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松森 信明(まつもり のぶあき) データ更新日:2020.05.20

教授 /  理学研究院 化学部門 無機分析化学講座


主な研究テーマ
生体分析化学
キーワード:生体膜、機器分析、バイオ分析
2014.07~2024.12.
従事しているプロジェクト研究
蛍光標識脂質を用いた脂質膜の動的秩序解析
2016.03~2018.03, 代表者:松森信明, 九州大学大学院理学研究院, 日本.
脂質ケミカルバイオロジーの創出
2015.04~2018.03, 代表者:松森信明, 九州大学, 九州大学.
ERATO脂質構造活性プロジェクト
2011.04~2016.03, 代表者:村田道雄, 大阪大学, 大阪大学
脂質分子の構造解析を通じて、機能分子である膜脂質や膜タンパク質の構造や動態を解明するための学術的基盤を作ることを目指しており、JST戦略目標「生命システムの動作原理の解明と活用のための基盤技術の創出」に資するものと期待されます。.
生体膜構成脂質の機能を探る小分子の再発見と作用機構の解明
2013.05~2017.03, 代表者:村田道雄, 大阪大学.
脂質ラフトにおける脂質分子の動的秩序解析
2014.04~2016.03, 代表者:松森信明, 九州大学.
海産梯子状ポリエーテル化合物イェッソトキシンの標的分子
2014.04~2016.03, 代表者:松森信明, 九州大学.
研究業績
主要著書
主要原著論文
1. Masanao Kinoshita, Kenichi G.N. Suzuki, Nobuaki Matsumori, Misa Takada, Hikaru Ano, Kenichi Morigaki, Mitsuhiro Abe, Asami Makino, Toshihide Kobayashi, Koichiro M. Hirosawa, Takahiro K. Fujiwara, Akihiro Kusumi, Michio Murata, Raft-based sphingomyelin interactions revealed by new fluorescent sphingomyelin analogs, Journal of Cell Biology, 10.1083/jcb.201607086, 216, 4, 1183-1204, 2017.04, [URL], Sphingomyelin (SM) has been proposed to form cholesterol-dependent raft domains and sphingolipid domains in the plasma membrane (PM). How SM contributes to the formation and function of these domains remains unknown, primarily because of the scarcity of suitable fluorescent SM analogs. We developed new fluorescent SM analogs by conjugating a hydrophilic fluorophore to the SM choline headgroup without eliminating its positive charge, via a hydrophilic nonaethylene glycol linker. The new analogs behaved similarly to the native SM in terms of their partitioning behaviors in artificial liquid order-disorder phase-separated membranes and detergent-resistant PM preparations. Single fluorescent molecule tracking in the live-cell PM revealed that they indirectly interact with each other in cholesterol- and sphingosine backbone-dependent manners, and that, for ~10-50 ms, they undergo transient colocalization-codiffusion with a glycosylphosphatidylinositol (GPI)-anchored protein, CD59 (in monomers, transient-dimer rafts, and clusters), in CD59-oligomer size-, cholesterol-, and GPI anchoring-dependent manners. These results suggest that SM continually and rapidly exchanges between CD59-associated raft domains and the bulk PM..
2. 松森 信明, Orientation and Order of the Amide Group of Sphingomyelin in Bilayers Determined by Solid-State NMR, BIOPHYSICAL JOURNAL, 10.1016/j.bpj.2015.05.011, 108, 12, 2816-2824, 2015.06.
3. 松森 信明, Deuterium NMR of Raft Model Membranes Reveals Domain-Specific Order Profiles and Compositional Distribution, BIOPHYSICAL JOURNAL, 10.1016/j.bpj.2015.04.008, 108, 10, 2502-2506, 2015.05.
4. 松森 信明, Axial Hydrogen at C7 Position and Bumpy Tetracyclic Core Markedly Reduce Sterol's Affinity to Amphotericin B in Membrane., Biochemistry, 10.1021/bi3009399, 51, 42, 8363–8370, 2014.12.
5. 松森 信明, Detailed Comparison of Deuterium Quadrupole Profiles between Sphingomyelin and Phosphatidylcholine Bilayers, BIOPHYSICAL JOURNAL, 10.1016/j.bpj.2013.12.034, 106, 3, 631-638, 2014.02.
主要総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
主要学会発表等
1. 松森 信明, Small molecule interactions with membrane sterol, Pacifichem2015, 2015.12.
2. 松森 信明, NMR studies of lipid rafts, Pacifichem2015, 2015.12.
3. 松森 信明, NMRによる生体膜ならびに膜作用生理活性物質の解析, 日本生化学会大会, 2014.10, 多数の薬物は膜タンパク質や脂質膜を標的としており、また近年では脂質ラフトと呼ばれる生体膜中の微小領域がシグナル伝達など重要な生理機能を担っていることが明らかとなるなど、脂質膜の詳細な解析の必要性が高まっている。我々はこれまで、有機合成とNMRを組み合わせて膜中における相互作用解析や構造解析を行ってきた。本講演では、バイセル、アンフォテリシンB (AmB)および脂質ラフトについて、我々の最近の研究を紹介する。
バイセル
バイセルは長鎖リン脂質と界面活性剤から構成される脂質複合体で、二重膜構造を有することから、ミセルよりもすぐれた膜モデルと考えられている。我々は、このバイセルに有機分子を含有させ、溶液NMRによる配座解析や膜中での存在位置決定を行ってきた1)。この方法論の確立により、イオノフォア抗生物質サリノマイシンのイオン輸送メカニズムの解析などを行ってきた2)。
アンフォテリシンB
真菌感染症治療に用いられるアンフォテリシンB(AmB)は、細胞膜のイオン透過性を昂進させることで抗真菌活性を発揮する。その選択毒性は、コレステロールよりも真菌細胞膜含有のエルゴステロールに対する高い親和性に起因する。しかし、脂質膜中におけるAmBとエルゴステロールの相互作用を直接観測した研究はまだない。そこで本研究ではまず2H標識したステロールを調製し、2H NMRによって脂質膜中での運動性を評価した。その結果、エルゴステロールの膜中での運動性はAmBとの共存によって顕著に低下するのに対し、コレステロールのそれは変化しなかった3)。これは膜中でのAmBとエルゴステロールの相互作用を直接示した最初の研究である。次にフッ素化AmBおよび13C標識エルゴステロールを用い、膜中で19Fと13Cの原子間距離を測定した。その結果、エルゴステロールとAmBが平行に相互作用した状態ばかりでなく、逆平行でも相互作用することが明らかとなった4)。
脂質ラフト
脂質ラフトはスフィンゴミエリン(SM)およびコレステロールを主成分とする細胞膜ドメインであり、特異的に集積した膜タンパク質を介したシグナル伝達のプラットホームとして機能していると考えられている。しかし、脂質ラフトは形成と離散を繰り返しているため、分子レベルでの相互作用解析はほとんど行われていない。本研究では、まず上述のバイセルをSMで調製し、SMの膜中での配座の決定に成功した5)。さらに位置特異的に重水素標識したSMを合成し、2H-NMR 測定からSMの動的挙動を詳細に解析するとともに6,7)、 13C及び15Nで標識したSMを調製し、固体NMR法による配向解析や分子間水素結合の観測を行った。これらの結果から、脂質ラフト形成の分子機構について考察する。
上記以外にも、蛍光顕微鏡を用いた脂質膜の観測や、脂質を固定化したビーズによる脂質結合タンパク質のスクリーニングを行っている。このように、膜タンパク質を含む生体膜における構造解析や相互作用解明に対して、NMRをはじめとした種々の分析手法を用いて多角的なアプローチを展開している。.
特許出願・取得
特許出願件数  3件
特許登録件数  1件
学会活動
所属学会名
日本ケミカルバイオロジー学会
日本核磁気共鳴学会
Biophysical Society
日本分析化学会
American Chemical Society
日本化学会
学協会役員等への就任
2020.04~2021.03, 日本分析化学会 九州支部, 常任幹事.
2015.04~2016.03, 日本分析化学会 九州支部.
2018.04~2020.03, 日本分析化学会, 代議員.
2015.04~2020.03, 日本分析化学会 九州支部, 幹事.
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2020.06.08~2020.06.10, 第15回ケミカルバイオロジー学会年会, 実行委員会.
2019.05.18~2019.05.19, 第79回分析化学討論会, 実行委員会.
2017.10.09~2017.10.10, International Seminar on Biophysics and Chemical Biology of Biomembrane and Lipid Bilayers, 座長.
2016.09.14~2016.09.16, 日本分析化学会第65年会, 座長(Chairmanship).
2014.03.27~2014.03.30, 日本化学会年会, 座長(Chairmanship).
2015.09.09~2015.09.12, 日本分析化学会第64年会, 実行委員.
学会誌・雑誌・著書の編集への参加状況
2012.04~2014.03, 日本核磁気共鳴学会誌, 国内, 編集委員.
学術論文等の審査
年度 外国語雑誌査読論文数 日本語雑誌査読論文数 国際会議録査読論文数 国内会議録査読論文数 合計
2020年度
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
その他の研究活動
海外渡航状況, 海外での教育研究歴
Abo Akademi University, Finland, 2017.12~2017.12.
慶州, Korea, 2016.11~2016.11.
Honolulu, UnitedStatesofAmerica, 2015.12~2015.12.
University of Michigan, UnitedStatesofAmerica, 2013.07~2013.07.
外国人研究者等の受入れ状況
2018.03~2018.03, Abo Akademi University, Finland.
2017.09~2017.09, 2週間未満, National Tsing Hua University, Taiwan.
2017.03~2017.03, Abo Akademi University, Finland.
2016.10~2016.10, 2週間未満, Åbo Akademi University, Finland.
2015.10~2015.10, 2週間未満, Åbo Akademi University, Finland, 大阪大学.
受賞
井上研究奨励賞, 井上科学振興財団, 1998.02.
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2020年度~2024年度, 基盤研究(A), 代表, 脂質ケミカルバイオロジー研究基盤の構築.
2020年度~2024年度, 基盤研究(A), 分担, 脂質2重膜の化学-物理変換機構が媒介するチャネル制御機構.
2020年度~2020年度, 新学術領域研究(研究領域提案型), 代表, 脂質が関与する化学コミュニケーション解明のための脂質認識天然物リガンドの探索.
2018年度~2019年度, 挑戦的研究(萌芽), 代表, 脂質ラフト阻害アッセイ法の開発と阻害剤の探索.
2016年度~2017年度, 新学術領域研究, 代表, 蛍光標識脂質を用いた脂質膜の動的秩序解析.
2015年度~2017年度, 基盤研究(B), 代表, 脂質ケミカルバイオロジーの創成.
2013年度~2017年度, 基盤研究(A), 分担, 生体膜構成脂質の機能を探る小分子の再発見と作用機構の解明.
2014年度~2015年度, 新学術領域研究, 代表, 脂質ラフトにおける脂質分子の動的秩序解析.
2014年度~2015年度, 新学術領域研究, 代表, 海産梯子状ポリエーテル化合物イェッソトキシンの標的分子.

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