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島田 英樹(しまだ ひでき) データ更新日:2024.04.25

教授 /  工学研究院 地球資源システム工学部門 資源システム工学講座


大学院(学府)担当

工学府 地球資源システム工学専攻 資源システム工学講座

学部担当

工学部 地球環境工学科 地球システム工学 工学部 地球資源システム工学科

役職名

副研究院長(総務担当)


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ホームページ
https://kyushu-u.elsevierpure.com/ja/persons/hideki-shimada
 研究者プロファイリングツール 九州大学Pure
http://rock.mine.kyushu-u.ac.jp
岩盤・開発機械システム工学研究室 .
電話番号
092-802-3332
FAX番号
092-802-3368
取得学位
博士(工学) 九州大学
学位取得区分(国外)
なし
専門分野
岩盤工学、開発機械システム工学、固体資源採掘工学
外国での教育研究期間(通算)
02ヶ年06ヶ月
活動概要
<研究活動>
 第一の研究は、 地球環境を考慮した露天掘り鉱山のリハビリテーションに関する研究である。現在、環境問題に対する関心は非常に高く、鉱山開発におけるリハビリテーションの重要性が増大している。リハビリテーションは、終掘後の再緑化のみを取り 扱うのではなく、斜面の浸食や河川の汚濁、酸性鉱排水(Acid Mine Drainage;AMD)等を防止するために、操業前から検討されるべきものである。したがって、リハビリテーションプログラムが適切に実施されれば、 終掘後には採掘前の状態にまで環境を復元することが可能である。このことにより、政府ならびに地域住民からの信頼を得ることができ、持続的な操業を行うこ とが可能となる。そこで、露天掘り石炭鉱山におけるAMD対策に関する問題の抽出とその対策についての検討を行っている。
 第二の研究は、深度の浅い空洞やその周辺の地山の安定性に関する研究である。今日、都市開発事業において、深度の浅い空洞の構築、維持に関するニーズが急速に高まり、安全かつ効果的に空洞を開削、維持、管理するためには、その周辺領域を含めて地山の変形・破壊挙動を解明する必要がある。深度の浅い空洞の変形・破壊挙動は、空洞周辺に作用する重力の影響や不均質な地圧、地下水圧の影響が複雑に関係しているため、これらの要因を十分把握した上で厳密に検討しなければならない。そこで、鉱山における深度の深い坑道の開削・維持技術についての知識や経験を生かし、現在、都市ライフラインの敷設工法を対象とした理論、実験および 実測による検討を行っている。この都市ライフラインの敷設工法を研究テーマとして取り扱われた例は国内外とも極めて少なく、施工中に発生した様々な現象を未だ経験的により解決しているのが実状である。そこで現在、泥水加圧式推進工法適用現場の安定性の評価、低推力推進メカニズム、低推力で推進できる泥水の開発などの3つの分野に分けて実験、実測および解析を行ってきている。この分野においては、2007(平成19)年にInternational Society for Trenchless Technology から NO-DIG AWARD (ACADEMIC) および 日本下水道管渠推進技術協会黒瀬賞 (技術開発部門賞)を受賞した。
 第三の研究は、フライアッシュセメントの有効利用技術の開発に関する研究である。トンネル覆工では、覆工背面と地山との間に空隙が生じないように施工しなければならない。このため、余掘りがある場合には、そこに良質のズリを詰め込む方法もあるが、最近ではコンクリート打設時に覆工厚外までコンクリートを充填し、その後に残る空隙は覆工後にモルタル等を注入して充填されることが多くなっている。そこで、このようなフライアッシュ充填作業に関して、泥濃式推進工法の裏込め材やダムサイトのグラウト後に形成した空隙やシラス台地に多数存在する空洞、石炭鉱山の払跡への充填材としてのフライアッシュセメントの適用可否に関する検討を行っている。
 現在、極限環境下での地圏開発として海底熱水鉱床の開発や高レベル放射性廃棄物地層処分などのプロジェクトが進行中であり、これらは条件が厳しく既存のシステムでは開発が難しく、特徴に応じた開発システムの創成が必要であると考えられる。特にレアメタルの確保を目的とした海底熱水鉱床の開発では海底面下での最適な採鉱システム(採掘方法、掘削機械の選定や揚鉱システムなど)の検討を行っている。
 また、開発機械システムおよび地下利用システムに関する研究では、①資源開発・土木分野における礫石混合地山の掘削に関わる評価、②土木分野における大深度地下利用の更なる発展、③環境に配慮した岩盤の破砕方法の確立(機械掘削、発破を含む)、等々が確実に要求されることから、今後積極的にこの分野にも関わり、新たな研究のシーズ・ニーズを発掘し研究を展開している。
 さらに、国際的な資源開発の動向に着目すると、露天掘り鉱山から坑内掘り鉱山への移行、坑内掘り鉱山の深部化、低品位鉱の開発等は避けて通れない課題であることから、資源の効率的かつ効果的な採掘方法の開発に取り組んでいる。

<教育活動>
 教育に関しては、資源開発に必要不可欠な岩盤工学、地下空洞設計法、開発機械システム工学という学問分野を中心に学生・院生に講義や演習・実験を提供し、社会の急激な変化に対応しつつ基礎となる部分は教授してきている。また、学生・院生の海外への関わりについては、彼らの海外鉱山でのインターンシップ支援に関わってきた。しかし、専門的な教育が不十分のため、海外に出している現状では、受け入れ側に不信感を与えかねない状況も生じている。そこで、海外鉱山でインターンシップを実施する学生には、採掘・運搬・処理・環境修復技術の復習から、専門用語の確認、最新技術の紹介まで含め毎週一時間程度の事前指導を実施してきた。この他、インドネシア、ベトナム、ミャンマー、モンゴルでの資源開発中堅技術者の人材育成事業に講師として関わってきており、引き続き協力していきたい。このようにして培われたヒューマンネットワークを再構築して、海外での資源開発協力を推し進めてきた。

<社会活動>
 文部科学省の「産学人材育成パートナーシッププログラム」や「国際資源開発人材育成事業」に委員として参加し、資源系技術者の育成を目指す実践的教育支援プログラムの検討ならびに教材開発を行っている。

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