九州大学 研究者情報
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久保田 浩行(くぼた ひろゆき) データ更新日:2024.04.26



主な研究テーマ
生命現象のトランスオミクス解析
キーワード:トランスオミクス解析、システムズバイオロジー
2014.04~2024.06.
従事しているプロジェクト研究
老化研究支援・推進に関する研究開発
2022.10~2029.03, 代表者:南 康博, 神戸大学.
患者主体データの統合解析・発症・甲順・転移のネットワーク解析
2020.12~2025.11, 代表者:久保田 浩行, 九州大学, JST.
脂肪肝進行の時系列トランスオミクス解析による理解
2020.04~2023.03, 代表者:久保田 浩行, 九州大学.
定量的光操作と計測技術を基軸とする生体深部の細胞応答ダイナミクスの解析
2017.10~2023.03, 代表者:小澤 岳昌, 東京大学.
多階層に跨る生体シグナル伝達システムの数理解析
2016.07~2021.03, 代表者:久保田 浩行, 九州大学, 日本
生体内におけるインスリン作用の多階層ネットワークを明らかにし、その特性を数理モデルを作成することで明らかにする.
生体における動的恒常性維持・変容機構の解明と制御
2013.10~2017.03, 代表者:久保田 浩行, 九州大学, 日本
生体内における時間情報コードの存在を、インスリン作用に注目し実験とモデルを用いることで明らかにする。.
研究業績
主要著書
主要原著論文
1. Kubota H., Obata T., Ota K., Sasaki T., and Ito T., Rapamycin-induced translational derepression of GCN4 mRNA involves a novel mechanism for activation of the eIF2α kinase GCN2., J. Biol. Chem., 2003.06.
2. Kubota H., Ota K., Sakaki Y., and Ito T., Budding yeast GCN1 binds the GI domain to activate the eIF2α kinase GCN2., J. Biol. Chem., 2001.05.
3. Kubota H., Sakaki Y., and Ito T., GI domain-mediated association of the eukaryotic initiation factor 2α kinase GCN2 with its activator GCN1 is required for general amino acid control in budding yeast., J. Biol. Chem., 2000.07.
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. 久保田 浩行, システム生物学 -数理科学を用いる「いろは」とめざすもの-, 2017.06.
主要学会発表等
1. Kubota Hiroyuki, Revealing of time- and layer-dependent metabolic regulatory mechanisms by the trans-omic analysis. , The 41st Sapporo International Cancer Symposium, 2023.10.
2. 久保田 浩行、宇田 新介、松崎 芙美子、山内 幸代、黒田 真也, インスリンパターンによる生体内シグナル分子の選択的制御, 生命科学系学会合同年次大会, 2017.12.
3. Kubota H., Uda S., Matsuzaki F., Kuroda S, Trans-Omic analysis of the acute insulin action in the liver =Toward in vivo trans-omic analysis, The 1st International Symposium for Trans-Omics , 2017.11.
4. 久保田 浩行, トランスオミクス解析を用いたインスリン作用の理解, 日本心血管内分泌代謝学会, 2018.04, ある疾患など同一の生命現象を理解するために、多くの研究者が異なる少数の分子に注目して研究を行ってきた。そして、これらの結果をパッチワークのように張り合わせることでその生命現象を理解するという、帰納的なアプローチを主流として生命科学が発展してきた。しかし、このような帰納的なアプローチでは生命現象それ自体ではなく実験系などに依存した結果を得ることがある。実際に、多くの研究者が他の研究者の実験結果を再現できないということを経験してきたと思う。また、同じ生命現象に注目していても十分な情報が得られていないため、実験結果の解釈が異なる場合もある。
一方で、計測技術の進歩により、大量のデータから生命現象を理解するという演繹的なアプローチも数多く行われるようになってきた。「~オミクス」と呼ばれる網羅的な計測アプローチである。しかし、このような網羅的な計測で最もよく行われるのは「スクリーニング」であり、これらのデータから仮説を直接構築することはあまり行われていない。この理由として、得られたオームデータを十分に説明することができないことが挙げられる。
さて、疾患をはじめとする生命現象は限られた少数の分子によって制御されるのではなく、DNA(ゲノム)やRNA(トランスクリプトーム)、タンパク質(プロテオーム)、代謝物(メタボローム)など、複数のオミクス階層にまたがる複雑なネットワークによって制御されている。つまり、生命現象の全体像を理解するためには複数のオミクス階層を統合し、理解する必要がある。もし、研究者のバイアスなしに複数のオミクス階層を統合し、多階層にまたがるネットワークを同定できたなら、上記で述べた問題点を解決できるパワフルなアプローチになると期待される。我々は、アンバイアスな統合手法、「トランスオミクス解析」の確立とその手法の有用性を示すため、インスリン作用に注目して研究を行っている。
本発表では2つのトランスオミクス解析についてお話しする予定である。一つは、培養細胞を用いて1時間以内の短期インスリン作用に注目した研究である。この研究で我々は、リン酸化プロテオームとメタボロームの実験データと、複数のデータベースを用いることで、これらの階層にまたがる大規模なネットワークを同定することに成功した。この結果、既知のネットワーク以外に新規のネットワークも同定することに成功した。また、インスリンがどのように代謝を制御しているかという全体像を垣間見ることが出来た。もう一つは、マウスの肝臓を用いたインスリン作用のトランスオミクス解析についてである。これはまだ解析の途中ではあるが、今後の疾患研究へ向けた一つの方向性としてご紹介したい。
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5. 久保田 浩行, 宇田 新介, 松﨑 芙美子, 黒田 真也, Toward in vivo Trans-omic analysis, 日本プロテオーム学会, 2016.07, [URL], Cell system consists of a huge number of molecules across multiple “omic layers”, such as genome, transcriptome, proteome and metabolome layers. Therefore, in understanding the entire picture of the cell system, we need to integrate the multiple omic layers and reveal networks of the molecules across them. Recent advances in measurements of each omic layers enable us to extract information from multiple omic layers, so called “multiple omics analysis”. We now propose “trans-omic analysis” for reconstructing global comprehensive networks from multiple omics data [1]. Based on this concept, we reconstructed trans-omic networks from phospho-proteome and metabolome data using cultured cell line stimulated by insulin [2]. We are now developing a new method to integrate multiple omic layers including transcriptome and expression proteome in addition to phospho-proteome and metabolome data using mice administered with insulin. For “in vivo trans-omic analysis”, there are some problems to be solved. In this presentation, I want to talk and discuss about the problems and their solutions toward in vivo trans-omics analysis..
6. 久保田 浩行, 柚木 克之, 黒田 真也, Reconstruction of insulin signal flow from phospho-proteome and metabolome data, International Symposium on Synthetic Systems Biology, 2015.09.
学会活動
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2023.04.12~2023.04.12, ムーンショットシンポジウム, 座長.
2022.11~2023.06.16, The 31st Hot Spring Harbor International Symposium, 主催者.
2020.10.26~2020.10.28, 1. Fusion of Mathematics and Biology, Chairman.
2019.02.01~2019.02.02, 1. 1st international symposium on interdisciplinary approaches to integrative understanding of biological signaling networks , 座長.
2018.10.18~2019.10.19, The 28th Hot Spring Harbor International Symposium, 座長.
2015.01.23~2015.01.24, 2nd International Symposium on Protein Modification in Pathogenic Dysregulation of Signaling, 座長(Chairmanship).
学術論文等の審査
年度 外国語雑誌査読論文数 日本語雑誌査読論文数 国際会議録査読論文数 国内会議録査読論文数 合計
2017年度      
2018年度      
2019年度      
2020年度      
2021年度      
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2020年度~2023年度, 基盤研究(B), 代表, 脂肪肝進行の時系列トランスオミクス解析による理解.
2013年度~2014年度, 新学術領域研究, 代表, 数理モデルを用いた入力刺激パターンからの修飾シグナル病の理解.
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会以外)
2017年度~2023年度, 厚生労働科学研究費補助金 (厚生労働省), 分担, 定量的光操作と計測技術を基盤とする生体深部の細胞応答ダイナミクスの解析.
2013年度~2016年度, さきがけ, 代表, 血中インスリンの時間パターンによる恒常性維持機構の解明.
競争的資金(受託研究を含む)の採択状況
2020年度~2025年度, ムーンショット, 代表, 患者生体データの統合解析を通じた発症・浸潤・転移のネットワーク解析.
共同研究、受託研究(競争的資金を除く)の受入状況
2017.10~2023.03, 分担, 定量的光操作と計測技術を基軸とする生体深部の細胞応答ダイナミクスの解析.
2014.04~2017.04, 連携, インスリンシグナリングにおける時間情報コードのシステム解析.

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