0 | 4 | 0 | 0 | 4 |
2018年度 | 0 | 4 | 0 | 0 | 4 |
受賞
日本質的心理学会 第14回大会ポスター発表賞, 日本質的心理学会, 2017.09.
日本質的心理学会 第7回大会最優秀発表賞, 日本質的心理学会, 2010.11.
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2024年度~2028年度, 若手研究, 代表, 「地域のなかの学校」の解釈学:学校・校区の「節目」「行事」に焦点化した探索的研究.
2020年度~2023年度, 若手研究, 代表, 「地域性」の解釈学:教育実践の根拠となる地域理解の微視発生的研究
(概要)今日,校区・地域間の多様性が際立ち,それらが学校に与えるインパクトの大きさが顕在化し始めている。本研究は,言葉になりにくい,各学校の実践の根拠をなす「地域性」の意味,およびそれを理解する方法を,現実の教育現場への参与を通じて明らかにするものである。研究期間には,方法のベースとなる解釈学的研究の文献調査を進めつつ,ある公立小学校での「地域性」理解の過程に焦点化した調査を行ない,校区の理解が表象レベルから「地域性」の実践レベルへと変容する諸契機を明らかにする。この試みは,学校とその諸実践の個別性を,地域の単位に埋め込んで適切に理解する現実的な研究枠組みを提起するものである。.
(概要)今日,校区・地域間の多様性が際立ち,それらが学校に与えるインパクトの大きさが顕在化し始めている。本研究は,言葉になりにくい,各学校の実践の根拠をなす「地域性」の意味,およびそれを理解する方法を,現実の教育現場への参与を通じて明らかにするものである。研究期間には,方法のベースとなる解釈学的研究の文献調査を進めつつ,ある公立小学校での「地域性」理解の過程に焦点化した調査を行ない,校区の理解が表象レベルから「地域性」の実践レベルへと変容する諸契機を明らかにする。この試みは,学校とその諸実践の個別性を,地域の単位に埋め込んで適切に理解する現実的な研究枠組みを提起するものである。.
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会以外)
2020年度~2022年度, トヨタ財団 2019年度研究助成プログラム, 分担, 地域コミュニティに開かれた特別支援学校についての学際的研究:ローカルな学習文化資源を活かしたラボラトリースクール構想
(概要)近年の障害者基本法や関連法の改正を経て尚、特別支援教育を巡る状況は様々な課題を抱えている。それは、学童期−青年期−成人期という生涯発達の観点に立った支援や多様な機関の連携、地域社会と特別支援学校との関係構築などである。地域社会の「共育」の場として、行き交う人々の結節点として新しい価値に基づく学校が求められている。
本プロジェクトでは特別支援教育の最先端の実践およびそれを支える理念や認識や構造について教育学・人類学・哲学・心理学・歴史学・建築学の研究者が学際的な視点から研究を行う。その成果は、同メンバーが準備委員会に参画している特別支援学校(福岡県糸島市)の設立に向けて「糸島ラボラトリー・スクール構想」として提案される。特に①芸術や工芸に特化した実践的取り組みのカリキュラム化と②学校を教師・生徒・関係者による討議を通した改編可能な「制度」の場として開くことは、研究成果の社会実装としての意義を有するものであり、特別支援教育の当事者の参画可能性の視点に立ったユニバーサル化の一事例として“Arts,CraftsandDemocracyforAll”を学校制度の新たな価値として提案するものである。.
(概要)近年の障害者基本法や関連法の改正を経て尚、特別支援教育を巡る状況は様々な課題を抱えている。それは、学童期−青年期−成人期という生涯発達の観点に立った支援や多様な機関の連携、地域社会と特別支援学校との関係構築などである。地域社会の「共育」の場として、行き交う人々の結節点として新しい価値に基づく学校が求められている。
本プロジェクトでは特別支援教育の最先端の実践およびそれを支える理念や認識や構造について教育学・人類学・哲学・心理学・歴史学・建築学の研究者が学際的な視点から研究を行う。その成果は、同メンバーが準備委員会に参画している特別支援学校(福岡県糸島市)の設立に向けて「糸島ラボラトリー・スクール構想」として提案される。特に①芸術や工芸に特化した実践的取り組みのカリキュラム化と②学校を教師・生徒・関係者による討議を通した改編可能な「制度」の場として開くことは、研究成果の社会実装としての意義を有するものであり、特別支援教育の当事者の参画可能性の視点に立ったユニバーサル化の一事例として“Arts,CraftsandDemocracyforAll”を学校制度の新たな価値として提案するものである。.
学内資金・基金等への採択状況
2023年度~2023年度, 令和5年度 サイエンスカフェ活動等の強化・実施に向けた支援, 代表, 人社系協働研究・教育コモンズ企画 ブックラウンチ「『都市で故郷を編む』を囲んで―沖縄・シマの近現代と社会心理学的フィールドワーク」の開催・促進.
2022年度~2023年度, 人社系学際融合プログラム研究, 代表, 「移動」を前提とする都市の生活環境:「人間―環境」系理解のための探索的研究
概要:本研究は、「移動」が人生における希望にまで深く浸食する現代の都市生活の状況を理解することを通じて、都市と人の関係性の理解を目指すもので、当該2年間はその萌芽的段階である。具体的には九大の移転という出来事を経た福岡市とその周辺に注目し、市内近辺で調査や実践に取り組んできた多分野の研究者(環境心理学、都市設計学、建築計画学、社会学、教科教育学、博物館教育学等)相互のGroup Inquiry(Seamon,1991)を、特に生活者の「経験に近い言葉」に着目して実施する。期待される成果として①都市において問われるべき「移動」の意味が明確になり②大学まるごとの「移動」が地域にもたらしたインパクトを含め、今後生じる都市の諸問題への総合知の応答性・責任性に資する「人間-環境」系理解の理論的パースペクティブがもたらされることになる。.
概要:本研究は、「移動」が人生における希望にまで深く浸食する現代の都市生活の状況を理解することを通じて、都市と人の関係性の理解を目指すもので、当該2年間はその萌芽的段階である。具体的には九大の移転という出来事を経た福岡市とその周辺に注目し、市内近辺で調査や実践に取り組んできた多分野の研究者(環境心理学、都市設計学、建築計画学、社会学、教科教育学、博物館教育学等)相互のGroup Inquiry(Seamon,1991)を、特に生活者の「経験に近い言葉」に着目して実施する。期待される成果として①都市において問われるべき「移動」の意味が明確になり②大学まるごとの「移動」が地域にもたらしたインパクトを含め、今後生じる都市の諸問題への総合知の応答性・責任性に資する「人間-環境」系理解の理論的パースペクティブがもたらされることになる。.
2022年度~2022年度, 九州大学大学院人間環境学府・研究院「萌芽的学際研究に対する研究助成」, 分担, 人新世のレジリエンス論:人間と環境との共存に向けた関係性の再構築(代表:蕭 耕偉郎).
2019年度~2019年度, 近畿大学学内研究助成金(研究成果刊行助成金), 代表, 出会いと雰囲気の解釈学:小学校のフィールドから
本書は2017年提出の博士論文に基づき執筆された学術図書である。雰囲気は,子どもの学びや育ちにとっての重要な意味が見込まれる一方,実体がなく取り扱いにくいために,学校現場はもちろんのこと,心理学や教育学でもその意義や価値が十分に見定められていない。本書は,雰囲気を巡る日常的な経験をできるだけ変質させたりゆがめたりすることなく記述・理解する方法を求め,雰囲気とは何か,また雰囲気にはどのような意義や価値があるのかを明らかにする試みを展開した。具体的には学校・教室の日常への参与に基づき,雰囲気の意味解釈の方法(解釈学)を探求した。そして日常的な場に生じる問いとの出会いの経験,および問う行為に,雰囲気を記述し問う可能性が開かれる可能性を明らかにし,この方法を,対象の理論的認識方法から区別して「出会いの解釈学」と呼んだ。また雰囲気が,場をその都度開き直す「開顕性」という動的な性質そのものであることを明らかにし,雰囲気を巡る日常的で素朴な見込みを再解釈した。本書は,雰囲気理解を通じた学校現場への貢献のみならず,雰囲気をはじめ,現場のとらえにくい経験を問うための方法論を提起して,心理学のパラダイム転換に寄与するものと考えられる。.
本書は2017年提出の博士論文に基づき執筆された学術図書である。雰囲気は,子どもの学びや育ちにとっての重要な意味が見込まれる一方,実体がなく取り扱いにくいために,学校現場はもちろんのこと,心理学や教育学でもその意義や価値が十分に見定められていない。本書は,雰囲気を巡る日常的な経験をできるだけ変質させたりゆがめたりすることなく記述・理解する方法を求め,雰囲気とは何か,また雰囲気にはどのような意義や価値があるのかを明らかにする試みを展開した。具体的には学校・教室の日常への参与に基づき,雰囲気の意味解釈の方法(解釈学)を探求した。そして日常的な場に生じる問いとの出会いの経験,および問う行為に,雰囲気を記述し問う可能性が開かれる可能性を明らかにし,この方法を,対象の理論的認識方法から区別して「出会いの解釈学」と呼んだ。また雰囲気が,場をその都度開き直す「開顕性」という動的な性質そのものであることを明らかにし,雰囲気を巡る日常的で素朴な見込みを再解釈した。本書は,雰囲気理解を通じた学校現場への貢献のみならず,雰囲気をはじめ,現場のとらえにくい経験を問うための方法論を提起して,心理学のパラダイム転換に寄与するものと考えられる。.
2019年度~2019年度, 九州大学大学院人間環境学府 萌芽的学際研究に対する研究助成, 分担, 災害・戦争を契機とした専門家の関与と被災者に関する研究(代表者:大森万理子).
2017年度~2018年度, 九州大学人間環境学府 萌芽的学際研究に対する研究助成, 代表, 情況を読む―人間環境学における解釈学の可能性に向けて―.
2008年度~2009年度, 九州大学人間環境学府 学位取得(課程博士)に向けての研究助成, 代表, 雰囲気の解釈学的現象学.
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