九州大学 研究者情報
発表一覧
細川 貴弘(ほそかわ たかひろ) データ更新日:2024.04.01

准教授 /  理学研究院 生物科学部門


学会発表等
1. 嶋田正和、山道真人、山中武彦、細川 貴弘, 2つのパッチを移住する1宿主-2共生者系の動態:非同調による多様性維持, 第71回日本生態学会大会, 2024.03.
2. 松本 くるみ、古賀 隆一、細川 貴弘, 外来種マツヘリカメムシにおけるRickettsiaの感染状況, 第68回日本応用動物昆虫学会大会, 2024.03.
3. 細川貴弘、中脇琢磨、渡邊修人, ツチカメムシと腸内細菌の共生関係維持機構, 三学会合同大会(佐賀大会), 2023.05.
4. 中脇琢磨、渡邊修人、細川貴弘, ツチカメムシMacroscytus japonensis における成長に必須な共生細菌の環境獲得, 第67回日本応用動物昆虫学会大会, 2023.03.
5. 細川貴弘, カメムシ類と腸内細菌の共生システム, 第134回日本森林学会大会, 2023.03.
6. 細川貴弘, カメムシ類における共生細菌垂直伝播時の精巧な行動, ERATO深津共生進化機構プロジェクト公開シンポジウム「延長された表現型の機構解明〜生物がいかにして他の生物を改変、操作するのか〜」, 2023.02.
7. 細川貴弘、西村航(九大・シス生)、工藤慎一、村上貴弘, エサキモンキツノカメムシにおけるメス親の卵塊防衛, 三学会合同大会(佐賀大会), 2022.06, ツノカメムシ科ではメス親が上に覆いかぶさる形で卵塊を保護する。この保護行動の適応的意義に関する定量的な研究はElasmucha属のみを対象としており、他属においては保護行動の断片的な報告しかない。最近の分子系統解析によって、ツノカメムシ科におけるメス親による子の保護は属ごとに独立に進化したことが明らかにされている。したがってElasmucha属以外の保護行動の適応的意義には再検討の余地がある。本研究ではSastragala属のエサキモンキツノカメムシにおける卵塊保護の適応的意義の解明および卵の捕食者の特定をおこなった。野外集団において卵塊からメス親を除去したところ、メス親を除去しない場合に比べて卵の生存率が有意に低くなった。また、メス親除去に加えて徘徊性捕食者を排除した実験では卵の生存率が有意に高くなった。メス親を除去した卵塊では卵の消失および損傷が確認され、その一因としてアリ類およびハナカメムシ類による捕食が観察された。また、今回の調査では卵寄生蜂による寄生はまったく観察されなかった。実験室内での行動観察では、メス親の体の傾けや羽ばたきがアリ類に対する防衛に有効であることが明らかとなった。.
8. 鐘ヶ江正恵、今西萌美、細川貴弘, ミヤコキンカメムシの共生細菌の種内多型, 第66回日本応用動物昆虫学会大会, 2022.03.
9. 中脇琢磨、渡邊修人、細川貴弘, チャバネアオカメムシの共生細菌はなぜ南西諸島集団だけで多様化したのか?, 第66回日本応用動物昆虫学会大会, 2022.03.
10. 西村航、工藤慎一、細川貴弘, エサキモンキツノカメムシにおけるメス親の卵塊保護行動の意義, 第65回日本応用動物昆虫学会大会, 2021.03.
11. 細川貴弘,今西萌美, チャバネアオカメムシの野外集団では共生細菌の置換が進行しているか?:10年前と現在の比較, 第65回日本応用動物昆虫学会大会, 2021.03.
12. 西村航、工藤慎一、細川貴弘, エサキモンキツノカメムシのメス親は何から卵を守っているのか?, 第39回日本動物行動学会大会, 2020.11.
13. 細川貴弘、今西萌美、深津武馬, キンカメムシ類における腸内共生細菌の多様化と進化, 第64回日本応用動物昆虫学会大会, 2020.03.
14. 西村航、工藤慎一、細川貴弘, エサキモンキツノカメムシのメス親はなぜ子を保護するのか, 第64回日本応用動物昆虫学会大会, 2020.03.
15. 渡邊修人、細川貴弘, ツチカメムシ類(Macroscytus属)は腸内共生細菌を垂直伝播するか?, 第64回日本応用動物昆虫学会大会, 2020.03.
16. 細川貴弘、渡邊修人、深津武馬, カメムシの共生細菌になれる細菌となれない細菌の比較, 日本進化学会第20回大会, 2018.08.
17. 今西萌美、西出雄大 、深津武馬、細川貴弘 , カメムシが複数種の細菌と同時に共生しないのはなぜか, 日本進化学会第20回大会, 2018.08.
18. 渡邊修人、細川貴弘, ツチカメムシ類(Macroscytus属)における腸内共生細菌の多様性, 第63回日本応用動物昆虫学会大会, 2019.03.
19. 今西萌美、西出雄大、深津武馬、細川貴弘, 昆虫の共生器官に複数種の細菌が同時共生しない理由-ボトルネック仮説の検証-, 第63回日本応用動物昆虫学会大会, 2019.03.
20. 渡邊修人、深津武馬、細川貴弘, チャバネアオカメムシの共生細菌になれる環境細菌となれない環境細菌の違い, 日本応用動物昆虫学会, 2018.03.
21. 今西萌美、西出雄大、細川貴弘, 複数種の細菌と同時共生しているカメムシはなぜ少ないのか, 日本応用動物昆虫学会, 2018.03.
22. 細川貴弘, チャバネアオカメムシの必須共生細菌の種内多型とその起源, 日本進化学会, 2016.08.
23. 今西萌美、細川貴弘, ミナミアオカメムシではなぜ共生細菌の種内多型が生じていないのか?, 応用動物昆虫学会, 2017.03.
24. 細川貴弘, カメムシ上科における共生細菌の垂直伝播機構および共生細菌の置換実験, 日本応用動物昆虫学会, 2018.03.
25. 細川 貴弘, 石井佳子, 深津武馬, 南西諸島のカメムシ類における必須共生細菌の種内多型はどのようにして生じたか, 日本進化学会, 2015.08, 成長や繁殖に必須な共生微生物を体内に保持し、垂直伝播によって維持している昆虫は多い。このような共生系では宿主昆虫と共生微生物の共種分化と共進化によって、各宿主に種特異的な共生微生物が進化しているのが一般的である。ところが我々は、南西諸島に生息するチャバネアオカメムシの必須共生細菌には著しい種内多型が存在するという前代未聞の現象を発見した。この共生細菌多型の形成過程を解明するために大規模な野外サンプリング、分子系統解析、飼育実験をおこなったところ、チャバネアオカメムシの必須共生細菌と同等の生物機能をもった自.
26. 細川 貴弘, 石井佳子, 深津武馬, チャバネアオカメムシの必須共生細菌の多型はいかにして生じたか?, 日本生態学会, 2015.03, 成長や繁殖に必須な共生微生物を体内に保持し、親から子への垂直伝播によって維持している昆虫は多い。このような共生系においては、宿主昆虫と共生微生物の間の共種分化と共進化によって各宿主に種特異的な共生微生物が進化しているのが一般的である。ところが我々はチャバネアオカメムシの必須共生細菌には著しい種内多型が存在するという前代未聞の現象を発見した。本講演ではこの共生細菌多型の形成過程と維持機構を解明するためにおこなった一連の飼育実験について報告する。まず、これまでに見つかっている6タイプの共生細菌の生物的機能に違いがあるかどうかを明らかにするために共生細菌の相互入れ換え実験をおこなったところ、共生細菌を入れ換えたカメムシも正常に成長・繁殖した。したがって6タイプの共生細菌は同等の生物的機能を持つと考えられた。次に、共生細菌に近縁なPantoea属の自由生活細菌(土壌から単離されたP. dispersaとヒトの傷口から単離されたP. agglomerans)をそれぞれカメムシと共生させたところ、驚くべきことに宿主カメムシは正常に成長・繁殖した。この結果は、外環境中に生息するPantoea属の自由生活細菌の一部もカメムシの共生細菌と同等の生物的機能を持つことを示している。カメムシの生息地の土壌細菌群集の解析から、6タイプの共生細菌のうち少なくとも3タイプは土壌中に自由生活細菌として存在していることが明らかとなった。以上の結果から、外環境中の自由生活細菌がカメムシ体内に侵入し、元の共生細菌と繰り返し置き換わることで共生細菌の多型が生じたと考えられた。昆虫類の必須共生微生物の起源を示唆する重要な発見である。.
27. 細川 貴弘, 向井裕美, 棚橋薫彦, 立川周二, 深津武馬, ノコギリカメムシのメスの後脚に共生する菌類と産卵時の行動, 日本応用動物昆虫学会, 2015.03, 多くの昆虫類において親は子の生存率を高めるためにさまざまな方法で子の世話をする。カメムシ類では卵の保護、栄養卵の供給、必須共生細菌を含む分泌物の供給、子への給餌などが知られている。本講演ではノコギリカメムシにおいて新たに発見した非常にユニークなメス親の行動について報告する。本種の後脚脛節には性的二型が見られ、メスではその一部が幅広く発達していた。また、この拡幅部位には性成熟にともなって菌類の菌糸束が見られるようになった。産卵時の行動を観察したところ、メス親は卵を産んだ後に後脚脛節上の菌を反対側の後脚のふ節でかきとって卵に付けた。この行動は左右交互に約2分間にわたって続き、卵を一個産下するたびに必ず繰り返された。菌を接種された卵の表面からは数日のうちにおびただしい数の菌糸が伸長して最終的には卵塊全体を被うまでに成長した。一方、メスの後脚脛節を切除することによって菌の接種を妨げると卵から菌糸が伸長することはなかった。分子系統解析の結果から、共生菌はバッカクキン科に属する子嚢菌であることが明らかになった。このメス親の行動が子の世話として機能している可能性について議論する。.

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