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大澤 一人(おおさわ かずひと) データ更新日:2017.05.06



大学院(学府)担当



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取得学位
理学博士
専門分野
格子欠陥
活動概要
1 転位ループの活性化エネルギー
Vineyard の理論に基づいて転位ループの活性化エネルギーを計算する。われわれが得た厳密解では活性化エネルギーは完全楕円積分で表すことができる。さらにある適当な条件の時には位相空間中に同時に複数個のsaddle point が出現する。従って、転位の移動過程は複雑な分岐問題とみなすことができる。

2 パイエルス応力の研究
パイエルス応力 τp(Peierls stress)は塑性変形に対する結晶の本質的強度であり、広い範囲に分布している。たとえば、剪断弾性率をGとすると、共有結合性の物質は最も大きなパイエルスストレスを持ち約10^-1G、BCC金属は約10^-3G、またFCC金属では約10^-5Gである。パイエルス応力大きさはおおまかに結晶構造から決まるのである。特に、重要なパラメータは h/b、ここでhはすべり面の幅、bはバーガーズベクトルの大きさである。われわれは、パラメータ h/b とパイエルス応力の関係を数理計算で調べたが、指数関数的関係 τp/G = A exp(-h/b C) が得られた。

3 格子Green関数
 格子グリーン関数は添加された外力によって誘起される原子の変位を記述するものである。従来の弾性論のグリーン関数は外力が作用する点において対数関数的な発散があった。一方で、格子グリーン関数はそのような発散を避けることができる。そこで、それは転位の挙動や亀裂進展を計算するのに役に立つ。われわれの開発したグリーン関数は格子定数や弾性定数を現実の結晶と合わせることができ、連続体近似の極限においては応力テンソルが対称性を保っている。さらに、ダイソン方程式より半無限空間に対するグリーン関数も計算した。

4 運動する転位のためのFlexible Boundary Condition
 転位の回りの変位場は r^-1 で減衰する長距離場である。そこで、計算機シミュレーションでは、小さな計算空間で行った場合境界からの鏡像力がしばしば結果に影響することがある。そのような境界効果は避けるか減らす必要がある。この目的のため、われわれは転位芯領域の状態に対応して変化する Flexible Boundary Condition を導入した。その境界条件の運動方程式は最小作用の原理に基づいている。運動する転位のシミュレーションにその境界条件を応用したところ、モデルのサイズに強くは依存しない期待どおりの結果が得られた。 

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