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日下部 宜宏(くさかべ たかひろ) データ更新日:2016.05.11

教授 /  農学研究院 資源生物科学部門 農業生物資源学


大学院(学府)担当

学部担当



取得学位
農学博士
専門分野
昆虫分子遺伝学
活動概要
平成2年3月
九州大学農学部修士課程修了

平成2年4月1日より平成5年3月31日まで
明治乳業株式会社ヘルスサイエンス研究所研究員として、麹カビ宿主系によるヒト蛋白質発現系の研究

平成5年4月1日より平成7年3月30日まで
佐賀医科大学生化学講座として、
解糖系酵素アルドラ−ゼの構造と機能に関する研究

平成5年4月1日より平成7年3月30日まで
国立佐賀肥前病院付属看護学校常勤講師として生物学を担当

平成6年10月20日
博士(農学)学位取得(九州大学)

平成7年4月1日より平成9年10月31日まで
米国ハーバード大学医学部、博士研究員として、DNA複製におけるプライマーゼとヘリカーゼの機能に関する研究に従事。

平成9年11月1日より
九州大学農学部農学科蚕学講座助手として、
蚕、雄性生殖巣におけるの減数分裂期の遺伝的組み換えの機構と染色体の構造に関する研究に従事、現在に至る。

現在の研究内容
 カイコは、過去の遺伝学的、生理学的研究の蓄積からショウジョウバエとならんで実験用昆虫として重要な地位を占めてきた。研究室では減数分裂時に起こる交叉の分子機構をカイコの精巣を材料に用いて解析する。高等真核生物においては配偶子の形成時にのみ、父母由来の相同な二価染色体の対合が起こり、遺伝子の組換えが起こることは周知の事実であるが、染色体がどのようにして自己と似た塩基配列を有するもう一本の染色体を識別するのか、また実際に対合した染色体間でどのようにDNA鎖の交換が行われるのかについての分子機構に関する研究は少ない。カイコ終齢幼虫の精巣で生じる減数分裂期には、対合した四価染色体はシナプトネマル複合体として観察され、そこではDNA二重鎖の片鎖切断、遊離した一本鎖DNAの相補的な二本鎖DNAへの対合、DNA鎖の交換、その後に生じる結合末端の修復といった一連の反応が起こっている。この反応には少なくとも100種以上のタンパク質が関与しいると考えられ核酸-タンパク質複合体を形成し、巧妙な相互調節を行っている。シナプトネマル複合体に観察される組換え小節と第一分裂終期にみられるキアズマの位置と数とが一致することから、組換え小節がこの核酸-タンパク質複合体であると信じられている。我々はこの複合体が担う組換えに関わる酵素活性、複合体構成の構造的役割の両面から、最も重要なタンパク質の一つであると考えられる、RecA相同タンパク質を中心に研究を行っている。
 生殖は地球上に生存する真核生物が進化の過程で獲得した機構であり、染色体交叉による遺伝情報の組換えはまた動植物の進化の多様性を促進してきた。相同組換えの分子機構の解明は生物学上の重要課題の一つであるばかりではなく、そこで機能するタンパク質の一つ一つが独特の活性を有しており、タンパク質の構造と機能の面からも非常に興味深い研究課題である。

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