2025/06/02 更新

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サンノウ マサミ
三納 正美
SANNO MASAMI
所属
比較社会文化研究院 准教授
職名
准教授
電話番号
0928025690
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研究テーマ・研究キーワード

  • 研究テーマ: 海域探査手法の開発

    研究キーワード: マルチビーム測深、音波探査、3Dデジタルアーカイブ、センサ開発

    研究期間: 2021年5月 - 2026年3月

論文

  • 2024年能登半島地震後の沿岸浅海底調査

    菅 浩伸, 三納 正美, 後藤 秀昭, 青木 賢人

    日本地理学会発表要旨集   2025s ( 0 )   219   2025年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    <p>1.はじめに</p><p> 沿岸浅海域は陸上地質と海域地質をつなぐ重要な地域であるが、大型調査船が近づけない沿岸浅海域は地形・地質調査の空白域として残されたままである。能登半島では東部で沿岸から5~7km、七尾湾では湾奥部から20kmの空白域が存在する。一方、能登半島北岸では半島北西岸沖を震源域とした平成19年能登半島地震(2007年3月25日,M 6.9)の発生後、沿岸近くまで及ぶ詳細な海底地質調査が実施された(井上・岡村,2010)。しかし、沿岸近くの探査は難しく、海岸から1~2.5kmの幅で空白域が残る。</p><p> 岩石海岸に接する浅海域では、侵食営力が作用して岩盤が露出する侵食地形であることが多い(たとえば,菅ほか2023)。海域の地質調査は通常、音波探査と堆積物等の試料採取(ドレッジおよびコア試料採取)によるため、岩盤が露出した海底は音波探査による地層の判別が難しい。中新世堆積岩類(南志見沖層群)と音響基盤との境界は海底地形の起伏を基に推定されており、音響基盤は主に火成岩類よりなると推定されている。輪島の北21~23kmに位置する七ツ島周辺にも空白域が存在するほか、周辺の地質は「音響基盤」である。輪島と七ツ島の間,距離にして23kmのうち、堆積物が堆積する(すなわち、海洋地質が記載される)海域は約4割程度である。</p><p></p><p>2.沿岸浅海域のマルチビーム測深と潜水地質調査</p><p> 我々は2024年4~5月に能登半島北岸の約42㎢でマルチビーム測深機R2Sonic2022を用いた海底地形測量を実施し、0.5mおよび1mグリッドの高解像度海底地形図を作成した(例 https://isgs.kyushu-u.ac.jp/~seafloor/noto/)。その後、同年6月と8~9月に測深海域で28回の潜水調査を実施した。また、水中ドローンを用いた観察も21カ所で実施した。狙いを定めたポイントへ潜行する潜水調査やROV調査には、高解像度マルチビーム測深データは必須である。</p><p> 本研究では沿岸浅海域の地形・地質に関して多くの新たな知見を得た。輪島北西沖にはWSW-ENE方向に約4km延びる直線的な高まりが存在し、数値地質図S-1にて主に火成岩類よりなると推定される「音響基盤」と記載されるが、潜水して岩石を採取したところ、この高まりは原地性のサンゴモ(石灰藻)を主とする石灰岩よりなることが判った。また、その南側、海岸との間(幅約1.5km)は珪質シルト岩よりなるが、石灰質のマトリクスを含む珪質シルト岩や珪藻質の珪質シルト岩などいくつかの岩相が認められる。このほかにも、新たに得られた知見について発表時に紹介する。</p><p></p><p>3.浅海底の地形地質調査法について</p><p> 岩盤が露出している沿岸浅海域の調査手法については、今後議論を行い、可能な方法を探ることが必要である。既存の地形図や地質図がない沿岸浅海域では、それらの作成から研究を始める必要がある。水中ではGPSが使用できず、見通しは透明度によるが、数cm~十数mである。また、減圧症等の潜水病を避けるため、深度によって潜水時間が限られている(目安として水深20mで約20分、水深30mで約10分を1日1~2回)。海況不良で調査ができない時も多い上、船舶借上や安全対策などにコストがかかるなど、陸上の調査と同様に進められないのが課題である。</p><p> 堆積物に覆われた海底ではマルチビーム測深による高解像度海底地形情報を基にした海底地形の判読と、地層探査による情報をあわせて地形・地質情報を整備し、活断層等の存在を解釈することが望まれる。</p><p></p><p>謝辞:能登半島沿岸域の調査は株式会社ワールドスキャンプロジェクト(WSP)の資金援助によって実現しました。旅費の一部には九州大学総長裁量経費(代表者 ハザリカ・へマンタ教授)を受け,潜水調査はR3~6年度科研費JP21H04379(代表者:菅 浩伸)を用いて実施しました。現地調査にご協力いただいた石川県漁業協同組合の若松拓海様,石川県漁業協同組合輪島支所統括参事の上濱敏彦様,凪紗丸船長の岩坂紀明様,まる丸船長の塩谷雅孝様,わじま海藻ラボの石川竜子様はじめ,輪島市民の方々に感謝申し上げます。</p><p></p><p>1) 井上卓彦, 岡村行信 (2010) 数値地質図S-1, 地質調査総合センター. </p><p>2) 菅 浩伸ほか(2022)玄武岩海食崖沖の海食台. 地形,42(3), 69-81.</p>

    DOI: 10.14866/ajg.2025s.0_219

    CiNii Research

  • 与那国島沿岸の海底における砂岩の侵食地形

    菅 浩伸, 木村 颯, 堀 信行, 三納 正美, 上瀧 良平, 市川 泰雅, 山舩 晃太郎, 片桐 千亜紀, 中西 裕見子, 浦田 健作, 市原 季彦, 藤田 喜久, 鈴木 淳, 中島 洋典, 佐野 亘

    日本地理学会発表要旨集   2024s ( 0 )   121   2024年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    <p>1. はじめに</p><p> 陸上の地形学では、砂岩が作る独特の地形が注目してれ記載され<sup>1)</sup>、近年これらの地形用語が整理されてきた<sup>2)</sup>。一方、岩石海岸沖の海底地形については、いまだに研究例が乏しく、地形形成プロセスについても解明が進んでいないばかりか、どのような地形が存在するかも分かっていない。本研究では従来にない高解像度での海底地形を可視化し観察することによって、砂岩で構成される岩石海岸沖の海底でみられる地形を明らかにするとともに、それらの形成について論じる。</p><p></p><p>2.研究方法</p><p> 琉球列島・与那国島において、2017年12月に南岸域、2018年7月に北岸域を対象として、ワイドバンドマルチビーム測深機 R2 Sonic 2022 を用いた測深調査を行い、海底地形測量を行った。また、2013年および2016~2022年にかけてSCUBAを用いた潜水調査を行い、海底地形や堆積物などの観察を行った。2021年4月には、合同会社アパラティスと株式会社ワールドスキャンプロジェクトによって開発された水中3Dスキャンロボット「天叢雲剣 MURAKUMO」(特許取得済)を擁して、南東岸の新川鼻沖にてROVを利用した水中フォトグラメトリーによる1cmグリッドの高解像度海底地形モデルを作成した。本研究ではこれらの成果をあわせて海底地形に関する議論を行う。</p><p></p><p>3.海底の侵食地形</p><p> 与那国島西端の西崎および東海岸(東崎~新川鼻)沖の海底には、頂部が平坦な台地状の地形(遺跡状地形)が多数存在する。これらの地形は、一時、人工的な造形と言われたこともあったが、考古学的な遺物や人類の痕跡は検出されていない。これらの地形が分布する地域は中新統八重山層群の砂岩泥岩互層で構成されており、多数の節理が台地状地形の側面を区切っている。潜水による観察によって、岩盤の剥離、削磨作用、礫の生成などの侵食過程や、様々な形状や大きさをもつポットホールなどの侵食地形が形成されつつある様子を観察することができた。海底における砂岩の風化・削剥が継続的に進行する中で、遺跡状の地形がつくられていることを示唆している。</p><p></p><p>謝辞:本研究は科研費JP16H06309, JP21H04379(代表者:菅 浩伸)、与那国町―九州大学浅海底フロンティア研究センター間の受託研究(H29~31年度)、九州大学と株式会社ワールドスキャンプロジェクトとの共同研究および九州大学・比文・寄附講座ワールドスキャン地理情報解析講座の成果の一部です。</p><p></p><p>引用文献: 1) Wray 1997 <i>Earth-Science Reviews</i>, 42, 137-160. 2) Wray and Sauro 2017 <i>Earth-Science Reviews</i>, 171, 520-557; Migoń <i>et al.</i> 2017 <i>Earth-Science Reviews</i>, 171, 78-104; Migoń 2021 <i>Geomorphology</i>, 373, 107484など。</p>

    DOI: 10.14866/ajg.2024s.0_121

    CiNii Research

  • 能登半島北岸沖の海底地形

    菅 浩伸, 三納 正美, 後藤 秀昭, 青木 賢人

    日本地理学会発表要旨集   2024a ( 0 )   90   2024年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    <p>1.はじめに</p><p> 2024年1月1日、能登半島北岸を震源としたマグニチュード7.6の令和6年能登半島地震が発生し、半島北西部の海岸で最大約4mの隆起が生じた。能登半島北岸では4つのセグメントに分かれて存在する総延長150kmに及ぶ長大な海底活断層が存在するが<sup>1)</sup>、今回の地震は全セグメントが連動して活動したことによって励起されたと考えられている<sup>2)</sup>。地震発生後、海底活断層の調査が東京大学大気海洋研究所<sup>3)</sup>や産総研地質調査総合センター<sup>4)</sup>によって実施された。しかし、大型船舶を用いた調査であったため、沿岸に近い浅海域の調査には至っていない。本研究グループは、九州大学浅海底フロンティア研究センターが得意とする浅海域の地形調査技術を用いて、能登半島北岸の沿岸域の海底地形調査を実施した。</p><p></p><p>2.沿岸浅海域のマルチビーム測深と潜水調査</p><p> 能登半島北岸における海底地形測量は、マルチビーム測深機R2Sonic2022、慣性 GPS ジャイロApplanix POS/MV OceanMasterを凪紗丸8.5トンに艤装して、2024年4月27日~5月5日の9日間に実施した。測深海域は西から1)輪島市光浦町沖(約10.9㎢)、2)輪島港周辺海域(約7.3㎢)、3)輪島市名舟町沖(約16.3㎢)、4)珠洲市片岩町沖(約6.3㎢)である。測深時の総航行距離は604.4 km、総測深面積は約42㎢、測深海域の最大水深は97mであった。</p><p> 震災後、輪島港の検潮所は被災したため、調査期間中、港内で水位ロガーHOBO U20L-04を用いて潮高の計測を行った。潮位計測のため岸壁に設けた基準点については、RTK測量器ProMark 120, L1/L2 GPS/GLONASSを使って測量し、潮位補正に使用した。測深データの収録・後処理には、統合型水路測量ソフトウェア HYPACK を用い、グリッドサイズ 0.5mおよび1 mの数値標高モデル(DEM)を作成した。</p><p> SCUBA潜水は6月下旬に実施し、地形等の観察、ハンマーとタガネを用いた岩石採取、湧出気体の採取を行った。</p><p></p><p>3.輪島港周辺の海底地形</p><p> 地元漁業者への情報提供として、まず、測深海域のうち輪島港周辺の7.3㎢の海底地形図を先に完成させ、2024年7月1日に一般公開した<sup>5)</sup>。輪島港では海底の隆起によって港湾内の水深が浅くなり、浚渫作業が行われている。地元漁業関係者の間では、港湾内だけでなく港湾周辺に航行の妨げになる障害物は存在しないか、海底が極端に隆起して危険な場所はないか懸念する声があった。今回の測深によって5月上旬時点で、輪島港周辺の海底に大きな障害物はないこと、図化した海域はすべて漁船の航行に支障ない水深があることが分かった。</p><p> 輪島港沖海域の海底は、海岸から約2.5kmは泥岩を主とする堆積岩によって構成される。この海域では海底から気体が湧出するゾーンが少なくとも3列、東西方向に延びるように存在することを確認した。また海底において、きわめて最近発生したとみられる東西に連なる岩盤の破砕帯があることを発見した。発表時には、輪島港沖以外の測深海域でみられる海底地形の特徴についても言及する。</p><p></p><p>謝辞:本研究は科研費JP21H04379(代表者:菅 浩伸)、九州大学総長裁量経費(代表者 ハザリカ・へマンタ教授)および株式会社ワールドスキャンプロジェクト(WSP)の資金援助を受けて実施した。WSPの上瀧良平社長および市川泰雅技術顧問に感謝申し上げます。また、調査にご協力いただいた輪島市漁業協同組合、凪紗丸船長の岩坂紀明様、まる丸船長の塩谷雅孝様、わじま海藻ラボの石川竜子様はじめ、輪島市民の方々に感謝いたします。</p><p></p><p>1) 井上卓彦, 岡村行信 (2010) 数値地質図S-1, 地質調査総合センター 2)宍倉正展 (2024) 科学, 94(7), 608-614. 3) 東京大学大気海洋研究所(2024)https://www.aori.utokyo.ac.jp/research/news/2024/20240301.html 4) 岡村行信ほか (2024) https://www.gsj.jp/hazards/earthquake/noto2024/noto2024-10.html</p><p>5) https://isgs.kyushu-u.ac.jp/~seafloor/noto/</p>

    DOI: 10.14866/ajg.2024a.0_90

    CiNii Research

  • 琉球列島・与那国島沿岸のサンゴ礁地形

    菅 浩伸, 木村 颯, 藤田 喜久, 片桐 千亜紀, 中西 裕見子, 佐野 亘, 三納 正美

    日本地理学会発表要旨集   2023s ( 0 )   225   2023年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    <p><u>1.はじめに</u> </p><p> サンゴ礁地形は従来、航空写真で視認される低潮位付近の平坦な礁原とその陸側の浅礁湖の広がりによって認識されてきた。与那国島の海岸は、ほとんどが第三紀八重山層群の砂岩泥岩層あるいは更新世琉球層群の石灰岩からなる海食崖で構成され、航空写真から視認できる与那国島のサンゴ礁礁原は、北東岸に幅150m程度の裾礁が約2km、南岸の比川沖に幅150~500mの裾礁が約1.8kmの範囲でみられるのみである。近隣の石垣島では幅1km程度の裾礁が島のほぼ全周を取り巻き、石垣島と西表島の間には約20×15kmの広がりを持つ石西礁が発達するのとは対照的である。</p><p> 一方、高緯度の琉球列島で発達するサンゴ礁では、礁斜面(礁原の沖に広がる斜面)が熱帯域の環礁や堡礁の礁斜面より広く、緩傾斜である(堀 1980科学, 50:149-160)。礁斜面の地形やその広がりを含めてサンゴ礁地形を論じ得たとき、サンゴ礁の全体像が明らかになるとともに、各地域のサンゴ礁の特徴が再評価されるであろう。本研究では、与那国島の沿岸域におけるサンゴ礁礁斜面の広がりを明らかにすることを試みた。島の周囲にわたって、サンゴ礁礁斜面の地形とその分布について明らかにしようとする研究は、日本で初めて、世界でもほとんど行われていない。 </p><p></p><p><u>2.調査地域と研究方法</u><u></u> </p><p> 琉球列島・与那国島において、2017年12月に南岸域、2018年7月に北岸域を対象として、ワイドバンドマルチビーム測深機(R2 Sonic 2022)を用いて浅海域の海底地形測量を行った。測深域は水深1.2m~382.1mであるが、概ね水深150m程度までの海域を対象とした。測深結果は3次元可視化ソフトウェアFledermausにて可視化した。また、2016~2022年にSCUBAを用いた潜水調査を行い、海底地形や堆積物などの観察を行った。</p><p></p><p><u>3.与那国島のサンゴ礁地形</u> </p><p> 与那国島では裾礁の発達する2海域で、広大な礁斜面の広がりが認められた。</p><p> 北東岸の祖納―東崎間の沿岸約4kmにわたって、岸沖方向約500mの大規模なサンゴ礁地形が認められた。ここでは水深25m以浅の海域でサンゴ礁地形の広がりが顕著であり、比較的穏やかな海域でみられるタイプの礁地形およびサンゴ群集が発達する。北東岸の沖には、水深10m以浅の浅瀬ナカビシ(中干瀬)が直径約1kmの範囲に広がる。ナカビシの北側には水深20~45mの崖が800mにわたって続くが、この崖は八重山層群の侵食地形とみられる。また、ナカビシ北側に数本の明瞭な溝状地形がみられるが、溝の間隔(40~70m)はサンゴ礁の縁脚縁溝より広いこと、溝の周囲が極めて平坦な地形であり、造礁サンゴの累重した痕跡が乏しいことから、ナカビシは八重山層群の堆積岩によってその概形がつくられているとみられる。サンゴ礁の地形はナカビシの南部より島側で認められる。北東岸には裾礁の400mほど沖に、頂部水深15mに達するサンゴ礁列が礁縁と平行にみられ、ダブルリーフの地形を呈する。リーフ間には礁性砂が堆積する。</p><p> 南岸の比川沖では、礁斜面の地形が礁縁沖約500mの範囲で認められる。礁縁付近では縁溝の上部がサンゴの成長によって塞がれたリーフトンネルが多数並走する。リーフトンネルの内部は円磨されたサンゴ巨礫と、それによって研磨された縁溝壁がみられる。ここでは北海岸と対照的に、強波浪環境下でつくられるサンゴ礁地形が存在する。</p><p></p><p>謝辞:本研究はH28-R2年度科研費 基盤研究(S) JP16H06309, R3-6年度基盤研究(A) JP21H04379およびH29~31年度の那国町―九州大学浅海底フロンティア研究センター間の受託研究(いずれも代表者:菅 浩伸)の成果の一部です。</p>

    DOI: 10.14866/ajg.2023s.0_225

    CiNii Research

  • 玄武岩海食崖沖の海食台

    菅 浩伸, 木村 颯, 佐野 亘, 三納 正美

    地形   42 ( 3 )   69 - 82   2022年1月   ISSN:03891755 eISSN:27592529

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:一般社団法人 日本地形学連合  

    <p>A multibeam bathymetric survey and SCUBA diving observations were conducted off a basalt sea cliff with vertical columnar joints at Keya, Itoshima City, Fukuoka Prefecture, Japan, to observe the geomorphology and environment of the abrasion platform in high resolution. The formation of abrasion platforms significant at the northern end of the cape, where the waves were concentrated. Two platforms were observed at depths of 12 m (13 m below mean sea level) and 17 m (18 m below mean sea level). The −12 m platform is covered by boulders of tens of centimeters to more than 1m in diameter, and is formed by the erosion of the basalt sea cliff. These boulders may have been moved by storm waves and formed the −12 m platform by active abrasive erosion. On the landward area of the −17 m platform, sand and gravel are deposited between rounded boulders larger than 1 m in diameter. Scarce vegetation on the rounded boulders and sediments indicates that sediments may have been moved and displaced during storm surges. The seaward area of the −17 m platform also consists of large boulders with a diameter of 1 m or more, however, the numerous organisms attached to the surface of the boulders (e.g. Aglaopheniidae and Gorgonacea) and rich biota around them implies that these boulders have remained stable for a long period of time. At depths greater than 20 m, the slope becomes smooth and gentle, with sand ansilt. The absence of vegetation on the slope surface indicates that the sediments may move during storms. Considering the formation periods of the two abrasion platforms, the −12 m platform is considered to be a recent abrasion platform. In contrast, the −17 m platform is considered to be a relict landform of the abrasion platform that formed during the last interglacial period, owing to the gradual subduction trend of the study area. Assuming that the 104-107 m wide present abrasion platform (−12 m platform) eroded after about 8,300 years BP, when the postglacial sea level reached the present depth of approximately 10 m, the average retreat rate of the basalt sea cliff was estimated to be 1.25-1.3 cm/year.</p>

    DOI: 10.60380/tjgu.42.3_69

    CiNii Research

  • Abrasion platforms off basalt sea cliff

    Kan H., KlMURA H., Sano W., Sannoh M.

    Chikei/Transactions, Japanese Geomorphological Union   42 ( 3 )   69 - 81   2022年1月   ISSN:03891755

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    出版者・発行元:Chikei/Transactions, Japanese Geomorphological Union  

    A multibeam bathymetric survey and SCUBA diving observations were conducted off a basalt sea cliff with vertical columnar joints at Keya, Itoshima City, Fukuoka Prefecture, Japan, to observe the geomorphology and environment of the abrasion platform in high resolution. The formation of abrasion platforms significant at the northern end of the cape, where the waves were concentrated. Two platforms were observed at depths of 12 m (13 m below mean sea level) and 17 m (18 m below mean sea level). The -12 m platform is covered by boulders of tens of centimeters to more than 1 m in diameter, and is formed by the erosion of the basalt sea cliff. These boulders may have been moved by storm waves and formed the -12 m platform by active abrasive erosion. On the landward area of the -17 m platform, sand and gravel are deposited between rounded boulders larger than 1 m in diameter. Scarce vegetation on the rounded boulders and sediments indicates that sediments may have been moved and displaced during storm surges. The seaward area of the -17 m platform also consists of large boulders with a diameter of 1 m or more, however, the numerous organisms attached to the surface of the boulders (e.g. Aglaopheniidae and Gorgonacea) and rich biota around them implies that these boulders have remained stable for a long period of time. At depths greater than 20 m, the slope becomes smooth and gentle, with sand and silt. The absence of vegetation on the slope surface indicates that the sediments may move during storms. Considering the formation periods of the two abrasion platforms, the -12 m platform is considered to be a recent abrasion platform. In contrast, the -17 m platform is considered to be a relict landform of the abrasion platform that formed during the last interglacial period, owing to the gradual subduction trend of the study area. Assuming that the 104-107 m wide present abrasion platform ( -12 m platform) eroded after about 8,300 years BP, when the postglacial sea level reached the present depth of approximately 10 m, the average retreat rate of the basalt sea cliff was estimated to be 1.25-1.3 cm/year.

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講演・口頭発表等

  • 水中文化遺産の探査手法開発 ―美保関事件で沈んだ駆逐艦蕨を事例として―

    三納 正美(九州大),大原 圭太郎(島根大・院,伯耆文化研究会),山舩 晃太郎((合)アパラティス,九州大),市川 泰雅,上瀧 良平((株)ワールドスキャンプロジェクト,九州大),木村 颯(九州大・院/学振DC1),片桐 昌弥((株)ワールドスキャンプロジェクト),橘田 隆史((株)ハイドロシステム開発),西尾 友之(アサヒコンサルタント(株)),大原 歳之(伯耆文化研究会),菅 浩伸(九州大)

    沿岸域の先進的学際研究ワークショップ2024  2024年1月 

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    開催年月日: 2024年1月

    記述言語:日本語   会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)  

    開催地:JR博多シティ会議室(JR博多シティ10階)   国名:日本国  

  • Development of methods for underwater cultural heritage exploration. ―The case of the destroyer Warabi, which sank in the Mihonoseki Incident- 国際会議

    Masami Sannoh (Kyushu Univ.), Keitaro Ohara (Shimane Univ., Houki Cultural Research Society), Kotaro Yamafune (APPARATUS. LLC, Kyushu Univ.), Yasumasa Ichikawa, Ryohei Uetaki (World Scan Project, Inc., Kyushu Univ.), Hayate Kimura (Graduate Student, Kyushu Univ., JSPS Research Fellowship for Young Scientists DC1), Masaya Katagiri (Nippon Marine Enterprises, Ltd.), Takashi Kitsuda (Hydro Systems Development, Inc.), Tomoyuki Nishio (Asahi Consultant Co., Ltd.), Toshiyuki Ohara (Houki Cultural Research Society), Hironobu Kan (Kyushu Univ.)

    Asia-Pacific Regional Conference on Underwater Cultural Heritage  2023年11月 

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    開催年月日: 2023年11月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:Gwangju   国名:大韓民国  

  • 美保関事件で沈んだ駆逐艦蕨の探査と3次元モデルによる可視化

    三納 正美(九州大)*,大原 圭太郎(島根大・学,伯耆文化研究会),山舩 晃太郎((合)アパラティス,九州大),市川 泰雅((株)ワールドスキャンプロジェクト,九州大),木村 颯(九州大・院,学振DC1),片桐 昌弥(日本海洋事業(株)),橘田 隆史((株)ハイドロシステム開発),西尾 友之(アサヒコンサルタント(株)),大原 歳之(伯耆文化研究会),菅 浩伸(九州大)

    日本地理学会2023年春季学術大会  2023年3月 

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    開催年月日: 2023年3月

    記述言語:日本語   会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)  

    国名:日本国  

  • 美保関事件で沈んだ駆逐艦蕨の探査と三次元モデル作成による可視化

    三納正美(九州大)*,大原圭太郎(島根大・学),山舩晃太郎((有)アパラティス/九州大),市川泰雅((株)WSP/九州大),木村 颯(九州大・院/学振DC1),橘田隆史((株)ハイドロシステム開発),西尾友之(アサヒコンサルタント(株)),大原歳之(美保関事件慰霊の会),菅 浩伸(九州大)

    沿岸域の先進的学際研究ワークショップ2023  2023年1月 

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    開催年月日: 2023年1月

    記述言語:日本語   会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)  

    開催地:伊都キャンパス 共進会社会イノベーション施設 大会議場   国名:日本国  

所属学協会

  • 日本測量協会

  • 海洋調査技術学会

  • 日本地理学会

  • 日本サンゴ礁学会

  • 大規模環境の3次元計測と認識・モデル化技術専門委員会

社会貢献活動

  • 特別講演会「地球温暖化時代の玄界灘を考える」

    唐津市、フィッシャーマン唐津  唐津市 大手口センタービル  2023年1月

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    対象:社会人・一般, 学術団体, 企業, 市民団体, 行政機関

    種別:講演会

メディア報道

  • 能登半島沖測深調査について 新聞・雑誌

    共同通信社  2024年5月

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    能登半島沖測深調査について

  • 能登半島沖測深調査について 新聞・雑誌

    北陸中日新聞  2024年5月

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    能登半島沖測深調査について

  • 能登半島沖測深調査について テレビ・ラジオ番組

    北陸放送  2024年5月

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    能登半島沖測深調査について

  • 能登半島沖測深調査について テレビ・ラジオ番組

    石川テレビ  2024年4月

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    能登半島沖測深調査について

  • 輪島における測深調査についてNHK報道 テレビ・ラジオ番組

    NHK  2024年4月

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    輪島における測深調査についてNHK報道

  • 糸島市姫島周辺で進めている「磯焼け」研究について、撮影クルーと一緒に潜水し、海の現状を報告した。 テレビ・ラジオ番組

    RKB「タダイマ」  2022年9月

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    糸島市姫島周辺で進めている「磯焼け」研究について、撮影クルーと一緒に潜水し、海の現状を報告した。

  • 奄美大島海峡測深調査 新聞・雑誌

    南海日日新聞  2022年8月

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    奄美大島海峡測深調査

  • サンゴスキャンプロジェクト 新聞・雑誌

    読売新聞夕刊  2022年6月

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    サンゴスキャンプロジェクト

  • 駆逐艦「蕨」 新聞・雑誌

    共同通信社  2021年10月

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    駆逐艦「蕨」

  • 駆逐艦「蕨」について 新聞・雑誌

    山陰中央新報  2021年8月

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    駆逐艦「蕨」について

  • 駆逐艦「蕨」調査 新聞・雑誌

    日本海新聞  2021年7月

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    駆逐艦「蕨」調査

  • 駆逐艦「蕨」について 新聞・雑誌

    朝日新聞西部夕刊  2021年5月

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    駆逐艦「蕨」について

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