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狩野 有宏(かのう ありひろ) データ更新日:2024.04.22



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就職実績-他大学
就職実績有, 平成9年11〜平成10年8月
 東京工業大学大学院生命理工学研究科赤池研究室 博士研究員
平成10年9月〜平成14年2月
 Yale大学医学部病理学科 ポストドクトラルアソシエイト
就職実績-民間機関等
就職実績有, 平成9年4〜11月
 三菱化学生命科学研究所 特別研究員
平成14年3月〜平成17年2月
 科学技術振興事業団(現独立行政法人科学技術振興機構)研究員
取得学位
博士(工学)
学位取得区分(国外)
なし
専門分野
細胞生物学、分子生物学、腫瘍生物学
外国での教育研究期間(通算)
03ヶ年06ヶ月
活動概要
1. 炎症性サイトカインでありT細胞の活性化因子であるインターフェロン-γ (IFN-gamma)が、肝臓の主要な機能を担う肝実質細胞にアポトーシスを誘導することを見いだし、その作用機構には癌抑制因子p53とIRF-1が関与することなどを明らかにしてきた。そして、炎症性サイトカインの細胞内情報伝達を担うSTAT (Signal Transducers and Activators of Transcription) に注目し、その機能解析とそれを標的にした応用研究を行っている。これらの研究成果は異常な免疫システムに起因すると考えられる劇症、あるいは慢性肝炎の発症機序の理解とその治療につながるものと考えられる。また、肝臓の類洞内皮細胞に注目した研究を行い、この細胞が免疫細胞の過剰な活性化を抑制することを見いだしている。
2. 免疫システムががんを監視し、その出現と増大を防ぐ一方 (Immune Surveillance)、がんはその監視システムから様々な方法で逃れているという考えが現在広く受け入れられている。実際に、がん抗原やヒト白血球型抗原(HLA)の発現低下、細胞死誘導シグナルや共刺激分子の欠損、制御性T細胞や未分化骨髄由来細胞の誘導、そして免疫抑制性サイトカインの産生など種々の方法でがんが免疫システムを抑制しているとの報告がなされている。また、制御性T細胞を抑制する免疫チェックポイント阻害剤が悪性黒色腫治療剤として実用化され、その著明な効果から、現在も適応例が広がっている。私はマウス脾臓細胞と種々のがん細胞との共培養及びその培養上清の解析から、多くのがん細胞にIFN-γの産生を抑制する活性があることを見出した。そして、乳がん細胞4T1を移植したマウスの脾臓細胞を使った研究により、移植後の日数がより経過するほど、つまり腫瘍がより増大するほど、がん細胞の培養上清によるIFN-γ産生抑制が高くなることを見いだしている。そこで。4T1細胞が分泌する免疫抑制物質の探索を実施した。実験の結果、これまでに18個の候補タンパク質を見出した。今後これらの主要免疫に関わる機能解析を実施する。
3. Adenine Nucleotide Translocase (ANT)はミトコンドリア内膜に存在し、細胞質ADPとミトコンドリアで合成されたATPとの交換反応を媒介するし、またアポトーシス実行にも関わることが報告されているタンパク質である。ANTはヒトで4つのサブタイプでなるファミリーを構成しているが、とりわけアポトーシスへのこれらサブタイプの関係が不明なままである。そこでsiRNAやゲノム編集の手法によりANTサブタイプとアポトーシス実行のメカニズムの解析を行なっている。

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pure2017年10月2日から、「九州大学研究者情報」を補完するデータベースとして、Elsevier社の「Pure」による研究業績の公開を開始しました。