九州大学 研究者情報
総説一覧
池永 直樹(いけなが なおき) データ更新日:2024.04.10

講師 /  九州大学病院 胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科


総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. 梁井公輔, 壬生隆一, 池永直樹, 植木隆, 八尾隆史, 田中雅夫, 経肛門的切除術により排便障害が改善した隆起型直腸粘膜脱症候群の1例, 日本臨床外科学会雑誌, 65(12):3236-3240, 2004.04, 症例は16歳男性.幼少時より認めていた下痢,下血,排便時間延長の増悪のため近医を受診した.大腸内視鏡,注腸造影で下部直腸に腫瘍性病変を認め,当科紹介入院となった.当院での大腸内視鏡,注腸造影では,下部直腸に結節状,棍棒状の小隆起の集簇を全周性に認めた.生検では直腸粘膜脱症候群(MPS)の診断であった.排便造影では直腸重積と会陰下降度の増加,直腸肛門内圧検査では最大耐容量の低下を認めた.隆起型のMPSによる残便感から排便時間延長をきたしたものと考え,経肛門的腫瘤切除術を行った.術後,残便感は消失し排便障害も改善した.隆起型のMPSで,病変の存在自体が残便感の原因となっている場合は,経肛門的切除術が有効な治療法の一つと考えられた..
2. 池永直樹, 西原一善, 勝本富士夫, 松永浩明, 那須俊史, 大城由美, 中守真理, 豊島里志, 小野稔, 光山昌珠, 腺管構造と間質の高度の腺維化を有した小型非機能性膵内分泌腫瘍の1例, 日本消化器外科学会雑誌, 38(6):673-678, 2005.04, 症例は50歳の女性で,全身倦怠感を主訴に近医を受診した.腹部超音波検査で膵体部に径1cmの腫瘍を認め,当院紹介となった.腹部CTでは膵体部に造影効果のある径1cmの腫瘍を認め膵内分泌腫瘍が疑われたが,腹部MRIではT1,T2強調像ともに低信号であり,膵内分泌腫瘍としては非典型的な所見であった.血清CA19-9が1,459.2U/mlと高値であり,膵管癌の可能性も否定できず,外科的切除を施行した.病理組織検査で腫瘍細胞は膵島類似の索状配列をなし,一部に腫瘍細胞と連続して腺管構造を伴っていた.また,間質が高度に線維化しており,これがMRI T2強調像で腫瘍が低信号を示した原因と考えられた.免疫染色では内分泌細胞の部分がグルカゴンに陽性,腺管構造の部分がCA19-9染色に陽性を示し,非機能性膵内分泌腫瘍と診断した.膵内分泌腫瘍の起源に関しては諸説有るが,内分泌腫瘍細胞と腺管組織が連続性を持つことより膵内分泌腫瘍の起源として多分化能を持つ膵管上皮が考えられた(著者抄録).
3. 池永直樹, 阿部祐治, 田辺嘉高, 松永浩明, 井原隆昭, 本岡慎, 胃癌術後6年目に4型大腸癌様の発育を呈した転移性直腸癌の1例, 外科, 67(8):986-990, 2005.04, 67(8):986-990.
4. 池永直樹, 阿部祐治, 西原一善, 松永浩明, 中守真理, 山本一郎, 光山昌珠, 混合型肝癌4例の検討, 日本臨床外科学会雑誌, 67(1):144-151, 2006.04.
5. 池永直樹, 大谷和広, 内山周一郎, 大内田次郎, 千々岩一男, 先天性肝線維症による脾機能亢進症に対し脾摘を施行し、術後に門脈血栓症を併発した1例, 消化器外科, 31(7):1177-1182, 2008.04, Abstract:22歳女。中学生の頃より汎血球減少を認めた。腹部CT検査で肝腫大、脾腫大、門脈系血管の怒張を認め、上部消化管内視鏡検査で食道静脈瘤を認めた。経皮的肝生検で門脈域の線維性拡大と細胆管の増生を認め、先天性肝線維症と診断した。脾機能亢進症に対する治療目的で紹介入院した。先天性肝線維症に伴う脾機能亢進症と診断し、汎血球減少の改善と食道胃静脈瘤の再発を防ぐ目的で用手補助下腹腔鏡下脾摘出術を施行した。術後1週間目の腹部CT検査で肝内門脈、肝外門脈、脾静脈に血栓を認め、血栓溶解療法、抗凝固療法を開始した。術後3週間目の腹部CT検査で、門脈内血栓の縮小を認め、症状もないため退院した。また、汎血球減少は改善し、食道静脈瘤の再発はなく、胃静脈瘤も消失した。術後2ヵ月半の現在、門脈内の血栓はさらに縮小し、腹部症状もなく良好に経過した。
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6. 池永直樹, 千々岩一男, 甲斐真弘, 佐野浩一郎, 大谷和広, 内山周一郎, Caroli病診断の30年後に肝内胆管細胞癌を発症した1例, 臨床外科, 63(7):991-997, 2008.04, Abstract:70歳男。30年前にCaroli病と診断され、胆嚢摘出術および総胆管損傷によるTチューブ留置を施行し、年1回の腹部CT検査と半年に1回の腹部超音波検査、3ヵ月に1回の腫瘍マーカーチェックで経過観察していた。年1、2回の胆管炎に対して保存的加療で軽快していたが、2007年2月にCA19-9の上昇を認めた。γ-GTPが軽度上昇していたが、肝機能はchild分類Aであった。腹部超音波により、肝S2に54×41×39mm大の境界不明瞭なhypoechoic massを認めた。腹部CTにより、肝内胆管の嚢胞状拡張および両側多発腎嚢胞を認め、肝S2に辺縁に造影効果を伴う乏血性の腫瘍を認めた。以上の所見から、肝内胆管癌と考えた。門脈亢進症の所見は認めなかった。ERCPにより、肝両葉の末梢肝内胆管の分節状、嚢状拡張と腫瘍によるB2途絶を認めた。以上から、Caroli病に合併した肝内胆管細胞癌と診断し、肝左葉切除術を予定した。開腹にて、肝臓は肝線維症所見で硬く腫大し、腫瘍は一部肝外側に突出し、小網内に播種結節を認めたため、根治切除不能と判断し、閉腹した。病理所見より腫瘍細胞が間質の著明な線維化を伴いながら腺管構造を形成・増殖しており、低分化型腺癌と診断した。術後のTS-1/GEM併用療法で腫瘍マーカーは一時的に低下したが再度増加し、術後7ヵ月現在は腫瘍の増大とドレーン抜去部の播種性結節を認め、外来化学療法中である。

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7. 簑原沙和, 池永直樹, 許斐裕之, 大城戸政行, 一宮仁, 穿孔部が自然閉鎖した鶏骨による小腸穿孔の1例, 日本臨床外科学会雑誌, 78(5):1004-1007, 2017.04, Abstract:消化管異物の多くは自然排泄されるが,時に穿孔をきたし外科的治療が必要となる.今回われわれは,腹腔鏡手術が有用だった鶏骨による小腸穿孔,汎発性腹膜炎の1例を経験した.症例は50歳の女性.前日に手羽先を食べ,腹痛が出現した.CTで小腸を貫く線状高吸収物を認め,鶏骨による穿孔性腹膜炎と診断し緊急手術を行った.腹腔鏡で観察すると腹腔内は広範に腸液で汚染されており,汎発性腹膜炎の所見であった.回腸に膿苔の付着と回腸同士の癒着を認め鶏骨による穿孔部と思われたが,穿孔部は既に自然閉鎖していた.4cmの小開腹をおき回腸を体外に挙上し鶏骨を探索すると,穿孔部より肛門側50cmの位置に鶏骨を認めた.同部から鶏骨を用手的に直接摘出し,摘出孔をZ縫合で閉鎖した.骨片による小腸穿孔,腹膜炎は腸切除せずに治癒しうる症例もあり,腹腔鏡手術は低侵襲で効果的な治療法である..
8. 池永直樹, 前山良, 許斐裕之, 一宮仁, “対側アプローチ”によるTAPP法を施行した再発鼠径ヘルニアの1例, 日本内視鏡外科学会, 10.11477/mf.4426200586, 23(4):551-555, 2018.04, Abstract:<文献概要>腹膜前修復法後の再発鼠径ヘルニアを,反対側鼠径部よりアプローチするTAPP法で修復した.患者は47歳,男性.2年前に左内鼠径ヘルニアをDirect Kugel法で修復されていた.今回,左鼠径ヘルニア再発と右鼠径ヘルニア初発に対しTAPP法を行った.左鼠径部に前回の人工補強材が透見され,その恥骨頭側に2cmのヘルニア門を認めた.右鼠径部にはII-2型ヘルニアを認め,通常のTAPP法に準じて右鼠径部の腹膜を切開し右ヘルニア門を露出した.そのまま膀胱上腔を越えて腹膜前腔の剥離を左方へと進め,左のヘルニア門を露出した.両ヘルニア門をメッシュで一括に被覆し修復した.癒着のない反対側から行う"対側アプローチ"は,再発側のヘルニア門露出が容易で再発側の腹膜閉鎖も要らず,有効な術式となりうる..
9. 林昌孝, 池永直樹, 仲田興平, 森泰寿, 中村雅史, 膵頭十二指腸切除を行った腹腔動脈起始部狭窄を伴う門脈輪状膵の1例, 日本臨床外科学会雑誌, DOI無し, 82(11):2068-2073, 2021.04, Abstract:症例は53歳の男性で,膵頭部に膵管内乳頭粘液性腫瘍があり,膵液細胞診でclassIVを認め切除となった.CTで腹腔動脈起始部狭窄と門脈輪状膵を認めた.手術では正中弓状靱帯を切離し,胃十二指腸動脈と背側膵動脈のクランプテストで肝血流の維持を確認した.膵は門脈輪状膵の形態であり,主膵管が門脈背側を走向していたため,再建を考慮し,まず上腸間膜動脈レベルで膵の切離を行った.続いて,門脈腹側で自動縫合器を用いて膵を切離し観音開きとし,門脈左縁・背側を取り囲む膵を剥離した.最後に,門脈右縁に流入する静脈と膵頭神経叢を切離し,膵頭十二指腸切除を完了した.診断は膵管内乳頭粘液性腺癌であり,術後膵液漏を認めたが保存的に軽快した.膵頭十二指腸切除の際には腹腔動脈起始部狭窄や門脈輪状膵を含めた様々な解剖学的変異を術前から注意して評価し,術後の臓器虚血や膵液漏の予防,再建を考慮した膵切除術を行うことが肝要である.(著者抄録).
10. 廣高健斗, 森泰寿, 大塚隆生, 渡邉雄介, 池永直樹, 仲田興平, 中山智博, 崎濱久紀子, 松田諒太, 小田義直, 中村雅史, 術前画像で疑いえたセロトニン産生性膵神経内分泌腫瘍の 1 切除例, 日本消化器外科学会雑誌, 10.5833/jjgs.2020.0028, 54(2):133-140, 2021.04, 症例は 45 歳の女性で,健診の US で膵頭部の主膵管狭窄と尾側膵管の拡張を指摘された.CT,MRI で
主膵管狭窄部に 4 mm の早期濃染を呈する多血性腫瘤を認めたが,超音波内視鏡下穿刺吸引法および ERCP
下に行った細胞診では確定診断に至らなかった.腫瘤は境界明瞭で早期濃染を呈していることから膵神経
内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine tumor;以下,PanNET と略記)と診断した.さらに,腫瘍径が小さ
いにもかかわらず主膵管狭窄を伴うことからセロトニン産生性 PanNET を疑い,腹腔鏡補助下膵頭十二指
腸切除術を施行した.最終病理診断ではセロトニン産生性 PanNET であった.
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11. 小山虹輝, 森泰寿, 大塚隆生, 渡邉雄介, 池永直樹, 仲田興平, 荻野治栄, 小田義直, 中村雅史, 十二指腸内憩室に対して外科的切除を行った1 例, 日本消化器外科学会雑誌, 10.5833/jjgs.2020.0043, 54(3):184-192, 2021.04.
12. 山本真大, 井手野昇, 阿部俊也, 池永直樹, 仲田興平, 中村雅史 , 膵頭十二指腸切除術後の腹腔動脈起始部狭窄の増悪に対し緊急正中弓状靭帯切開術を施行した1例, 日本消化器外科学会雑誌, DOI無し, 55(11):684-691, 2022.04.
13. 阿部俊也, 仲田興平, 重松慶一, 中村聡, 井手野昇, 池永直樹, 藤森尚, 笠普一朗, 島田有貴, 小田義直, 中村雅史, 術前に診断しえた膵頭部神経鞘腫に対して 腹腔鏡下核出術を施行した 1 例, 膵臓, 10.2958/suizo.38.279, 38(4):279-285, 2023.04, 要 旨:症例は 48 歳,女性,腹痛を主訴に近医を受診し,腹部超音波検査で膵頭部腫瘤を 指摘され,精査加療目的に当院を紹介され受診した.造影 CT で膵頭部に 15 mm 大の遅延 性に増強される充実性腫瘤を認め,MRI の T2 強調画像で高信号を示し,EUS では膵頭部 に境界明瞭な 15 mm 大の低エコー腫瘤を認め,画像上は神経内分泌腫瘍や充実性偽乳頭状 腫瘍が鑑別診断に挙げられた.EUS―FNB による生検で束状に増殖した紡錘形細胞を認め, 免疫染色で S―100 蛋白陽性であることから膵神経鞘腫と診断した.経過観察も検討された が,核出術での摘出が可能,かつ,症状消失が期待されたため,切除を選択し,腹腔鏡下 膵腫瘍核出術を施行した.術後合併症を認めず第 12 病日に退院となった.最終病理診断も 膵神経鞘腫の診断であった.術後に腹痛は消失し,術後 1 年経過し,再発を認めていない..
14. Ikenaga N, Yamaguchi K, Konomi H, Fujii K, Sugitani A, Tanaka M, A minute nonfunctioning islet cell tumor demonstrating malignant features.
, J Hepatobiliary Pancreat Surg, 12(1):84-87, 2005.04, We report a patient with a minute nonfunctioning islet cell tumor, 8 mm in diameter, which demonstrated malignant features by histology. The patient was a 43-year-old Japanese woman, who had an elevated carbohydrate antigen (CA) 19-9 level, of 59 U/ml (normal range,
15. Otani K, Chijiiwa K, Kondo K, Tsuchimochi M, Takahashi N, Ikenaga N, Ohuchida J, Tanaka H, Kataoka H , Enlarged solitary necrotic nodule of the liver misinterpreted as a metastatic liver cancer, Clin J Gastroenterol, 10.1007/s12328-009-0103-y, 2(5):355-360, 2009.04.
16. Uchiyama S, Imamura N, Hidaka H, Maehara N, Nagaike K, Ikenaga N, Hotokezaka M, An unusual variant of a left paraduodenal hernia diagnosed and treated by laparoscopic surgery: report of a case, Surg Today, 39(6):533-535, 2009.04, An 80-year-old woman who had undergone both a cholecystectomy and an appendectomy presented with intermittent abdominal pain. Computed tomography (CT) revealed an encapsulated circumscribed cluster of jejunal loops in the left upper quadrant. The hernia orifice was adjacent to the left side of the superior mesenteric artery and vein. An upper gastrointestinal series also revealed a cluster of jejunal loops, suggesting the possibility of an internal hernia. Laparoscopic surgery was performed. The hernia orifice was found to be caused by abnormal adhesion between the transverse mesocolon and the jejunum mesentery. An adhesiotomy reduced the jejunum entrapped in the hernia. The hernia space was a large mesocolic fossa composed of transverse mesocolon and mesentery, continuing to the splenic flexure. The hernia was classified as a variant of paraduodenal hernia..
17. Ikenaga N, Chijiiwa K, Otani K, Ohuchida J, Uchiyama S, A case of peribiliary cyst presenting with obstructive jaundice, J Gastrointest Surg, 13(1):174-176, 2009.04, A 77-year-old woman with a complaint of itching was shown to have an elevated serum bilirubin level. She had no history of liver disease. Computed tomography and magnetic resonance cholangiopancreatography revealed a 17-mm-diameter cystic lesion obstructing the main hepatic duct at the hepatic hilum. Drip infusion cholangiographic computed tomography and endoscopic retrograde cholangiography showed that the cyst did not communicate with the biliary tree; thus, a peribiliary cyst was diagnosed. Cystectomy was performed, and the jaundice resolved. Peribiliary cysts are generally asymptomatic and rarely cause obstructive jaundice. They are usually multiple and caused by an underlying liver disorder with a poor prognosis. Our case suggests that peribiliary cysts can arise in healthy liver and cause symptoms. Cystectomy is the treatment of choice if the cyst is solitary..
18. Hisano K, Ueki T, Kono H, Ikenaga N, Maeyama R, Konomi H, Okido M, Yamashita N, Motoshita J, Ichimiya H, Laparoscopic high anterior resection for triple colorectal cancers with persistent ascending and descending mesocolons: A case report, Asian J Endosc Surg, 10.1111/ases.12637 , 12(3):329-333, 2019.04, Abstract
Persistent mesocolon is an embryological anomaly of the colon resulting from failure of the primitive dorsal mesocolon to fuse with the parietal peritoneum. We herein present a case of laparoscopic high anterior resection for triple colorectal cancers with persistent ascending and descending mesocolons and a right-bound inferior mesenteric artery. Preoperative 3-D CT demonstrated that the sigmoid colon had shifted to the right abdomen and was located under the ascending colon. Moreover, the inferior mesenteric artery and vein traveled toward the right abdomen accompanied by the mesentery of the descending colon. Adhesiolysis between the ascending and sigmoid colon was initially performed, and the sigmoid colon was placed in its normal position. The inferior mesenteric artery was then divided with lymph node dissection using a medial approach, and high anterior resection was completed. An understanding of the anatomical characteristics of persistent mesocolon is important to ensure safe laparoscopic surgery.
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19. Sayuri Hayashida, Naoki Ikenaga, Kohei Nakata, So Nakamura, Toshiya Abe, Noboru Ideno, Makoto Endo, Shoko Noguchi, Yoshinao Oda, Masafumi Nakamura, Repeated robotic pancreatectomy for recurrent pancreatic metastasis of mesenchymal chondrosarcoma: A case report, Asian J Endosc Surg, 10.1111/ases.13240, 16(4):795-799, 2023.04, Abstract
Mesenchymal chondrosarcoma is a rare subset of sarcomas accounting for 3%-10% of all cases of chondrosarcomas. Radical resection is the only curative strategy, even in patients with metastatic tumors. However, data regarding treatment strategies remain limited owing to the small number of cases. Herein, we report a patient who underwent repeated robotic pancreatectomy for recurrent pancreatic metastasis originating from extraskeletal mesenchymal chondrosarcoma of the pelvis. First, robotic pancreaticoduodenectomy with a reconstruction of pancreaticogastrostomy was performed for synchronous pancreatic metastasis 5 months after the primary resection of mesenchymal chondrosarcoma. Ten months after robotic pancreaticoduodenectomy, tumor recurrence was observed at the tail end of the pancreas, which was removed by reperforming robotic distal pancreatectomy. Given the precise tissue manipulation that can be achieved with robotic articulated forceps, the peripheral splenic artery and pancreas were easily isolated and divided in close proximity to the tumor. The central part of the pancreas was preserved. Robotic surgery allowed safe and effective resection of the reconstructed remnant pancreas. The patient survived for 28 months after primary tumor resection. Repeated pancreatectomy with minimally invasive techniques is a feasible and curative treatment for metastatic mesenchymal chondrosarcoma.
Keywords: mesenchymal chondrosarcoma; robotic distal pancreatectomy; robotic pancreaticoduodenectomy..
20. Sanshiro Hatai, Keizo Kaku, Shinsuke Kubo, Yu Sato, Hiroshi Noguchi, Yasuhiro Okabe, Naoki Ikenaga, Kohei Nakata, Masafumi Nakamura, Reconstruction with the right gastroepiploic vein during pancreaticoduodenectomy and total pancreatectomy to prevent left-sided portal hypertension: a report of two cases, Surgical Case Reports, 10.1186/s40792-023-01773-x, 9(1):200, 2023.04, Background:
Left-sided portal hypertension including gastric venous congestion may be caused by ligating the splenic vein during pancreaticoduodenectomy with portal vein resection or total pancreatectomy. The usefulness of reconstruction with the splenic vein has been reported in such cases. However, depending on the site of the tumor and other factors, it may be impossible to leave sufficient length of the splenic vein, making anastomosis difficult. We report two patterns of reconstruction with the right gastroepiploic vein during pancreaticoduodenectomy and total pancreatectomy to prevent left-sided portal hypertension.

Case presentation:
The first patient was a 79-year-old man who underwent pancreaticoduodenectomy for pancreatic cancer. The root of the splenic vein was infiltrated by the tumor, and we resected this vein at the confluence of the portal vein. Closure of the portal vein was performed without reconstruction of the splenic vein. To prevent left-sided portal hypertension, we anastomosed the right gastroepiploic vein to the middle colic vein. Postoperatively, there was no suggestion of left-sided portal hypertension, such as splenomegaly, varices, and thrombocytosis.
The second case was a 63-year-old woman who underwent total pancreatectomy for pancreatic cancer. The splenic vein-superior mesenteric vein confluence was infiltrated by the tumor, and we resected the portal vein, including the confluence. End-to-end anastomosis was performed without reconstruction of the splenic vein. We also divided the left gastric vein, left gastroepiploic vein, right gastroepiploic vein, and right gastric vein, which resulted in a lack of drainage veins from the stomach and severe gastric vein congestion. We anastomosed the right gastroepiploic vein to the left renal vein, which improved the gastric vein congestion. Postoperatively, imaging confirmed short-term patency of the anastomosis site. Although the patient died because of tumor progression 8 months after the surgery, no findings suggested left-sided portal hypertension, such as varices. Reconstruction with the right gastroepiploic vein during pancreaticoduodenectomy and total pancreatectomy is useful to
prevent left-sided portal hypertension..
21. Keigo Ozono, Kiwa Son, Kenta Momii, Yoshihiro Morifuji, Naoki Ikenaga, Masafumi Nakamura, Severe hemothorax due to traumatic fracture of thoracic vertebra, Surg Case Rep, 10.1186/s40792-024-01819-8, 10(1):26, 2024.04, Background: Hemothorax occurs in approx. 0.4% of all chest injury patients, but hemothorax due to a thoracic vertebral fracture is rare.
Case presentation: A 76-year-old Japanese man was transported to our hospital for right hemothorax due to a car accident. We performed emergency hemostasis surgery and tried to stop the bleeding by several methods, but it was difficult to control the bleeding because the bleeding point was an artery branch that runs in front of the vertebral body.
Conclusion: It is important to be aware that a fractured vertebra can damage the aorta's arterial branch and follow a severe course..
22. 池永直樹, 水元一博, 田中雅夫, 【膵腫瘍:診断と治療の進歩】 トピックス 膵癌 疫学・危険因子・症候, 日本内科学会雑誌, 101(1):4-6, 2012.04.
23. 池永直樹, 大内田研宙, 小薗真吾, 水元一博, 田中雅夫, 膵癌の間質と星細胞, 肝胆膵, 65(2):351-357, 2012.04.
24. 池永直樹, 膵癌早期診断を目的とした膵液中microRNAの解析, 大和証券ヘルス財団の助成による...研究業績集, 36:125-126, 2013.04.
25. 池永直樹, 大塚隆生, 渡邉雄介, 森泰寿, 仲田興平, 中村雅史, 【膵炎大全II~膵炎・Up to date~】膵炎各論 術後膵炎, 胆と膵, 40:1233-1236, 2019.04, Abstract:手術に起因して起こる術後膵炎は医原性であり、その発症原因や対処法をよく理解する必要がある。術後膵炎には膵の血流障害による虚血型と膵液の流出障害による閉塞型があり、閉塞型には膵管の直接閉塞によるものと、消化管の通過障害から二次的に膵管内圧が上昇し膵炎を発症する間接型がある。閉塞型膵炎の治療には膵管や消化管の減圧が有効であるが、膵再建に伴う術後膵炎では膵管へのアクセスが容易でなく内視鏡的インターベンションを駆使する必要がある。膵切除の急性期に虚血型の術後膵炎を発症することが認知されつつあり、膵液瘻発生と関連が深いことからそのメカニズム解明と予防策の開発が望まれる。(著者抄録.
26. 仲田興平, 大塚隆生, 森泰寿, 渡邉雄介, 池永直樹, 宮坂義浩, 中村雅史, 【腹腔鏡下肝胆膵手術の新時代-ラパロからロボティクスへ-】膵臓 腹腔鏡下膵切除の導入とラーニングカーブ, 肝胆膵, 79(1):105-111, 2019.04.
27. 大塚隆生, 渡邉雄介, 森泰寿, 池永直樹, 仲田興平, 寅田信博, 中村雅史, 【腹腔鏡下肝胆膵手術の新時代-ラパロからロボティクスへ-】日本における腹腔鏡下膵切除術の現況, 肝胆膵, 79(1):29-33, 2019.04.
28. 渡邉雄介, 大塚隆生, 森泰寿, 池永直樹, 仲田興平, 中村雅史, 特集 遭遇の機会が増えたIPMN/膵囊胞―現状と課題
IPMN/膵囊胞の診療(1)国際診療ガイドラインによる診断とサーベイランスの現状と問題点
, 臨牀消化器内科, 10.19020/CG.0000000965, 34(12):1453-1459, 2019.04, 2017 年に「膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm;IPMN)国際診療ガイドライン」が改訂され,おもにIPMN の切除基準と経過観察法が修正された.切除基準では,high‒risk stigmata とworrisomefeatures の項目や内容が見直され,壁在結節高のカットオフ値が導入されるなど,より実臨床に則した基準となった.経過観察法では,IPMN の囊胞径に応じた経過観察間隔がより詳しく記載されたが,この経過観察法はIPMN 併存膵癌発症のリスクは考慮していないため,IPMN の進展と同時にIPMN 併存膵癌の出現に対する注意も必要である.本稿では,2017 年改訂版「IPMN 国際診療ガイドライン」に基づく切除適応と経過観察の現状と問題点を,海外の他のガイドラインとも比較し,概説する..
29. 渡邉雄介, 大塚隆生, 宮坂義浩, 森泰寿, 池永直樹, 仲田興平, 中村雅史, 【肝胆膵領域における低侵襲手術】悪性疾患に対する腹腔鏡下膵体尾部切除術, 外科, 10.15106, 81(12):1249-1253, 2019.04, 本邦では2016年4月から腹腔鏡下膵体尾部切除術が膵癌にまで適用拡大された.膵癌に対する腹腔鏡下膵体尾部切除術の成績は,海外からの報告で出血量や在院日数などの短期成績が開腹手術と比較し優れており,腫瘍学的根治性や長期成績が同等である可能性が示されている.当科ではStrasbergらが提唱するradical antegrade modular pancreatosplenectomy(RAMPS)に準じた膵癌に対する腹腔鏡下膵体尾部切除術を行っており,本稿ではその手術手技を解説する.
30. 松本奏吉, 仲田興平, 渡邉雄介, 森泰寿, 池永直樹, 宮坂義浩, 大塚隆生, 中村雅史, 【すぐに使える周術期管理マニュアル】術後合併症とその管理 重点術後合併症の管理ポイント  膵瘻, 臨床外科, 10.11477/mf.1407212703, 74(11):235-238, 2019.04, Abstract:<文献概要>術後膵瘻(postoperative pancreatic fistula;POPF)は膵頭十二指腸切除術(PD)および膵体尾部切除術(DP)をはじめとした膵切除術における最も重大な合併症の1つで,ハイボリュームセンターにおいても3~45%に生じるとされており,その確実な予防法は未だ確立されていない.本項では,最新の知見を混じえ,POPFへの対応について概説する..
31. 井手野昇, 仲田興平, 池永直樹, 森泰寿, 小田義直, 中村雅史, 【膵頭十二指腸切除の完全ガイド-定型術式から困難症例への対処法まで】困難症例に対する手技・対処法 主膵管型IPMNの術中断端陽性例に対する追加切除, 臨床外科, 10.11477/mf.1407213211, 75(13):1437-1442, 2020.04.
32. 宮坂義浩, 大塚隆生, 渡邉雄介, 森泰寿, 池永直樹, 仲田興平, 渡部雅人, 中村雅史, 【膵癌診療ガイドライン改訂を外科医はこう読み解く-ディベート&ディスカッション】ディベート 十二指腸狭窄に対する治療法 十二指腸ステント留置vs胃空腸吻合 「胃空腸吻合」の立場から, 臨床外科, 10.11477, 75(6):723,727-730, 2020.04.
33. 宮坂義浩, 大塚隆生, 渡邉雄介, 森泰寿, 池永直樹, 仲田興平, 渡部雅人, 中村雅史, 膵癌診療ガイドライン改訂を外科医はこう読み解く ディベート&ディスカッション 十二指腸狭窄に対する治療法:十二指腸ステント留置vs胃空腸吻合, 臨床外科, 75(6):727-730, 2020.04.
34. 池永直樹, 仲田興平, 渡邉雄介, 森泰寿, 大塚隆生, 中村雅史, 【膵癌治療の最前線】総論 最新の膵癌取扱い規約と膵癌診療ガイドライン, 外科, 10.15106/j_geka82_897, 82(9):897-901, 2020.04, 2016年7月に膵癌取扱い規約が第7版に,2019年7月に膵癌診療ガイドラインが2019年版に改訂された.膵癌取扱い規約第7版では,標準的手術でR0切除が可能かどうかの視点から切除可能性分類が導入され,この分類に基づいた細かな治療戦略が膵癌診療ガイドライン2019年版で示されている.ガイドラインの普及と集学的治療の発達により膵癌の予後も少しずつ改善されており,今後もエビデンスレベルの高い大規模研究に基づいたガイドラインの改訂が望まれる.
35. 友杉隆宏, 大塚隆生, 谷口隆之, 木村隆一郎, 藤井昌志, 岡山卓史, 渡邉雄介, 森泰寿, 池永直樹, 仲田興平, 中村雅史, 【膵癌をめぐる最近の話題】IPMNからの膵発癌
, 消化器・肝臓内科, 7(3):204-207
, 2020.04.
36. 森泰寿, 渡邉雄介, 池永直樹, 仲田興平, 大塚隆生, 中村雅史, 【膵・胆管合流異常と先天性胆道拡張症】10 手術, 臨牀消化器内科, 35(4):407-412, 2020.04, Abstract:<文献概要>先天性胆道拡張症は,胆汁と膵液の流出障害や相互逆流を引き起こし,胆道癌の危険因子であるため,外科的切除の適応となる.術式は発癌の可能性がある拡張胆管の切除と胆嚢摘出,および膵液と胆汁の分流のための胆道再建である.疾患頻度は高くはないが,若年者や女性に多い良性疾患であるため,整容面からも腹腔鏡下手術の良い適応である.本邦では2016年4月より腹腔鏡下先天性胆道拡張症手術が保険収載された.本稿では先天性胆道拡張症の手術手技と今後の課題について述べる..
37. 渡邉雄介, 森泰寿, 池永直樹, 仲田興平, 大塚隆生, 中村雅史, 嚢胞性膵腫瘍と関連する膵癌, 臨牀と研究, 97(5):575-579, 2020.04.
38. 中村聡, 大塚隆生, 渡邉雄介, 森泰寿, 池永直樹, 仲田興平, 中村雅史, 【内視鏡下採取検体を用いた膵疾患バイオマーカー探索】膵液中microRNA解析による膵癌診断, 胆と膵, 41(3):249-253, 2020.04.
39. 森泰寿, 井手野昇, 池永直樹, 仲田興平, 岡部安博, 中村雅史, 【早わかり縫合・吻合のすべて】(4章)術式別の縫合・吻合法 胆道 胆管-空腸吻合 腹腔鏡下, 臨床外科, 10.11477/mf.1407213156, 75(11):255-259, 2020.04, Abstract:<文献概要>1980年代より始まった消化器外科領域の腹腔鏡下手術は,本邦でも胃癌や大腸癌を中心に広く普及してきており,手技の定型化や安全性の確保が固まりつつある.胆膵領域においても,2016年に腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術(LPD)や腹腔鏡下先天性胆道拡張症手術(LCBD)が保険収載され,切除のみならず再建を腹腔鏡下で安全確実に行うことが重要になってきた.腹腔鏡下胆管-空腸吻合術はLPD,LCBD,胆管狭窄に対するバイパス術などで行われる手技である.一方,腹腔鏡下胆道再建は解剖学的な観点から鉗子の自由度が制限されるため難易度は高い.このため視野展開や吻合法の標準化が望まれる.本稿では腹腔鏡下胆管-空腸吻合の手技のポイントについて解説する..
40. 渡邉雄介, 大塚隆生, 森泰寿, 池永直樹, 仲田興平, 中村雅史, 肝胆膵外科 膵頭十二指腸切除における幽門の処理 幽門輪温存膵頭十二指腸切除(PpPD)の立場から, 手術, 10.18888/op.0000001659, 74(4):686-692, 2020.04.
41. 森泰寿, 仲田興平, 井手野昇, 池永直樹, 岡部安博, 政次俊宏, 佐田正之, 中村雅史, 【肝胆膵における結石診療のベストプラクティス】胆嚢結石に対する外科的治療 -胆嚢摘出の意義と治療の変遷-, 肝胆膵, 81(2):342-347, 2020.04.
42. 井手野昇, 仲田興平, 池永直樹, 森泰寿, 中村雅史, IPMNの分子生物学 IPMNの遺伝子異常と発生モデル, 胆と膵, DOI無し, 41(臨時増刊特大号):1239-1244, 2020.04.
43. 渡邉雄介, 大塚隆生, 森泰寿, 池永直樹, 仲田興平, 中村雅史, 【IPMN・MCN国際診療ガイドライン総まとめ】分枝型IPMNの診療方針, 胆と膵, 41(1):41-45, 2020.04.
44. 池永直樹, 仲田興平, 森泰寿, 井手野昇, 中村雅史, 良悪性境界病変(IPMNなど)に対するロボット支援下膵頭十二指腸切除術, 胆と膵, 42(3):199-201, 2021.04, bstract:ロボット支援下膵切除術が2020年に保険収載され、ロボット支援下膵頭十二指腸切除術も低悪性度腫瘍を対象に今後導入が進むと思われる。手振れ防止機能付き多関節鉗子で操作が行えるロボット支援下手術は、精緻な手術を可能とする一方多くの新しい機器を協調的に管理せねばならず、術者はその取り扱いに精通しておく必要がある。解剖学的な術前シミュレーションは当然のこと、安全かつスムーズな手術進行のためには、機器の配置や手術手順などを定型化し麻酔科医や看護師、コメディカルとその認識を共有する必要がある。ロボット支援下膵切除術に対する手術チーム全体の理解が深まることで、手術成績は向上すると思われる。.
45. 井手野昇, 仲田興平, 池永直樹, 森泰寿, 山本猛雄, 古賀裕, 小田義直, 中村雅史, 【慢性膵炎診療の最前線】慢性膵炎と発癌との関連, 胆と膵, DOI無し, 42(2):133-137, 2021.04.
46. 渡邉雄介, 仲田興平, 井手野昇, 森泰寿, 池永直樹, 中村雅史, 【胆膵領域の臨床試験Up to date~これを読めば世界が見える~】胆膵疾患に対する腹腔鏡下膵切除術の現状, 胆と膵, 42(1):35-41, 2021.04.
47. 森泰寿, 池永直樹, 井手野昇, 仲田興平, 岡部安博, 中村雅史, 各疾患におけるリスクファクター 胆道癌, 臨牀と研究, 98(8):935-938, 2021.04.
48. 池永直樹, 仲田興平, 森泰寿, 井手野昇, 中村雅史, 外科手術手技の実際 コツと工夫 膵がんに対するロボット手術, 胆膵Oncology Forum, 10.34449/J0118.02.01_0025-0029, 2(1):25-29, 2021.04, Abstract:<文献概要>ロボット支援下手術は,2012年に前立腺悪性腫瘍に対して初めて保険収載され,近年になってさまざまな術式で行われるようになってきた。腹腔鏡下膵切除術は低悪性度腫瘍に対する膵体尾部切除術から始まり段階的に適応が拡大されてきたが,2020年になって膵がんに対するロボット支援下膵切除術も厳しい施設条件をクリアすれば保険診療で可能となった(表1)。本稿では内視鏡手術支援ロボットda Vinci Xi Surgical System(Intuitive Surgical社:以下,da Vinci)を用いたロボット支援下膵頭十二指腸切除術について,その手技の実際について述べる。.
49. 森泰寿, 大塚隆生, 仲田興平, 井手野昇, 池永直樹, 岡部安博, 中村雅史, 【ロボット膵切除の導入ガイド-先行施設にノウハウを学ぶ】ロボット支援下膵頭十二指腸切除術 導入に際する注意点, 臨床外科, 10.11477/mf.1407213291, 76(3):304-309, 2021.04.
50. 河野易子, 池永直樹, 仲田興平, 一法師久美子, 中村雅史, 【ロボット膵切除の導入ガイド-先行施設にノウハウを学ぶ】ロボット支援下膵切除術の導入 手術室看護師の準備, 臨床外科, 10.11477/mf.1407213287, 76(3):282-285, 2021.04, <文献概要>ポイント ◆ロボット支援下膵切除術の導入・円滑な手術を実施するには,多職種による事前検討やシミュレーションが重要である.◆癒着や出血に備え,ロボット支援下から腹腔鏡手術,開腹術へ迅速移行できるように,器材・物品を事前に準備しておく必要がある.◆ロボット支援下膵切除術に対応する看護師は,腹腔鏡手術や開腹術に迅速に対応でき,専門的知識や技術が必要である..
51. 池永直樹, 中村雅史, 【「膵癌診療ガイドライン2022」のエッセンス】治療 切除可能膵癌の外科的治療 補助療法も含めて, 肝胆膵, 85(6):793-799, 2022.04.
52. 仲田興平, 阿部俊也, 井手野昇, 池永直樹, 中村雅史, 【腹腔鏡下・ロボット支援下手術のリカバリーショット 私ならこうする!】腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術, 消化器外科, 45(4):453-460, 2022.04.
53. 井手野昇, 仲田興平, 池永直樹, 阿部俊也, 中村雅史, 内分泌臓器・腫瘍に対するロボット支援手術の国内外の現況と展望
膵神経内分泌腫瘍に対するロボット支援下手術の国内外の現況と展望
, 日本内分泌外科学会雑誌, 10.11226/jaesjsts.39.1_35, 39(1):35-39, 2022.04, 膵に発生する神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasms,NEN)は,2019年に発刊された膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)診療ガイドラインによって,機能性・非機能性,限局性・非限局性,腫瘍径や解剖学的な位置関係などによって膵切除の術式が推奨されている。また,膵臓内視鏡外科研究会,日本肝胆膵外科学会,日本内視鏡外科学会主導で行われた「腹腔鏡下膵切除術の安全性に関する前向き観察多施設共同研究」において,腹腔鏡下膵頭十二指腸切除,尾側膵切除術の約20%が膵 NENに対して行われていた。したがって,今後,膵NENは2020年4月に保険収載となったロボット支援下膵切除術による治療対象となる症例が多いと予想される。徐々に導入が進んでいる本術式の安全性と長期予後の検証,定型的膵切除を必要としない膵NENに対するロボット支援下膵縮小手術の導入によって,低侵襲膵切除術のメリットを享受する患者が増えることが期待される。.
54. 阿部俊也, 仲田興平, 井手野昇, 池永直樹, 中村雅史, 【低侵襲膵切除術の進歩】腹腔鏡下膵切除術のエビデンス, 日本外科学会雑誌, 123(5):384-389, 2022.04, 近年の低侵襲手術の普及に伴い,膵切除術においても開腹手術に代わって腹腔鏡下手術の割合が増加している.これまでの腹腔鏡下膵切除術に関する臨床試験の多くはretrospectiveな解析に基づく検討であったが,近年はrandomized controlled trial(RCT)における報告も散見される.本邦においては腹腔鏡下膵切除症例の術前前向き登録調査により,本邦の腹腔鏡下膵切除の短期成績は良好であり,安全に施行されていることが示された.また海外を含むこれまでの報告から膵癌を含む膵体尾部腫瘍に対する腹腔鏡下膵体尾部切除術や膵癌を含む膵頭部腫瘍に対する腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術(laparoscopic pancreatoduodenectomy:LPD)は開腹手術と比較して術後短期成績を改善させ,膵癌を含めた長期成績も同等である可能性があり,推奨される.今後はRCTでの膵癌における長期成績を含めた大規模での検討が必要である.一方でLPDに関して術後短期死亡率とhospital volumeとの関連の報告がなされており,本邦でも経験豊富な施設では腹腔鏡下膵切除の短期成績はより良好であることが示されていることから,腹腔鏡下膵切除は十分に経験豊富な施設で施行されることが望ましい.
55. 池永直樹, 仲田興平, 阿部俊也, 井手野昇, 中村雅史, 【胆膵周術期合併症のマネージメント】膵切除後膵液瘻に対するマネージメント, 胆と膵, 43(9):857-862, 2022.04, 膵切除後に起こる膵液瘻(postoperative pancreatic fistula:POPF)は、予防の取り組みにもかかわらずその発生率は依然高く、膵切除術の約20%に発生する。POPFは、感染を伴うと敗血症やDIC、術後出血など致死的な合併症へと発展するため、消化器科医はそのマネージメント法を熟知しておく必要がある。POPF治療の基本は適切なドレナージであり、臨床症状や血液検査により感染徴候を素早く察知する。感染徴候を認めた際はCT検査でドレナージ不良部を同定し、さまざまなアプローチを駆使し迅速にドレナージする。POPFのマネージメントには他専門科も含めたスタッフ、コメディカルの総合的なチーム力が求められるため、定期的にカンファランスを行うなど情報を共有し、連携して治療にあたる必要がある。最近、新しい疾患概念である"膵切後膵炎(post-pancreatectomy acute pancreatitis:PPAP)"の診断基準がISGPS(International Study Group for Pancreatic Surgery)より提唱された。PPAPはPOPF発生と関連が深いことから、そのメカニズム解明と予防策の開発が望まれる。.
56. 阿部俊也, 仲田興平, 井手野昇, 池永直樹, 中村雅史, 【最先端の画像支援技術を用いた肝胆膵外科手術】3Dシミュレーションを利用した膵切除, 手術, 10.18888/op.0000003010, 76(11):1715-1721, 2022.04.
57. 中村聡, 仲田興平, 阿部俊也, 井手野昇, 池永直樹, 中村雅史, 【高齢者(75歳以上)の膵胆道疾患の特徴と診断・治療方針】高齢者の膵嚢胞性病変の特徴と診断・治療方針, 胆と膵, 43(10):1019-1024, 2022.04, 高齢化社会において,偶発的に膵嚢胞性病変が診断される機会が多くなった。膵嚢胞性病変を評価する際,手術適応かどうかの判断が重要であるが,組織診断は困難なことが多く,画像診断によるところが大きい。膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は高齢者に多く,その治療方針は国際診療ガイドラインに沿って決定される。通常,high-risk stigmataを有するIPMNは切除対象となるが,膵切除術は高侵襲であり,高齢者に対しては慎重な判断が求められる。切除対象とならないIPMNの場合でも,IPMN自体の悪性化や併存膵癌発症リスクがあるため長期的な経過観察が必要だが,至適観察期間は明確ではない。高齢者のIPMNに対して治療方針を決定する際には,益と害のバランスを考慮し,十分なインフォームドコンセントの上でなされるべきである。.
58. 仲田興平, 阿部俊也, 井手野昇, 池永直樹, 中村雅史, 【高難度肝胆膵外科手術アトラス2022】膵臓 腹腔鏡下膵頭十二指腸切除, 手術, 10.18888/op.0000002723, 76(4):615-622, 2022.04, <文献概要>腹腔鏡下膵頭十二指腸切除(laparoscopic pancreatoduodenectomy;LPD)は腹腔鏡手術のなかでも難度が高い手術の1つである。本術式の導入にあたっては施設基準を確認し,安全に施行することを第一に考える必要がある。現在,LPDは良性から膵癌を含む悪性腫瘍まで適応となっているが,随伴性膵炎を伴う膵癌症例や肥満症例は難度が高く,十分に手技が成熟したのちに行うべきである。また,術中脈管を触知することができないため,開腹術以上に解剖を認識しておく必要がある。.
59. 井手野昇, 仲田興平, 池永直樹, 阿部俊也, 中村聡, 中村雅史, 【これ一冊ですべて網羅!消化器の吻合方法】各臓器における吻合方法 膵頭十二指腸切除術における膵管粘膜吻合を伴う膵消化管吻合, 消化器外科, 45(8):911-918, 2022.04.
60. 池永直樹, 井手野昇, 中村雅史, Liquid biopsyは膵癌の診断・治療をどう変えるか?】Liquid biopsyで膵癌早期診断は可能か?, 胆と膵, 43(1):25-31, 2022.04, 膵癌の予後改善には早期診断が必要不可欠であるが、有効なスクリーニング法は確立されていない。Liquid biopsyは腫瘍生検の代わりに体液中を循環する癌由来分子を検出・解析する診断法で、癌の存在診断や遺伝子変異解析を可能とし、ゲノムプロファイリングに基づく個別化治療に加え予後予測や治療効果判定、再発のモニタリングでの活用が模索されている。Liquid biopsyをスクリーニングツールとして使用するにはより微量な分子を高精度に検出する必要があり課題も多いが、解析技術の進歩に伴い早期癌における検出能力は向上しつつある。Liquid biopsyをスクリーニング法として臨床実装するには検出能力に加え解析コストや解析時間も考慮する必要があり、膵癌早期診断実現のためさらなる技術革新が望まれる。(著者抄録).
61. 池永直樹, 仲田興平, 中村雅史, 膵癌診療ガイドライン2022年版(第6版), 胆と膵, 44(特別号):1447-1453, 2023.04, 癌診療ガイドライン2022年版が2022年7月に発刊された。大きな改訂点は,遺伝子検査に基づく診断・治療のClinical Question(CQ)の新設,プレシジョンメディスンアルゴリズムの作成,リスクファクターを有する者の精査・経過観察に関するCQの新設,高齢者を対象とした化学療法のCQの追加,ガイドライン作成への患者・市民の参画推進である。外科的治療では,ロボット支援下手術やconversion手術に関するCQが設定され,手術技術の変化に対応している。支持・緩和療法では七つのCQが新たに追加され,患者やその家族のQOL向上をめざした治療指針が示されている。最新のエビデンスを基に改訂された本ガイドラインが普及し,本邦の膵癌治療の成績がさらに向上することを期待する.
62. 池永直樹, 林昌孝, 仲田興平, 中村雅史, 【胆膵疾患と腸内細菌の現状と展望】膵臓 膵癌が主導する腸内細菌叢の改変, 胆と膵, 44(3):285-290, 2023.04, 膵癌の発生と,歯周病やヘリコバクターピロリ感染の関係は以前より知られていたが,腸内細菌と膵癌を結ぶ直接的な証拠は不明であった。次世代シーケンサー(NGS)の開発で詳細な腸内細菌叢が解析できるようになり,腸内細菌の異常が膵の発癌や癌の進展に密接にかかわることが明らかとなってきた。腸内細菌は腫瘍内へと移行することも判明しており,腸内細菌の異常や多様性の消失は,腫瘍免疫の修飾を介し,膵癌促進性の微小環境を構築する。これまでの研究は,腸内細菌の異常が癌に影響するといった一方向のみに主眼が置かれており,癌が主体となって腸内細菌を改変するとの視点はなかった。膵癌細胞は種々のケミカルメディエーターの分泌を介し"腫瘍促進性微小環境"を構築するが,腸内細菌の変化も膵癌による積極的な修飾の可能性がある。.
63. 林昌孝, 池永直樹, 仲田興平, 中村雅史, 【胆膵疾患と腸内細菌の現状と展望】膵臓 腸内細菌を応用した膵癌治療法, 胆と膵, DOI無し, 44(3):277-283, 2023.04, 腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオシス)は癌患者の予後を悪くすることが明らかとなり,腸内細菌を標的とした癌治療の開発が進んでいる。その主なコンセプトは,ディスバイオシスの是正による宿主の抗腫瘍免疫向上である。プロバイオティクスの投与により免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を高められることが,腎細胞癌の臨床試験で示されている。膵癌でも,腸内細菌は直接的・間接的に癌進展に関与しており,腸内細菌の改変は有効な治療となる可能性がある。細菌をドラッグデリバリーに活用することや,細菌と宿主の相互作用を標的とした癌抑制も検討されており,癌治療における腸内細菌へのアプローチ法は無限である。オミックス技術の革新で,より詳細な腸内細菌の機能が明らかとなり,有効な膵癌治療が開発されることを期待する.
64. 藤森尚, 小森康寛, 末永顕彦, 梯祥太郎, 大野彰久, 松本一秀, 村上正俊, 寺松克人, 植田圭二郎, 伊藤心二, 吉住朋晴, 池永直樹, 仲田興平, 中村雅史, 小川佳宏, 術後膵液瘻に対するStenting Strategy, 胆と膵, 44(臨時増刊特大号):1215-1221, 2023.04, 術後膵液瘻(postoperative pancreatic fistula:POPF)は発生頻度の高い膵切除術後合併症であり,適切なタイミングでドレナージを行う必要がある。従来は経皮的ドレナージが主流であったが,近年では内視鏡治療,とくにEUSガイド下経消化管ドレナージ(EUS-guided transluminal drainage:EUS-TD)の報告が増えている。EUS-TDで用いるステントとして,主に経鼻胆道ドレナージチューブ,ダブルピッグテイル型プラスチックステント,lumen-apposing metal stent,などがあり,POPFの部位,大きさ,性状に応じて,適切なステント選択を心がける必要がある。事前に外科医と情報共有のうえで,内視鏡治療にあたることが重要である。.
65. 中村聡, 仲田興平, 阿部俊也, 井手野昇, 池永直樹, 中村雅史, 【イラストで見る消化器癌手術アトラス】肝胆膵 腹腔鏡下膵体尾部切除術, 手術, 10.18888/op.0000003351, 77(6):953-959, 2023.04, <文献概要>腹腔鏡下膵体尾部切除術(laparoscopic distal pancreatectomy;LDP)は,2012年に良性・低悪性度腫瘍を対象に「原則としてリンパ節郭清を伴わないもの」として保険収載された。その後,2016年には「原則として周辺臓器および脈管の合併切除を伴わないもの」という条件付きで膵癌に対しても適応が拡大された。これにより多くの施設からLDPの安全性や有用性について良好な成績が報告されるようになり,LDPは広く普及され標準術式となりつつある。2020年にロボット支援下膵切除術が保険収載されたが,導入には厳格な施設基準と術者条件が設定されているため,導入できる施設は限られ,今後もLDPの症例数は増えていくことが予想される。.
66. 池永直樹, 中村雅史, 【あの議論の決着はつきましたか?】外科関連 膵癌に予防的リンパ節郭清効果はあるのか?, 胆と膵, 44(4):373-378, 2023.04, 膵癌に対する拡大リンパ節郭清の予後延長効果はランダム化比較試験で否定されており,行わないことが推奨されている。その一方で,"標準的リンパ節郭清"の明確な規定はなく,膵癌における至適郭清範囲は確立していない。ランダム化比較試験で採用された標準郭清の範囲や,これまで報告されている各リンパ節への転移率から推定すると,膵周囲のリンパ節では高い郭清効果が期待できるが,それを超えた領域の郭清意義は明らかでない。リンパ節の郭清効果を評価する手法として郭清indexがあり,各リンパ節の転移率とそのリンパ節に転移があった患者の生存率から算出される。膵癌における至適郭清範囲を明らかにするため,リンパ節転移率とその予後情報を正確に収集・解析する大規模前向き調査研究が望まれる.
67. Kohei Nakata, Ryota Higuchi, Naoki Ikenaga, Leon Sakuma, Daisuke Ban, Yuichi Nagakawa, Takao Ohtsuka, Horacio J Asbun, Ugo Boggi, Chung-Ngai Tang, Christopher L Wolfgang, Hitoe Nishino, Itaru Endo, Akihiko Tsuchida, Masafumi Nakamura, , Precision anatomy for safe approach to pancreatoduodenectomy for both open and minimally invasive procedure: A systematic review, J Hepatobiliary Pancreat Sci, 10.1002/jhbp.901, 29(1):99-113, 2022.04, Background: Minimally invasive pancreatoduodenectomy (MIPD) has recently gained popularity. Several international meetings focusing on the existing literature on MIPD were held; however, the precise surgical anatomy of the pancreas for the safe use of MIPD has not yet been fully discussed. The aim of this study was to carry out a systematic review of available articles and to show the importance of identifying the anatomical variation in pancreatoduodenectomy.
Methods: In this review, we described variations in surgical anatomy related to MIPD. A systematic search of PubMed (MEDLINE) was conducted, and the references were identified manually.
Results: The search strategy yielded 272 articles, with 77 retained for analysis. The important anatomy to be considered during MIPD includes the aberrant right hepatic artery, first jejunal vein, first jejunal artery, and dorsal pancreatic artery. Celiac artery stenosis and a circumportal pancreas are also important to recognize.
Conclusions: We conclude that only certain anatomical variations are associated directly with perioperative outcomes and that identification of these particular variations is important for safe performance of MIPD.
Keywords: anatomical variation; minimally invasive pancreatoduodenectomy; pancreatic resection; pancreatoduodenectomy; surgical anatomy..

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