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三森 功士(みもり こおし) データ更新日:2021.05.28



役職名

九州大学病院副病院長


ホームページ
https://kyushu-u.pure.elsevier.com/ja/persons/koshi-mimori
 研究者プロファイリングツール 九州大学Pure
https://www.beppu.kyushu-u.ac.jp/gekareview/
九州大学病院別府病院外科 .
電話番号
0977-27-1645
FAX番号
0977-27-1651
取得学位
医学博士
学位取得区分(国外)
なし
専門分野
消化器外科
外国での教育研究期間(通算)
00ヶ年00ヶ月
活動概要
当教室では『真実はプリミティブなものにあり、様々な生物はフラクタルな関係性にあり」という基本的構想のもと、発がんから癌進展・再発にいたるまでの過程を『生物の進化論』に準えて真の機序解明に取り組んでいる。また、臨床的には『がん患者の生命予後の大幅な延長』ならびに『様々な臨床の局面における患者個別のあるいは疾患包括的な課題の解決』を目標として、基礎研究(ドライ解析とウェット解析)の知識と技術を高めつつ臨床における課題解決を目指している。

●固形がんにおける進化: 進行大腸がんにおいては、多くのドライバー変異はクローナルに存在していた(Uchi R. Takahashi Y., et al. PLoS Genet 2016)。一方、早期大腸がんの進化の過程についても同様なアプローチで解析したところ、ドライバー変異はサブクローナルに散在していた。早期がんに比べて進行がんにおいて有意にコピー数変異(染色体の増幅と欠失)が多かった(Saito T., Nat Commun 2018)。
われわれは食道発がんに関わる遺伝子多型ALDH2とADH1Bのリスクアリルを明らかにした(Tanaka F., GUT 2010)、体細胞変異については日本人食道がんの包括的遺伝子変異profileを明らかにした(Sawada G., 201)、さらに近年、京都大学教授小川誠司先生らが同データを用いて食道がんの進化を明らかにする論文を報告された(Yokoyama A., Ogawa S., et al, Nature 2019)。
さらに、肝内胆管がん、膵がん、乳がんに関しても、臨床的に有用な真の治療標的を探索することを目的として進化解析研究を継続している。

●新たな治療標的の同定:今日までのゲノム進化解析において固形癌は極めて重要なドライバー変異が最初に突然変異をきたした後クローナルに進展し、コピー数変異を来して大きく進展することを改めて明らかにした。特にわれわれは大腸がんにおけるクローナルな増幅を来すゲノム領域として7番染色体に局在する変異遺伝子に注目している。特にゲノム増幅する領域のなかで、新たな大腸癌発癌メカニズムとしての“タンパク翻訳開始点制御の異常”をきたす遺伝子5MP1 を見いだした(Sato K, EBioMed 2019)。また、転写機構を制御するDDX56遺伝子の臨床的意義をあきらかにした(Kouyama Y, Cancer Sci 2019)。さらに、

●リポジショニング薬の開発:SK-818は、株式会社三和化学から1996年より医薬品として承認されている慢性B型肝炎治療薬であり、20年来の使用経験から安全性がある程度担保されているだけでなくドラッグリポジショニング(安価な薬剤の適応疾患の拡大)の観点から医療経済的にも良好である。昨年度末で無事に安全性試験を終えている。現在、SK818が単剤でも有効性を示すことより、その作用機序の解明を目指している。また他の様々な癌腫における候補薬同定にも鋭意取り組んでいる。

●リキッドバイオプシー
(1)消化器がんの血液中で検出されるctDNAの特徴: ctDNA変異が検出されるクローンの特徴は明らかではない。大腸がんは原発巣から再発を来すまでの過程において、転移再発を決める選択圧のひとつとして腫瘍免疫の関与が考えられる。がん再発時にctDNAで変異が検出されるクローンの特徴について腫瘍免疫応答の視点から明らかにする基礎的研究を行っている。
(2)慢性炎症と胃癌:上部消化管内視鏡検査により、胃粘膜の萎縮の広がりを分類した「木村・竹本分類」という分類法があり、この分類法は、Close(C)とOpen(O)の各々1-3段階で萎縮の程度を示しており、C-1からO-3になるほど萎縮が進行した前癌状態と考えられ胃癌のリスクが高いとされている。われわれは胃前がん病変を有する症例の血清中に存在するmicroRNAを同定した。
(3)遺伝子多型によるリスク予測: 分子標的薬の登場により進行・再発固形がん症例の予後は飛躍的に改善されてきた。しかし、有害事象発現のため、薬剤の減量・中止・変更をしなければならない症例や、期待通りの抗腫瘍効果を認めない症例が存在し、バイオマーカーの確立は喫緊のそして長年の課題である。また、個々の患者の精緻なゲノム情報が解析できる様になり、ゲノム変異情報に基づく個別化医療は実用化されつつある。われわれは遺伝子多型情報および体細胞変異情報が疾患発症の早期発見に重要であるかを明らかにする。やがて全ゲノムシーケンスが一般化すると思われるが、真の個別化医療の実現にむけては、アノテーションの明確な遺伝子多型情報を活用して、地域ぐるみで疾患発症検出システムを構築したい。

6)おもな共同研究
代表研究
AMED次世代がん医療創生研究事業
研究開発課題名:難治がん特異的エピゲノム変異を標的にしたctDNA検出法の確立
 がんゲノム医療がはじまり固形癌の変異情報に基づいた治療法の推奨が開始された。しかし、膵がん、胆管がん、大腸がん再発など難治性がんについては固形癌へのアクセスが困難なことが多い。したがって、がん種特異性が高く、低侵襲、低コストで実装性の高いリキッドバイオプシー(LB)の確立が急務である。われわれはこれら3つの難治がんを対象にctDNA上の、がん種特異的エピゲノム変異に注目し検出の有用性を明らかにする。またLBの最大の特徴は担がん量を経時的にモニタリングできる点であり、本研究では大腸がん再発症例をモデルとしてその臨床的意義を明らかにする。

分担研究
(1)PRISM
【代表者】九州工業大学・教授 山西芳裕先生
研究開発課題名:創薬標的分子の確かしさを検証するツール物質の探索
医薬ビッグデータに基づいて、対象疾患の創薬標的候補の「確からしさ」の検証実験に利用可能なツール化合物を探索するインシリコ手法を開発する。様々ながん種および臓器線維症に関するマルチオミックスデータや分子ネットワークデータ、既承認薬、開発中止化合物、合成化合物、天然化合物など大規模な化合物の構造データや実験データを収集する。疾患データと化合物データの融合解析を行う統計手法や、多様なオミクス関連データを有効活用して化合物を効率的にスクリーニングできる機械学習の手法を開発する。最終的に、特発性肺線維症および肺がんに対して見出された創薬標的分子候補を制御するツール化合物の候補をインシリコ予測する。
分担研究開発課題名:Gefitinib抵抗性肺がんに対する分子標的薬の同定と実験による検証。
 スクリーニングを終えて候補化合物を同定した。鋭意作用点の解明中である。

(2)AMED革新的がん医療実用化研究事業:
【代表者】国立研究開発法人国立がん研究センター研究所 がんゲノミクス研究分野 分野長 柴田龍弘先生
研究開発課題名:国際共同研究に資する大規模日本人がんゲノム・オミックス・臨床データ統合解析とゲノム医療推進に向けた知識基盤構築
分担研究課題名:ゲノム新技術を導入した日本人がんゲノミクスデータベース構築・データ共有
 特に、われわれは、肝内胆管癌におけるオミックス進化機構の解明と進化の選択圧としての腫瘍免疫応答あるいは代謝産物についての研究を鋭意推進中。

(3)AMED革新的がん医療実用化研究事業
【代表者】金沢大学がん進展制御研究所 教授 大島正伸先生
研究開発課題名:大腸がん微小転移巣形成機構の理解による新規予防治療戦略の確立
1.微小転移巣における線維性ニッチの役割の解明 2.HSCおよびKupffer細胞の関与の解明 3. がん細胞とHSCの相互作用の解明 4. 候補遺伝子の探索と検証 5. ヒト大腸がん細胞における検証
以上5項目について2名体制で明らかにする。

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