九州大学 研究者情報
研究者情報 (研究者の方へ)入力に際してお困りですか?
基本情報 研究活動 教育活動 社会活動
飯嶋 裕治(いいじま ゆうじ) データ更新日:2023.11.28



主な研究テーマ
解釈学的観点からの徳倫理学の再検討
キーワード:行為論、共同体論、解釈学、規範性、徳、和辻哲郎、マルティン・ハイデガー、チャールズ・テイラー、ジョン・マクダウェル
2013.10.
アンスコムの考察を手がかりとした実践的推論の構造について
キーワード:実践的推論、目的論、アンスコム
2015.04.
人工知能研究への哲学的アプローチ
キーワード:人工知能、AI、古典的計算主義、コネクショニズム、生態学的アプローチ、力学系アプローチ、表象主義、ヒューバート・ドレイファス、マルティン・ハイデガー、
2016.04.
大正時代における「芸術」論──「芸術としての建築」論を中心に
キーワード:芸術、建築、大正時代、分離派建築会、和辻哲郎、堀口捨己
2017.01~2020.10.
研究業績
主要著書
1. 九州大学基幹教育院次世代型大学教育開発センター, アクティブ・ラーナーを育む : 新時代を拓く基幹教育, 九州大学出版会, 総ページ数:142p, 2020.04, 九州大学では、アクティブ・ラーナーの育成を目指す新カリキュラム「基幹教育」を2014年度より開始したが、その最大の特色となるのが、全学部新入生必修の先進的なアクティブ・ラーニング科目として開発された「基幹教育セミナー」と「課題協学科目」である。本書では、この2つの必修科目の実施事例を通して、担当教員の専門分野や教育経験を問わない、「誰でもできるアクティブ・ラーニング」のための教育手法や科目運営体制を詳しく説明している。
(本書は、次世代型大学教育開発センターとして刊行した書籍で、全体の編集作業および分担箇所の執筆を担当した。).
2. 飯嶋 裕治, 和辻哲郎の解釈学的倫理学, 東京大学出版会, 総ページ数:vii, 533, 22p, 2019.11, 本書の主題は、和辻哲郎の倫理学を普遍的な理論として捉え、その全体像を解明した上で、そこに今なお有意義な理論的可能性があることを示すことにある。先行研究では、彼の思想の営為を近代日本思想という特殊な文脈で論じるケースが多く、また、彼の倫理学理論を論じるにしても、その一部を取り上げるにとどまっていた。それに対して本書では、和辻の倫理学理論そのものの解明に正面から取り組み、その全貌を明らかにすべく試みている。その際、特に以下の二つの観点を重視して論述を展開した。
第一に、彼の倫理学理論を基礎づける「人間存在論」という議論に着目した。例えば、彼の有名な「間柄」的な人間観も、主著『倫理学』執筆開始時点で、人間存在論に基づいてその概念化の作業はほぼ済まされていた。本書はこうした見通しの下、まず人間存在論の方法論・前提認識とその理論的達成を確認し(第一部)、それがいかなる経緯で倫理学的な問題圏に展開していくのかを見た上で(第二部)、主著『倫理学』全体の読解に取り組む(第三部)、という構成をとった。
第二に、彼の倫理学の普遍的理論としての特質を浮き彫りにするための補助線として、先行研究で参照されてきた原始仏教等ではなく、彼と似た思想傾向を持つ西洋の哲学者たち(特にハイデガー、ドレイファス、テイラー)の議論を援用し、和辻が思考していた(はずの)事柄をより明確化すべく試みた。そこから、彼の倫理学理論は純粋な哲学的議論(特に行為論)としても、現代の水準から見て十分に新鮮かつ独特で、有望な視点を新たに提供し得る議論が展開されていることが明らかにされた。
本書は、和辻の倫理学理論の全体像を解明するだけでなく、これまで見逃されてきたその豊かな理論的可能性をも明確に示すという点で、かつてなかったが本来あるべき新しい和辻論となっている。.
主要原著論文
1. 飯嶋 裕治, 和辻哲郎の準目的論的行為論 : 現代行為論の文脈から (日本倫理学会第七十回大会 共通課題「和辻倫理学の可能性」報告), 倫理学年報 = Annuals of ethics, 69, 30-39, 2020.04.
2. 飯嶋 裕治, マクダウェル-ドレイファス論争における「概念能力」への問い : われわれは没入的対処において何に反応・応答しているのか?, 哲学論文集, 53, 53, 1-32, 2017.09.
3. 飯嶋 裕治, 実践的推論と行為の全体論的構造 : アンスコムの目的論的行為論のさらなる拡張, 西日本哲学年報, 24, 39-56, 2016.10.
4. 飯嶋 裕治, 和辻哲郎の解釈学的行為論に見る「個人」的存在の可能性 : 「資格」と「徳」を手がかりに, 思想, 1061, 43-58, 2012.09.
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
主要学会発表等
学会活動
所属学会名
日本倫理学会
日本思想史学会
日本現象学会
哲学会
西日本哲学会
九州大学哲学会
日本比較文学会
東大比較文學會
学協会役員等への就任
2018.12~2024.12, 西日本哲学会, 評議員.
2016.03~2025.03, 九州大学哲学会, 評議員.
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2021.12.04~2021.12.04, 西日本哲学会第72回大会, 研究発表司会.
2021.06.12~2021.06.12, 日本比較文学会第83回全国大会, ワークショップ「SF的環境としての現代日本」ディスカッサント.
2018.12~2019.10, 日本倫理学会第70回大会, 課題設定委員.
2018.12.01~2018.12.01, 西日本哲学会第69回大会, 研究発表司会.
学会誌・雑誌・著書の編集への参加状況
2023.05~2023.06, 『西日本哲学年報』(西日本哲学会), 国内, 査読委員.
2019.06~2023.05, 『比較文学』(日本比較文学会), 国内, 編集委員.
2018.04~2024.03, 『哲学論文集』(九州大学哲学会), 国内, 編集委員.
学術論文等の審査
年度 外国語雑誌査読論文数 日本語雑誌査読論文数 国際会議録査読論文数 国内会議録査読論文数 合計
2023年度      
2022年度      
2021年度      
2020年度      
2019年度      
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2019年度~2023年度, 基盤研究(C), 代表, 和辻哲郎の倫理学理論の行為論的転回:「徳」に基づく知覚と行為の一体的構造.
2019年度~2019年度, 研究成果公開促進費, 代表, 『和辻哲郎の解釈学的倫理学』(学術図書).
2006年度~2008年度, 若手研究, 代表, 和辻哲郎の倫理学・思想史研究に関する比較哲学的考察.

九大関連コンテンツ

pure2017年10月2日から、「九州大学研究者情報」を補完するデータベースとして、Elsevier社の「Pure」による研究業績の公開を開始しました。