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石橋 純一郎(いしばし じゅんいちろう) データ更新日:2020.06.17

准教授 /  理学研究院 地球惑星科学部門 太陽惑星系物質科学


主な研究テーマ
熱水性鉱石の年代学的研究
キーワード:ESR 年代測定
2008.04.
熱水鉱床の成因的研究
キーワード:火山性硫化物鉱床 気液二相分離 海底掘削
2007.10.
海底熱水系の地球化学的研究
キーワード:熱水循環系 化学合成生態系 熱水変質反応
1985.04.
マグマ性温泉の地球化学的研究
キーワード:地熱系 マグマ性揮発性成分
1998.11.
従事しているプロジェクト研究
東日本・九州地域における超臨界地熱資源有望地域の調査と抽熱可能量の推定
2018.04~2019.03, 代表者:藤光康宏, 九州大学大学院工学研究院, 九州大学.
鉱床モデルの構築に向けた熱水化学反応の解明
2015.10~2018.03, 代表者:石橋純一郎, 九州大学大学院理学研究院, 九州大学
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)課題である「次世代海洋資源調査技術」の実施項目1「海洋資源の成因の科学的研究に基づく調査海域の絞り込み手法の開発」に大学などの研究機関を組織して参画している。
熱水鉱床中心部と外縁部から得られる試料を解析し、鉱床モデルに取り込むべき新たな地球化学的指標を提案することを目的としている。.
海底下の大河:地球規模の海洋地殻中の移流と生物地球化学作用
2008.12~2013.03, 代表者:浦辺徹郎, 東京大学大学院理学系研究科, 科学研究費補助金・新学術領域研究(研究領域提案型)
海底下の流体の移流という現象を、陸域河川に匹敵する現象、すなわち「海底下の大河」として捉え直し、かつ、その影響を地質―化学―生命の多面相互作用として
解明・理解しようとする。特に、「海底下の大河」における固体―流体―微生物の相互作用の流れを明らかにし、地球最大の生物圏でありながら未だその全貌が未知のままで
ある海底下微生物圏の広がりと特徴を明らかにし、単独の科学分野では為し得ない新しい地球生命科学の領域を切り開く。.
Arc Hydrothermal Drilling
2012.11, 代表者:Cornel de Ronde, GNS Science, ニュージーランド
ニュージーランド沖ケルマデック島弧における海底掘削計画を立案するとともに、これに必要な事前調査をNZ, ドイツを中心とした国際共同研究チームによって実施する.
鹿児島湾若尊海底火山に伴う熱水活動の分布と経時変動
2012.04~2014.03, 代表者:山中寿朗, 岡山大学, 科学研究費補助金・基盤研究B
鹿児島湾若尊海底火山に伴う熱水活動の分布と時間変動を明らかにし、それに伴う硫化物鉱床の広がりを見積もる。.
Deep Hot Biosphere
2010.09~2018.01, 代表者:高井研, 海洋研究開発機構, 日本
沖縄トラフ熱水域の海底掘削を行い、得られたデータ、試料の解析から熱水活動域海底下の地下生物圏の生態とそれを支える地下物理化学環境との関連を解明する.
鹿児島湾若尊海底火山に伴う熱水活動の経時変動
2007.04~2009.03, 代表者:石橋純一郎, 九州大学, 科学研究費補助金・基盤研究C
地球物理学的手法(温度測定)、無機化学的手法(熱水変質鉱物の解析)、有機化学的手法(有機プロキシ組成の解析)、分子微生物学的手法(好熱性アーキアの遺伝子解析)によって得られる温度情報の比較検討を行って、鹿児島湾若尊火口における熱水循環系が形づくる火口底堆積層内の温度分布とその経時変動を推定する。.
海嶺におけるエネルギー・物質フラックスの解明に関する国際共同研究
1993.04~1999.03, 代表者:浦辺徹郎, 地質調査所, 科学技術振興調整費(地質調査所・海洋科学技術センターなど20余りの機関が参加)
海底熱水系を対象として地球物理・地球化学・地質学の各分野が共同して研究を行って、熱水循環系を中心とした地球内部からのエネルギー・物質フラックスを定量的に解明することをめざす。.
海底熱水系における生物・地質相互作用の解明に関する国際共同研究
2000.04~2004.12, 代表者:浦辺徹郎, 東京大学大学院理学系研究科, 科学技術振興調整費(産業技術総合研究所・東京大学など20余りの機関が参加)
海底熱水系を対象として地球物理・地球化学・地質学の各分野が共同して研究を行って、熱水循環系の規模・環境を明らかにすると同時に、熱水系海底下に広がる地下微生物圏の微生物学的研究と共同して、熱水系と微生物活動との関連を解明することをめざす。.
研究業績
主要著書
1. Junichiro Ishibashi, Kyoko Okino, Michinori Sunamura, Subseafloor Biosphere Linked to Hydrothermal Systems, Springer Japan, 10.1007/978-4-431-54865-2, pp.666, 2015.01, [URL], This book is the comprehensive volume of the TAIGA (“a great river ” in Japanese) project. Supported by the Japanese government, the project examined the hypothesis that the subseafloor fluid advection system (subseafloor TAIGA) can be categorized into four types, TAIGAs of sulfur, hydrogen, carbon (methane), and iron, according to the most dominant reducing substance, and the chemolithoautotrophic bacteria/archaea that are inextricably associated with respective types of TAIGAs which are strongly affected by their geological background such as surrounding host rocks and tectonic settings. Sub-seafloor ecosystems are sustained by hydrothermal circulation or TAIGA that carry chemical energy to the chemosynthetic microbes living in an extreme environment. The results of the project have been summarized comprehensively in 50 chapters, and this book provides an overall introduction and relevant topics on the mid-ocean ridge system of the Indian Ocean and on the arc-backarc systems of the Southern Mariana Trough and Okinawa Trough..
主要原著論文
1. Ishibashi, J.-I., M. Nakaseama, M. Seguchi, T. Yamashita, S. Doi, T. Sakamoto, K. Shimada, N. Shimada, T. Noguchi, T. Oomori, M. Kusakabe, T. Yamanaka, Marine shallow-water hydrothermal activity and mineralization at the Wakamiko crater in Kagoshima bay, south Kyushu, Japan., Journal of Volocanology and Geothermal Research, 10.1016/j.jvolgeores.2007.12.041, 173, 84-98, 2008.05.
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. 石橋純一郎, 海底熱水循環系における岩石圏=水圏=生物圏の相互作用, 地球化学, 10.14934/chikyukagaku.51.103, 2017.07.
2. 石橋純一郎,柳川勝紀,高井研, 熱水域掘削に基づく新しい熱水系描像と生命圏の限界:IODP331次航海の成果, 地質学雑誌, 10.5575/geosoc.2017.0014, 2017.04.
主要学会発表等
1. 石橋純一郎, 元素交換・移動・濃集機構としての海底熱水系, 日本地球化学会, 2016.09, 海底熱水系は、岩石圏と水圏の境界領域を熱水流体が循環するシステムである.海水に起源を持つ流体は、海底下で地殻物質との間で元素交換を進める。さらに熱源であるマグマから発散される揮発性成分の取り込みも合わせて、熱水流体に進化していく。断層系などの通路に沿って熱水流体は速やかに上昇し、溶存している化学成分も効率的に輸送される。熱水流体が海底面に達すると、温度・化学条件が激変し鉱物沈殿や懸濁態形成などの元素濃集過程を起こす。また、熱水によって供給される化学物質は、熱水域に発達する化学合成生態系を支えている。
海底熱水系の研究は、その対象が深海底にあってアクセスが容易でなく、限られた潜航の機会を有効に利用するために学際的なプロジェクト研究によって進められることが通例である。ただ海底熱水系が担う熱フラックスが熱水循環系内の化学反応によって物質フラックスや生物フラックスに変換される過程を理解していくためには、学際的な研究者チームの編成が有用であるという側面も見逃せない。実際のところ、「とにかくあの海底から出て来る水に含まれている化学成分を分析してデータを出して欲しい(考えるのはそれからだ」という話も良くあった。筆者が駆け出しの研究者であったころは、欧米研究者が主催するワークショップに参加すると、海底熱水系研究の第一世代とも呼ぶべき研究者がまだ多く、海底からの熱水噴出という未知のエキサイティングな現象に対して、多分野の研究者達が議論を通じて共通した概念モデルを作り出そうとする雰囲気を強く感じることができた。
そうした議論に参加する中で気づいたことは、海底熱水活動が中央海嶺の現象理解の中で発見されたために、その概念モデルが偏ったものになっているという問題点である。中央海嶺がプレート拡大域という地球を代表する地質場であるのは間違いないが、我が国の周辺にはプレート収束域(海溝=島弧=縁海系)というカウンターパートが広がっている。そこではより複雑で多様なマグマ活動・テクトニクス活動が進行しているのだから、それに対応した特有の海底熱水系のスタイルがあって然るべきだろう。海底熱水系の地球化学的特徴をこうした地質場の相違と関連づけて議論するという目標の設定が、様々なアプローチを用いて海底熱水系の研究を進めて行く主な動機となった。
この問題に対する解答をあえて簡単にまとめてしまえば、プレート拡大域の熱水系は断裂系が支配的であるのに対し、プレート収束域の熱水系はマグマからの寄与がより強いと言えるだろう。熱水中溶存気体成分の化学組成や同位体比は、マグマからの寄与をかなり直接的に反映しており、これらの成分は熱水のpHや化学合成生態系へ供給する還元的化学種の量的相違の要因となっている。島弧・背弧の海域ではマグマだまりや海底火山ができる水深が浅いことは、熱水系において熱水の沸騰が起こりやすいことを意味しており、多様な化学組成を持つ熱水が同一の熱水サイトで見られる要因となっている。
最近話題になることが多い海底熱水鉱床についても、資源として注目される多金属硫化物鉱床が島弧・背弧の海域に集中していることを考えると、海底熱水系の地球化学的特徴との関連づけは重要な課題である。熱水鉱床は、海底熱水系の最末端に生じる元素異常濃集帯と見ることができ、そこには熱水循環の過程で起こる様々な化学反応の影響があらわれる。また鉱床が形成し成長するのに必要な数千年に及ぶ時間は、我々が観察できるタイムスケールを大きく超えている。こうした点から、熱水鉱床から得られる地球化学的証拠の解読は一筋縄ではいかない。しかし、活動的な海底熱水域の掘削が本格的に実施されるようになった今、熱水鉱床成因論に地球化学からの新しい知見をもたらす好機が到来したと言えるだろう。
以上述べてきたように、海底熱水系は様々な化学反応と大規模な元素移動が進行するシステムで、地球化学の研究対象として興味が尽きることがない.私は大学院に入学した際にこの研究テーマに取り組む機会に恵まれ、また幸運にも我が国における海底熱水系研究が発展する中で、複数の学際的プロジェクトに携わりながら研究を継続していくことができた。さらに、カルデラ火山活動・マグマ性温泉・熱水性金鉱床などを陸上でまのあたりにすることができる九州の地で研究生活を送り、海底熱水系を考える上で重要な手がかりとなる研究を学生と共に取り組む経験を積み重ねることもできた。こうした一連の研究を評価していただいたことは望外の喜びであり、この機会に様々な場面で研究をご一緒して下さった皆様に改めて深く感謝申し上げたい。.
2. Jun-ichiro Ishibashi, Are Seafloor Massive Sulfides a modern analogue for VMS deposit ?, Goldschmidt Conference 2016, 2016.06, Seafloor massive sulfides recognized in hydrothermal fields in arc-backarc settings in the western Pacific are commonly represented by coexisting occurrence of zinc- and lead-enriched polymetallic sulfides and abundant sulfate minerals. The mineralogy and geochemical signatures present has led researchers to suggest these areas may be a modern analogue for the formation of ancient Kuroko-type volcanogenic massive sulfide (VMS) deposits. Seafloor drilling during IODP (Integrated Ocean Drilling Program) Expedition 331 documented the subseafloor hydrothermal system at the Iheya North Knoll in the Okinawa Trough. Mineral textures and assemblages present in the drilled cores obtained from a hydrothermal mound in the proximal area were consistent with those recognized in ancient Kuroko-type mineralization. Moreover, stratabound occurrences of base-metal mineralization and widespread hydrothermal alteration were recognized across an area of over 500 m extent, which are comparable to ancient Kuroko-type deposits. On the other hand, geochemical studies of hydrothermal fluid venting from the seafloor and pore fluid within the sediment demonstrated diverse range of sulfide and sulfate mineralization could be related to subseafloor geochemical processes and fluid flows. Geochemical studies on present seafloor hydrothermal activities would provide a rare window into the dynamic processes for formation of VMS deposits..
学会活動
所属学会名
Society of Economic Geologists
東京地学協会
日本地熱学会
日本地球化学会
資源地質学会
日本火山学会
American Geophysics Union
学協会役員等への就任
2017.04~2019.03, 資源地質学会, 評議員.
2016.01~2017.12, 日本地球化学会, 評議員.
2014.01~2015.12, 日本地球化学会, 幹事.
2008.01~2009.12, 日本地球化学会, 幹事.
2006.01~2007.12, 日本地球化学会, 評議員.
2000.01~2003.12, 日本地球化学会, 評議員.
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2018.06~2018.06.12, 資源地質学会シンポジウム, オーガナイザー.
2012.11.14~2012.11.16, MagellanPlus Workshop, 組織委員.
2012.09.10~2012.09.13, 日本地球化学会58回年会, 大会実行委員.
2012.07~2012.12, AGU 2012 Fall Meeting, コンビーナ.
2010.11.01~2010.11.05, ニュージーランド=日本ワークショップ「海底資源の開発とその背景」, オーガナイザー.
2010.06.13~2010.06.17, Goldschmidt Conference 2010, コンビーナ.
2004.12~2014.12.13, AGU 2004 Fall Meeting, コンビーナ.
2004.05.01~2018.06.13, 地球惑星科学関連学会合同大会, 運営機構総務局員.
学会誌・雑誌・著書の編集への参加状況
2019.06, Resource Geology, 国際, 編集委員.
2006.04, Geochimica Cosmochimica Acta, 国際, 編集委員.
2015.01~2015.06, Geochemiccal Journal Special Volume, 国際, 編集委員.
2013.09~2014.12, Subseafloor Biosphere Linked to Hydrothermal Systems: TAIGA Concept, 国際, 編集委員長.
2011.04~2012.03, 地球と宇宙の化学事典, 国内, 編集委員.
2004.01~2006.12, Geochemiccal Journal, 国際, 編集委員.
2001.01~2002.12, 火山, 国内, 編集委員.
学術論文等の審査
年度 外国語雑誌査読論文数 日本語雑誌査読論文数 国際会議録査読論文数 国内会議録査読論文数 合計
2005年度      
2004年度        
その他の研究活動
海外渡航状況, 海外での教育研究歴
Institute of Geological and Nuclear Scieneces, NewZealand, 2007.06~2007.09.
受賞
日本地球化学会学会賞, 日本地球化学会, 2016.09.
日本地球化学会奨励賞, 日本地球化学会, 1997.09.
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2012年度~2014年度, 基盤研究(B), 分担, 海底熱水系における熱水性石油の生成条件の再検証.
2008年度~2012年度, 新学術領域研究, 代表, 大河の時間変動と熱水生態系の進化.
2007年度~2008年度, 基盤研究(C), 代表, 若尊海底火山に伴う熱水活動の経時変動.
2004年度~2006年度, 基盤研究(B), 代表, 熱水化学組成に基づいた黒鉱鉱床形成史の復元.
日本学術振興会への採択状況(科学研究費補助金以外)
2007年度~2007年度, 二国間交流, 代表, 島弧火山に伴う海底熱水活動の地球化学的研究.
共同研究、受託研究(競争的資金を除く)の受入状況
2018.04~2019.03, 代表, 調査海域絞り込み手法の社会実装に向けた熱水化学反応の解明.
2017.04~2018.03, 代表, 鉱床モデルの構築に向けた熱水化学反応の解明.
2016.04~2017.03, 代表, 鉱床モデルの構築に向けた熱水化学反応の解明.
2015.10~2016.03, 代表, 鉱床モデルの構築に向けた熱水化学反応の解明.

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