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安井 秀(やすい ひでし) データ更新日:2023.11.28

教授 /  農学研究院 資源生物科学部門 農業生物科学講座


大学院(学府)担当

学部担当

その他の教育研究施設名



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植物育種学研究室(旧農学科農学第一講座、通称育種学研究室)は1920年の開講以来一貫して、イネを対象として、遺伝・育種学的研究を展開しています。社会的にも生物学的にも期待の大きいイネを実験材料にして、遺伝学やゲノム科学に裏打ちされた植物育種学の研究を進めています。 .
電話番号
092-802-4552
FAX番号
092-802-4551
取得学位
農学博士
学位取得区分(国外)
なし
専門分野
植物育種学
外国での教育研究期間(通算)
00ヶ年00ヶ月
活動概要
 研究教育内容は, (1)イネの耐虫性に関する遺伝・育種学的研究, (2) イネの耐塩性に関する遺伝学的研究, (3)イネ 属近縁ならびに遠縁野生種の遺伝分析に関する研究, (4)イネの細胞遺伝学的研究, (5)その他の形質に関する遺伝・育種学的研究,(5)イネ実験系統群の作出と利用 に関する教育研究に大別される.

 (1) 「イネの耐虫性に関する遺伝・育種学的研究」は, アジアにおける稲作の重要害虫であるウンカ・ヨコバイ類に対するイネの抵抗性の遺伝機構を解明しようとするもので, DNAマーカーを利用して作成された詳細な分子マーカー連鎖地図を用いて, 耐虫性遺伝子の遺伝子マッピング, 耐虫性遺伝子の単離, 耐虫性遺伝子に関する近似同質遺伝子系統の開発等を行ってきた. これまでに, ウンカ・ヨコバイ類に対する耐虫性の簡易検定法を確立して, ツマグロヨコバイに対する7個の抵抗性遺伝子を連鎖地図上にマップしたほか, 飛来性害虫であるトビイロウンカやセジロウンカの産下卵に対するイネの殺卵作用ならびに吸汁抑制作用の遺伝機構を明らかにした. さらに, これらの耐虫性の分子機構を解明する目的で耐虫性に関与するツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子GRH2やトビイロウンカ抵抗性遺伝子BPH26を単離してその機能解明に取り組んだ. 一方で, これら抵抗性遺伝子を凌駕する昆虫側の加害性因子の探索と同定を目的として,昆虫ゲノム科学,応用昆虫学分野の研究者との共同研究を推進し, ウンカゲノムのDNAマーカー連鎖地図を構築して, 加害性因子を同定した. 現在は, 昆虫に対する抵抗性遺伝子の持続的利用を目指して, 耐虫性に関する有用遺伝資源の探索を行うとともに, 選抜した遺伝資源を用いて新たな耐虫性系統の開発を推進している.
 (2) 「イネの耐塩性に関する遺伝学的研究」については、バングラデッシュ在来イネコレクションを用いてその耐塩性に関する遺伝変異を探索し、イネの耐塩性の遺伝的基盤を明らかにしようとする研究計画である。海水を用いて新たに開発した耐塩性の評価方法を駆使して、バングラデッシュ在来イネコレクションの耐塩性の程度を明らかにした。これらの耐塩性の程度の異なる在来イネ系統と塩ストレスに対する感受性系統の交雑後代集団を用いて、耐塩性に関与する複数の遺伝子座を検出することを計画している。
 (3) 「イネ属近縁ならびに遠縁野生種の遺伝分析に関する研究」は, 野生イネが保有する遺伝子を栽培イネに導入して, 栽培イネの遺伝変異を増大させることを目的とした研究である. まず, アフリカ原産の遠縁野生種Oryza punctata と 栽培イネとの遠縁交雑を行い, その雑種後代から栽培イネに野生イネ染色体を一本づつ導入した異種一染色体添加系統のシリーズを育成した. これらの材料を用いて, 野生種に由来する遺伝子の染色体マッピングを進めるとともに, 断片染色体添加系統を選抜して, 野生種染色体を安定して次代へ伝達する系統の育成を行った. また, 近縁野生種の遺伝子が導入された栽培イネのイントログレッション系統を利用して各種形質の遺伝・育種学的研究を推進している.
(4)  「イネの細胞遺伝学的研究」では, イネのトリソミックスを中心とした異数体系統の育成とその遺伝分析への利用を研究課題としている. 異数体系統の育成については, 解対合突然変異体を利用した効率的なトリソミックスシリーズの作出法を確立して, これらのトリソミックスを利用して解対合突然変異遺伝子の座乗染色体を決定した. このようにして作出されたトリソミックスは, 病害虫抵抗性遺伝子, 各種形態形質遺伝子, DNAマーカーのマッピングに貢献してきた. また, 部分的染色体重複系統の遺伝的効果に関する基礎的研究を遂行した.
(5) 「その他の形質に関する遺伝・育種学的研究」では, イネの浮きイネ性, イネの幼苗致死性, DNAマーカーを用いたマーカー選抜育種に関する研究を推進している.
(6) 「イネ実験系統群の作出と利用」では, 日本型イネ品種を共通親に持つ在来品種や近縁野生種のイネ実験系統群(組換え自殖系統群や染色体部分置換系統群)を多数作出して, イネの遺伝解析研究への利用を促進している.

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