九州大学 研究者情報
発表一覧
白石 祥理(しらいし よしまさ) データ更新日:2023.11.27

助教 /  九州大学病院 がんセンター


学会発表等
1. @白石祥理、岡本勇, A phase III study of atezolizumab with chemotherapy and with or without bevacizumab for NSCLC (APPLE study , WJOG11218L)
, 第63回日本肺癌学会学術集会, 2022.12.
2. 白石祥理, Toxicity management and treatment selection of combined immunotherapy, 2022.12.
3. @白石祥理, 複合免疫療法の今後の展開, 2023.12.
4. 白石祥理、久保田馨、中道真仁、三角俊裕、近藤哲郎、岡本勇、湊浩一、原田大二郎、磯部和順、井谷英敏、高田佐織、和久井大、三角祐生、池田慧、朝尾哲彦、井上健男、細川忍、小林由美子、滝口裕一、岡本浩明, III期非小細胞肺癌に対する化学放射線療法完遂直後のデュルバルマブ療法の第II相試験(TORG1937: DATE試験), 第63回日本肺癌学会学術集会, 2022.12.
5. 白石祥理, 谷口友理, 下川恒生, 滝口裕一, 三角俊裕, 岡本勇, 川嶋庸介, 古屋直樹, 原田敏之, 田中寿志, 小山建一, 髙﨑俊和, 中原善朗, 時任高章, 寺西周平, 横山俊彦, 佐藤悠城, 本田健, 岡本浩明, 既治療の進行・再発非小細胞肺癌(NSCLC)に対するニボルマブ(NIV)対NIV+ドセタキセル(DTX)のランダム化比較第II/III相試験:TORG1630, 第63回日本肺癌学会学術集会, 2022.12, 【目的】ICI単剤はNSCLCの二次治療として確立されたが、殺細胞性抗癌薬とICIの併用は更に抗腫瘍効果を高める可能性がある。【方法】本試験は、進行再発NSCLCでICIを含まない化学療法が行われた患者を対象に、NIV単剤療法(A)に対するNIV+DTX併用療法(B)の優越性を検証する第II/III試験(先進医療B)である。割付因子はPS/組織型/性別/ドライバー変異で第Ⅲ相試験の主要評価項目はOSとした。HR0.75、β0.2、片側α0.05の条件下で350例を目標とした。2017年11月に登録開始したが、2018年末に初回治療におけるICIとプラチナ製剤の併用療法が承認されたため登録数が減少し、2020年6月131例の登録を以って早期中止となった。【結果】OSはA群14.7ヶ月(95%CI, 11.4-18.7 )、B群23.1ヶ月(95%CI, 16.7-NR )、HR0.63(90%CI, 0.42-0.95; p=0.0310)。PFSはA群3.1ヶ月(95%CI, 2.0-3.9)、B群6.7ヶ月(95%CI, 3.8-9.4)、HR0.58(95%CI, 0.39-0.88; p=0.0095)、ORRはA群14.0%、B群41.8%であった(p=0.0014)。OSのサブグループ解析は、ほぼ全てにおいてB群がA群より良好な結果であった。血液毒性、消化器系の有害事象はB群で多くみられ、治療関連死はA群1例(肺炎)、B群の1例(心筋炎)であった。【結論】NSCLCの二次治療において、NIVにDTXを併用する事でOS、PFS、ORRが有意に改善する事が示された。.
6. Yoshimasa Shiraishi, Haruko Daga, Satoshi Ikeda, Akito Hata, Hideaki Mizutani, Tomohiro Sakamoto, Haruhiro Saito, Osamu Hataji, Hiroshi Tanaka, Atsushi Horiike, Hideo Saka, Tsuneo Shimokawa, Masahide Mori, Katsuya Hirano, Koichi Azuma, Tetsuya Mitsudomi, Takashi Seto, Nobuyuki Yamamoto, Kazuhiko Nakagawa, Isamu Okamoto, A multicenter, open label, randomized phase III study of atezolizumab with platinum-pemetrexed and with or without bevacizumab for patients with advanced nonsquamous non-small cell lung cancer (WJOG11218L APPLE Study)., American Society of Clinical Oncology, 2019.06.
7. 内野 順治,内藤 立暁,小嶋 徹,又野 豊,湊 浩一,白石 祥理,水上 拓郎,安宅 信二,東口 髙志,室 圭,髙山 浩一,古瀨 純司,森嶋 瑛一郎,瀧口 徹,田村 和夫, アナモレリンの非小細胞肺癌及び消化器癌の低BMIがん悪液質を対象とした第Ⅲ相試験, 2022.06.
8. Yoshimasa Shiraishi, Akito Hata, Naoki Inui, Morihito Okada, Masahiro Morise, Kohei Akiyoshi, Masayuki Takeda, Yasutaka Watanabe, Shunichi Sugawara, Naofumi Shinagawa, Kaoru Kubota, Toshiaki Saeki, Tomohide Tamura, Multicenter, double-blind, randomized phase 3 study of fosnetupitant compared with fosaprepitant for the prevention of chemotherapy induced nausea and vomiting in patients receiving cisplatin based highly emetogenic chemotherapy: CONSOLE., American Society of Clinical Oncology, 2021.06.
9. 白石 祥理, 進行肺癌治療における複合免疫療法の躍進, 第85回日本呼吸器学会・日本結核 非結核性抗酸菌症学会日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 九州支部秋季学術講演会, 2020.10, KEYNOTE189試験、KEYNOTE407試験、IMPOWER130試験、IMPOWER132試験、IMPOWER150試験といった化学療法非小細胞肺癌を対象とした複数の比較第3相試験の結果、プラチナ併用化学療法に抗PD-1/PD-L1抗体を加えた複合免疫療法が新たな標準治療として確立し、実臨床においても広く使用されている。
 そのような中、CHECKMATE9LA試験、CHECKMATE227試験の治療成績が報告され、プラチナ併用化学療法+ニボルマブ+イピリムマブ、およびニボルマブ+イピリムマブはプラチナ併用化学療法よりも有意に生存期間を延長することが検証された。今後、プラチナ併用化学療法+ニボルマブ+イピリムマブ、およびニボルマブ+イピリムマブは承認される見込みであり、悪性黒色腫や腎癌ではすでに使用されている抗CTLA-4抗体であるイピリムマブが肺癌領域にも導入されることになる。複数の複合免疫療法レジメンが標準治療となりえる中、これらを実臨床においてどのように使い分けるべきなのかは重要な臨床的な課題である。
 本シンポジウムでは、複合免疫療法の現状と、新しい複合免疫療法の開発状況について概説し、議論したい。.
10. 白石 祥理, ICIとBEV併用の有用性, 第61回日本肺癌学会学術集会, 2020.11,  KEYNOTE189試験、KEYNOTE407試験、IMPOWER130試験、IMPOWER132試験、IMPOWER150試験といった化学療法非小細胞肺癌を対象とした複数の比較第3相試験の結果、プラチナ併用化学療法に抗PD-1/PD-L1抗体(ICI)を加えた複合免疫療法が非常に優れた治療成績を示し、新たな標準治療として確立し、実臨床においても広く使用されている。しかし、これらの複合免疫療法によっても長期生存例は限られており、さらなる治療成績向上を目指して新規治療の開発が必要である。私たちは、次世代の治療として、複合免疫療法にさらに血管新生阻害薬であるベバシズマブを上乗せする治療に期待し、WJOG11218L試験(APPLE試験)を実施している。
基礎的にはVEGF阻害薬は、樹状細胞の成熟化、腫瘍血管の正常化、MDSC・Treg減少を介して免疫チェックポイント阻害薬の効果を高めることが示されている。臨床的にも、免疫チェックポイント阻害薬であるアテゾリズマブにベバシズマブを併用することで、他癌腫(肝細胞癌・腎細胞癌)では、良好な治療成績が示されている。ベバシズマブの臨床導入から10年経過したが、今こそが新のVEGF阻害薬の出番ではないかと考えられる。
 本ワークショップでは、ICIとBEV併用の有用性について、基礎・臨床データを紹介し、今後の肺癌診療の展望を議論したい。.
11. 白石 祥理, 非小細胞肺癌に対する複合免疫療法の実際と問題点, 第61回日本肺癌学会九州支部学術集会第44回日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会, 2021.02, 化学療法未施行のドライバー遺伝子陰性非小細胞肺癌を対象とした複数の比較第3相試験の結果、プラチナ併用化学療法に抗PD-1/PD-L1抗体を加えた複合免疫療法が新たな標準治療として確立し、実臨床においても広く使用されている。
 そのような中、CheckMate9LA試験、CheckMate227試験の治療成績が報告され、プラチナ併用化学療法+ニボルマブ+イピリムマブ、およびニボルマブ+イピリムマブはプラチナ併用化学療法よりも有意に生存期間を延長することが検証された。2020年11月にはそれらの治療法が我が国においても保険承認され、徐々に日常診療でも使用され始めている。
複数の複合免疫療法レジメンが標準治療として乱立しており、これらを実臨床においてどのように使い分けるべきなのかは重要な臨床的な課題である。特にプラチナ併用化学療法と抗PD-1/PD-L1抗体の併用を選ぶのか、ラチナ併用化学療法と抗PD-1/PD-L1抗体の併用にさらに抗CTLA-4抗体まで併用することを選ぶのか、は患者さんを目の前にしたときに非常に難しい選択である。
 本シンポジウムでは、各複合免疫療法について概説し、それらの使い分けや毒性管理、今後の展望について議論したい。.
12. 白石 祥理, ニボルマブ+イピリムマブ±プラチナ製剤併用療法を我々はどのように使用していくべきなのか, 第62回日本肺癌学会九州支部学術集会第45回日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会, 2022.02.
13. 白石 祥理, 非小細胞肺がんにおける複合免疫療法, 第19 回日本臨床腫瘍学会学術集会, 2022.02, 非小細胞肺癌の初回治療として、現在、プラチナ併用化学療法+抗PD-(L)1抗体が標準治療とみなされている。また、抗CTLA-4抗体であるイピリムマブを併用した複合免疫療法も使用できるようになっており、長期生存を目指す治療として期待されている。他の癌種と非小細胞肺癌での免疫療法の位置づけの相違点として、①EGFR遺伝子変異などのドライバー遺伝子陽性例においては、抗PD-(L)1抗体単剤では効果が乏しいこと、②抗CTLA-4抗体の位置づけがまだ定まっていないこと、などが挙げられる。本シンポジウムでは、非小細胞肺癌の複合免疫療法についての概略を提示し、複合免疫療法の将来展望を他領域の専門家と議論したい。.
14. 白石 祥理, 医師主導治験の実際 APPLE試験から, 第61回日本呼吸器学会学術講演会, 2021.04, 筆者は西日本がん研究機構(WJOG)において現在実施中のAPPLE試験(WJOG11218L)の研究事務局をする機会を得た。本試験は、未治療の進行期非扁平上皮非小細胞肺癌を対象として、カルボプラチン+ペメトレキセド+アテゾリズマブ併用療法へのベバシズマブの上乗せ効果を問う比較第III相試験である。本試験は、医師主導治験であるため、臨床研究法の対象外であり、医薬品医療機器等法に基づいて実施している。そのため、直接的な臨床研究法施行の影響を受けなかった。
APPLE試験は、2018年4月にコンセプト提案後、WJOGでのコンペティションを経て、実施準備し、2019年1月に開始した。参加施設の強い熱意のもと、かつてない速度で症例集積が進み、2020年8月までの約1年半で412例の症例集積を完了した。まだ、観察期間中であり、今後も、画像中央判定、データ解析、学会発表、論文投稿、総括報告書の作成などさまざまな仕事が残っており、それらを滞りなく、進めていく必要がある。
筆者は医師主導治験の遂行についてAPPLE試験の経験しかないが、本シンポジウムでは、その経験を肺癌の臨床研究に関わる皆様と共有し、現在の日本の医師主導治験の強みや問題点を議論し、今後の医師主導治験・肺癌の臨床研究の遂行の役に立てたい。.

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