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田中 正剛(たなか まさたけ) データ更新日:2024.04.19

助教 /  九州大学病院 肝臓・膵臓・胆道内科 九州大学大学院医学研究院病態制御内科学


専門診療領域
生物系/医歯薬学/内科系臨床医学/消化器内科学.
臨床医資格
日本内科学会, 認定医. 日本内科学会, 専門医. 日本内科学会, 指導医. 日本消化器病学会, 専門医. 日本消化器病学会, 指導医. 日本肝臓学会, 専門医. 日本肝臓学会, 指導医.
医師免許取得年
2003年
特筆しておきたい臨床活動
急性肝不全 (劇症肝炎) はウイルス、薬物、自己免疫性疾患等により急速に肝不全に至る病態であり、肝性脳症と呼ばれる中枢神経障害を伴う急性肝不全昏睡型に対する内科的治療の救命率は約30%と非常に予後不良な疾患である。九州大学病院肝臓・膵臓・胆道内科には福岡県内のみならず、佐賀県、大分県等の北部九州と山口県から急性肝不全患者が紹介・搬送されるため、全国の急性肝不全年間発症数約400例の約5%を病態制御内科肝臓グループが治療している。急性肝不全の病因によっては大量のステロイドを3日間連続で末梢静脈から投与するステロイドパルス療法が行われるが、当グループでは肝内に炎症細胞が高度に浸潤していると推定できる症例に対し、当院放射線科の協力を得て肝動脈にカテーテルを留置し、肝動脈からステロイドパルス療法を行う独自の治療法を臨床研究として行っており、その有効性につき学会発表や英文誌に論文発表を行っている。
単心室症や左心低形成症候群等の先天性心疾患の生命予後は不良であったが、乳幼児期に多期的にNorwood手術、Glenn手術、Fontan手術等を行うことにより長期予後が改善した。他方、Fontan循環が長期化することにより、蛋白漏出性胃腸炎や肝線維化等の特有の合併症を発症することが明らかとなってきた。Fontan循環に伴う肝障害はフォンタン関連肝疾患 (Fontan-associated liver disease; FALD) と呼ばれており、Fontan術後20-30年で半数の症例が肝硬変に至り、更に肝細胞癌を発症した場合には心機能が不良のため治療選択肢が少なく生命予後が非常に悪いことが明らかとなっている。病態制御内科肝臓グループは九州大学病院成人先天性心疾患グループとFALD患者の予後を改善するために共同診療体制を整備し、FALD診療の新たなエビデンスの発見を目指しコホートの構築に着手している。
また、循環器内科肺高血圧グループと協力し、肝臓グループが診療している慢性肝疾患患者から門脈圧亢進症性肺高血圧症 (portopulmonary hypertension; PoPH) を早期発見する取り組みを行っている。

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pure2017年10月2日から、「九州大学研究者情報」を補完するデータベースとして、Elsevier社の「Pure」による研究業績の公開を開始しました。