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土屋 智行(つちや ともゆき) データ更新日:2023.11.22



主な研究テーマ
定型表現とその拡張用法
キーワード:定型表現、認知
2015.04~2021.03.
従事しているプロジェクト研究
日常の相互行為における定型性:話し言葉を基盤とした言語構造モデルの構築 研究課題
2017.07~2021.03, 代表者:鈴木亮子, 慶應義塾大学
従来の言語学では、無限の文を生成・理解するための文法規則を基盤に据えた言語能力の理論家が主流であったが、日常の言語使用においては、文はそのつど新規に生成されるのではなく、定型表現(決まり文句から構文的なものまで全体・または部分的に固定化した表現)の占める割合が大きいことが近年指摘されている。そこで本研究は言語体系に見られる定型表現の役割という、従来言語学で顧みられてこなかった問題に、日中英3言語の会話データを中心に分析に取り組む。.
研究業績
主要著書
1. 土屋智行, 言語と慣習性: ことわざ・慣用表現とその拡張用法の実態, ひつじ書房, 2020.02, 当著作は、日本語と英語のことわざや慣用表現の拡張用法の観察と質的・量的分析をとおして、人が定型表現等の慣習的な言語の意味をどのように理解し、それを言語コミュニティの中でどのように使用しているのかを社会・認知的な観点から考察したものである。当著作はまずことわざや慣用表現の定型表現が形式的に変化したり異なる意味へと解釈される等の拡張用法が存在することを指摘した後、日本語のことわざや慣用表現で頻繁に使われる「顔」「目」「手」等の身体部位詞の例を取り上げ、それらの意味的な拡張にはメタファーやメトニミーをはじめとした身体基盤的な動機づけが存在すると考察した。また、類似した形式と意味を持つことわざや慣用表現の存在から、定型表現の「形式と意味の局所性」を指摘し、言い換え等の創造的言語使用が定型表現の出現と定着に関わっていると考察した。更に定型表現の拡張用法を大規模なコーパスから網羅的に収集し、パターン束分析を施すことで、拡張用法の傾向やその談話的機能について考察した後、個人の言語知識と社会的に共有されている言語知識が創造性を通して相互に影響し合うという用法基盤主義的な言語観を支持した。.
主要原著論文
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
主要学会発表等
学会活動
所属学会名
大学英語教育学会
関西言語学会
日本語用論学会
日本言語学会
日本認知言語学
日本認知科学会
言語処理学会
社会言語科学会
学協会役員等への就任
2021.04~2025.03, 社会言語科学会, 審査・プログラム委員.
2017.03~2018.03, 異分野融合テキストマイニング研究会, 幹事.
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2022.03.03~2022.03.05, 第46回社会言語科学会研究大会, 司会.
2018.05.18, 九州大学定型表現研究プロジェクト Q-FLIP, プロジェクト実行委員.
2016.08.29~2016.08.29, 京都言語学コロキアム第12回年次大会, 司会(Moderator).
学術論文等の審査
年度 外国語雑誌査読論文数 日本語雑誌査読論文数 国際会議録査読論文数 国内会議録査読論文数 合計
2023年度      
2022年度     11  13 
2020年度
受賞
日本認知科学会第27回大会発表賞, 日本認知科学会, 2010.12.
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2017年度~2020年度, 基盤研究(B), 分担, 日常の相互行為における定型性:話し言葉を基盤とした言語構造モデルの構築.
2019年度~2019年度, 研究成果公開促進費, 代表, 「言語と慣習性」の刊行.
2017年度~2019年度, 若手研究(B), 代表, メディアと場面の相互連関に基づく英語定型表現の分析とインデックス化.
2015年度~2016年度, 研究活動スタート支援, 代表, 言語環境の違いによる英語提携表現の選択と調整に関する研究.
2009年度~2010年度, 特別研究員奨励費, 代表, 慣用表現の形式的・意味的変化に関する統合的分析モデルの構築.

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