九州大学 研究者情報
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細井 昌子(ほそい まさこ) データ更新日:2024.04.23

講師 /  九州大学病院 心療内科 九州大学 大学院医学研究院 心身医学


社会貢献・国際連携
社会貢献・国際連携活動概要
オーストリア、ウィーン大学精神神経科との共同研究(2006年より)

米国ワシントン大学リハビリテーション部との共同研究(2005年より)

米国国立衛生研究所(National Institutes of Health, NIAAA)との共同研究(1997年より)

厚生労働省班研究(心身症に関する実証的研究)の研究協力

国内, 国際政策形成, 及び学術振興等への寄与活動
2023.04~2025.03, 厚生労働省 令和4年度および5年度の慢性疼痛診療システム均てん化等事業に採択され、事業を佐賀、熊本、宮崎、沖縄の連携大学・病院とともに九州大学が総括して、普及・研修事業を行っている。九州大学病院の集学的痛みセンターの運営の中心として活動.

2020.04~2023.03, 厚生労働省 令和2年度慢性疼痛診療システム普及・人材養成モデル事業に採択され、事業を佐賀、熊本、沖縄の連携大学・病院とともに九州大学が総括して、普及・研修事業を行っている。九州大学病院の集学的痛みセンターの運営の中心として活動, 九州大学病院 集学的痛みセンター.

2018.04~2020.03, 厚生労働省 慢性疼痛診療体制構築モデル事業
九州全体を総括するセンターとして、佐賀大学とともに研修事業を企画・運営.

新聞・雑誌記事及びTV・ラジオ番組出演等
2024.02, NHKラジオ, 特集「親子関係のゆがみが“全身の痛み”に」にインタビュー出演 2024年2月8日 (オンデマンド放送あり、~2024年4月17日 NHK podcast放送)
幼少期から思春期に親から過度な抑圧があったりして子どもが自分の感情を出すことを我慢する関係性があると、成人してから何か月も何年にもわたるような全身の痛みがあらわれることが、福岡県久山町で60年以上にわたって行われてきた健康データの解析などからわかってきた。その背景と、今求められることについて考える。
出演:細井昌子さん(九州大学病院 集学的痛みセンター 副センター長).

2023.04, NHK World, NHK World Science View(世界約160か国に配信)
サイエンス ゼロ 「感情の科学 “体”とつながる心の世界」九州大学病院 心療内科における治療を紹介 の英語版 衛星放送やケーブルテレビ、地上デジタル放送で配信.

2023.01, NHK 教育, サイエンス ゼロ 「感情の科学 “体”とつながる心の世界」九州大学病院 心療内科における治療を紹介 (アンコール再放送).

2020.05, 読売新聞, 医療ルネサンス No7281 マインドフルネス 7/8 箱庭から見えた心の奥底

九州大学病院心療内科で2016年6月、全身に痛みが表れる「線維筋痛症」と診断された50歳代の看護師C子さん(福岡市在住)。診療准教授の細井昌子さんから、入院とマインドフルネス集団療法への参加を度々勧められていた。
 集団療法のリーダーを務める助教の安野広三さんによると、マインドフルネスの治療では、今ここにある身体感覚や感情、思考に気づく練習を行う。だが、線維筋痛症の患者にいきなり教えてもうまくいかないことが多い。自分の感情に気づきにくい「失感情症」や、自分の身体感覚への気づきが乏しい「失体感症」の人がほとんどだからだ。
 C子さんは、1年以上続けた外来で細井さんとの信頼関係が築かれ、痛みの背景にある姉や母、兄嫁との葛藤が表面化するなど、治療の準備は整っていた。
 休職したC子さんは、17年11月からまず1か月間入院し、自分でリラックスした状態を作り出す「自律訓練法」などで、疲れた心身を休めた。18年1月から再び入院し、マインドフルネス集団療法が始まった。
 全身の各部位の感覚を観察する「ボディースキャン」。呼吸に意識を向ける「呼吸瞑想」。瞑想中に過去の嫌な記憶や感情が浮かんだら、逃げずに受け止め、川に浮かぶ葉っぱに乗せて流すイメージを練習した。
 並行して、「箱庭療法」も受けた。人や動物、家などの模型を箱庭の上に自由に配置し、心の奥底にある感情を表面化させ、俯瞰して見る方法だ。
 C子さんの初期の箱庭は、泣いている少女(不安だった昔の自分)と大人の女性(母親役の今の自分)が、トンネルを歩く場面。トンネルは、「避けてきた内面の探求」を象徴する。
 こうした治療を繰り返し、次第に心の奥底が見えてきた。「私、寂しかったんだ」。幼い自分を優しく見つめ、涙が流れた。
 終盤の箱庭では、ライオン(姉)とドラゴン(兄嫁)と向き合うように自分の人形を配置。この後、C子さんは行動を起こした。姉と兄に思いを伝えて話し合い、母を姉の家で介護してもらうことになったのだ。
 「自分で自分を育て直すことができた」。C子さんは2か月余りの入院を振り返る。仕事は昨年8月に退職し、がむしゃらな生き方を緩めた。今は思ったことを我慢せずに伝えられる。鈍い痛みはまだあるが、「動けるから、いいや」と思え、だいぶ楽になった。
 安野さんは「慢性痛の患者こそマインドフルネスを最も必要としているが、導入するのが最も難しい。でも、様々な手法を組み合わせれば、大きな効果を発揮できる」と確信している。
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2020.05, 読売新聞, 医療ルネサンス No7280 マインドフルネス 6/8 慢性痛の陰に家族の葛藤

 マインドフルネスは、慢性の痛みの治療にも使われる。痛みの背景に心理的な要因が隠れていることが多いからだ。しかし、治療は決して容易ではない。
 福岡市の50歳代の看護師C子さんは、20歳代後半から腰痛に悩まされ、2001年と14年に背骨の手術を受けた。しかし、二度目の手術の後、痛みは肩や首にまで広がり、鎮痛薬も次第に効かなくなった。
 複数の医療機関をはしごした。ネットで見つけた石川や愛知県、東京の医療機関も受診したが、痛みは改善しない。15年からは、がんの痛みに使われるオピオイド系鎮痛薬の錠剤を1日10錠も飲んだ。飲むと元気になるが、効果が切れると痛みがぶり返す。「死んだ方がまし」とさえ思った。
 そこで16年6月、地元病院の紹介で受診したのが、難治性の慢性痛患者が全国から訪れる九州大学病院心療内科だった。診療准教授の細井昌子さんの診断は「線維筋痛症」。全身に慢性的な痛みが表れる原因不明の病気で、米国の人気歌手レディー・ガガさんもこの病気だと公表している。
 C子さんは細井さんとの外来を重ねるうちに、自分が意識してこなかった葛藤が浮かび上がってきた。
 幼い頃から、一つ年上の姉が支配的だった。店で服を買う時、「私はこれにするから、あなたはそれ」と押しつけられた。母親は成績優秀で快活な姉を愛し、姉が習ったピアノを自分は習わせてもらえなかった。
 自分が我慢し、人の言う通りに行動すれば問題は起こらない。人が嫌がることは自分がやればいい――。いつからか、そう考えて行動するようになった。
 高校卒業後、准看護師を経て看護師になり、人一倍働いた。息子2人の面倒と実母の介護にも追われた。夫は頼りにならなかった。13年にケアマネジャーの仕事に替わり、夜中も土日もこっそり事務所で仕事した。その傍ら、大学の通信教育を受け、17年には社会福祉士の資格も取った。
 細井さんによると、線維筋痛症患者には「過活動」の人が多い。自己実現を目指す活動ではない。自分の存在を肯定されずに成長したため、その空虚さや不安を埋めようと必死に働くのだ。「まるで下りのエスカレーターを上るみたい。止まると落ちてしまうから、ひたすら上り続けるのです」と細井さん。
 痛みの苦しさを感じる脳の部位は、不安や劣等感などでも活性化される。C子さんも、このメカニズムで痛みを悪化させたと考えられた。だが、それを頭で理解できたからと言って、痛みが和ぐわけではない。細井さんは、入院とマインドフルネス集団療法への参加を勧めた。
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2019.05, 西日本新聞 P9目, くらし 医療いのち
ドクターに聞く「肩と首がずっと痛む」
日常の行動パターンを見直して(2019.5.6).

2019.03, 朝日新聞 10版, 朝日 健康・医療フォーラム 2019
慢性の痛み 和らげたい
心の持ちよう変えると改善(2019.3.2).

2018.11, 読売新聞 12版, 医療ルネサンス『いきいきリハビリノート』5⃣
医療者との信頼関係大切(2018.11.15).

2018.04, 日経メディカル, インタビュー◎医療者と患者の対立構造が痛みを難治化
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201804/555510.html.

2014.11, 読売新聞, 医療ルネサンス:治らない痛み 5/5 
治療者の熱意、工夫必要.

2014.11, 読売新聞, 医療ルネサンス:治らない痛み 4/5
「箱庭療法」で感情を分析.

2013.04, ドクターズガイド 治せる医師を本気で探す, 慢性疼痛.

2013.04, 週刊文春, 短期集中連載 腰痛治療革命―第一人者が教える7つの新常識.

2011.03, 日経ヘルスプルミエ, 40,50代女性がストレスから楽になる本
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2010.11, NHK教育, ここが聞きたい!名医にQ 2010年11月06日(土)放送 ひざ・腰・肩の慢性痛.

2010.11, NHK教育, ここが聞きたい!名医にQ 2010年11月13日(土)放送 あなたの疑問に答えます!ひざ・腰・肩の慢性痛.

2010.05, 読売新聞, 医療ルネサンス No4846 シリーズ 痛みこころ 
心身医学的治療で改善した慢性疼痛症例についての紹介.

2010.01, 日経ヘルスプルミエ, 特集 肩こり、腰痛、関節痛ー痛みを取る! 脳の悪習慣(認知行動療法からみた痛み).

一般市民、社会活動及び産業界等を対象とした活動
2014.01, NPOいたみラボ 市民公開講座:痛みの苦しみとその真実 痛みが苦しくなるメカニズム:言葉にできない思いの役割, いたみラボ(NPO痛み医学研究情報センター), 福岡.

2014.01, よみうりFBS文化センター 「実践の心身医学」 慢性疼痛と養育スタイル:現代と将来の日本の抱える問題を考える, よみうりFBS文化センター, 福岡.

2012.06, ヤンセンファーマ勉強会 慢性疼痛の心身医学, ヤンセンファーマ株式会社, 福岡.

2011.07, Meiji Seika ファルマ株式会社 社内勉強会  慢性疼痛の心身医学, Meiji Seika ファルマ株式会社, 福岡.

2011.06, 第48回民放労連全国女性のつどいin福岡 心のケアと女性の心と体の痛み~トラウマ体験との関連~, 民放労連女性協議会, 福岡.

大学運営
学内運営に関わる各種委員・役職等
2024.04~2026.03, ハラスメント相談員.

2023.04~2025.03, 動物実験倫理委員会審査部局委員.

2023.04~2025.03, 九州大学病院 教員会 代議員.

2022.04~2023.03, 心療内科 代議員.

2021.04~2022.03, 心療内科 代議員.

2020.04~2021.03, 心療内科 代議員.

2020.04~2022.03, ハラスメント相談員.

2019.10~2020.03, 医学部教員会 議長.

2018.04~2020.03, 心療内科 代議員.

2014.04~2016.03, ハラスメント相談員.

2012.04~2015.03, 教員会代議員.

2012.04~2012.09, 教員会執行委員.

2012.04~2014.03, 自己点検評価委員会 委員.

2010.04~2010.09, 九州大学医学研究院・病院 教員会執行委員.

2010.04~2011.03, 医学研究院心身医学分野 代議員.

2004.04, インフォームドコンセント委員.


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