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小川 祐平(おがわ ゆうへい) データ更新日:2021.06.08

助教 /  工学研究院 機械工学部門 水素利用工学


主な研究テーマ
水素侵入環境における析出強化型Ni基超合金の強度評価と合理的使用指針の構築
キーワード:Ni基超合金,析出強化,水素脆化
2020.04~2023.03.
水素を有効添加元素として活用した新たな耐水素オーステナイト鋼の開発
キーワード:オーステナイト鋼,強度・延性バランス,水素脆化,材料工学
2020.04~2023.03.
超高圧水素ガス環境中における体心立方構造鋼の疲労き裂進展メカニズムの解明
キーワード:鉄鋼材料,水素脆化,疲労き裂進展
2020.04~2023.03.
研究業績
主要原著論文
1. Yuhei Ogawa, Hyuga Hosoi, Kaneaki Tsuzaki, Timothée Redarce, Osamu Takakuwa, Hisao Matsunaga, Hydrogen, as an alloying element, enables a greater strength-ductility balance in an Fe-Cr-Ni-based, stable austenitic stainless steel, Acta Materialia, 10.1016/j.actamat.2020.08.024, 199, 181-192, 2020.10.
2. Yuhei Ogawa, Osamu Takakuwa, Saburo Okazaki, Koichi Okita, Yusuke Funakoshi, Hisao Matsunaga, Saburo Matsuoka, Pronounced transition of crack initiation and propagation modes in the hydrogen-related failure of a Ni-based superalloy 718 under internal and external hydrogen conditions, Corrosion Science, 10.1016/j.corsci.2019.108186, 161, 108186, 2019.12.
3. Yuhei Ogawa, Saburo Okazaki, Osamu Takakuwa, Hisao Matsunaga, The roles of internal and external hydrogen in the deformation and fracture processes at the fatigue crack tip zone of metastable austenitic stainless steels, Scripta Materialia, 10.1016/j.scriptamat.2018.08.003, 157, 95-99, 2018.12.
4. Domas Birenis, Yuhei Ogawa, Hisao Matsunaga, Osamu Takakuwa, Junichiro Yamabe, Øystein Prytz, Annett Thøgersen, Interpretation of hydrogen-assisted fatigue crack propagation in BCC iron based on dislocation structure evolution around the crack wake, Acta Materialia, 10.1016/j.actamat.2018.06.041, 156, 245-253, 2018.09.
5. Yuhei Ogawa, Domas Birenis, Hisao Matsunaga, Osamu Takakuwa, Junichiro Yamabe, Øystein Prytz, Annett Thøgersen, The role of intergranular fracture on hydrogen-assisted fatigue crack propagation in pure iron at a low stress intensity range, Materials Science and Engineering A, 10.1016/j.msea.2018.07.01, 733, 316-328, 2018.08.
6. Yuhei Ogawa, Domas Birenis, Hisao Matsunaga, Annett Thogersen, Oystein Prytz, Osamu Takakuwa, Junichiro Yamabe, Multi-scale observation of hydrogen-induced, localized plastic deformation in fatigue-crack propagation in a pure iron, Scripta Materialia, 10.1016/j.scriptamat.2017.06.037, 140, 13-17, 2017.11.
主要学会発表等
1. 小川祐平, 細井日向, 津﨑兼彰, 高桑脩, 松永久生, 鉄鋼の高強度・高延性化元素としての水素の新たな一面:Fe-Cr-Ni基合金での一例, 日本鉄鋼協会 第181回春季講演大会 討論会「塑性を起源とする損傷発達の理解とその克服・利活用」, 2021.03.
2. 小川祐平, 高桑脩, 松永久生, BCC鉄中における水素助長疲労き裂進展の巨視的挙動と微視的メカニズム, MRM (Materials Research Meeting) Forum 2020, 2020.12.
3. 小川祐平, SSRT試験におけるNi基超合金718の水素脆性破壊挙動 ~ 内部水素と外部水素の観点から ~, 日本鉄鋼協会 「水素脆化の基本要因と実用課題」フォーラム 第3回会合 , 2020.01.
4. Yuhei Ogawa, Osamu Takakuwa, Saburo Okazaki, Saburo Matsuoka, Hisao Matsunaga, Change of crack initiation and propagation modes in hydrogen-related failure of a precipitation-strengthened Ni-based superalloy 718 under internal and external hydrogen conditions, ASME 2019 Pressure Vessels & Piping Conference (PVP2019), 2019.07.
5. Yuhei Ogawa, Interpretation of hydrogen-assisted fatigue crack propagation in a pure BCC iron based on crack tip plasticity evolution, HYDROGENIUS, I2CNER & HYDROMATE Joint Research Symposium, 2018.02.
6. 小川祐平, 松永久生, 吉川倫夫, 山辺純一郎, 松岡三郎, 炭素鋼SM490Bの疲労寿命特性および疲労破壊形態に及ぼす水素ガス圧力の影響, 日本材料学会 第33回疲労シンポジウム, 2016.11.
作品・ソフトウェア・データベース等
1. 小川祐平,細井日向,松永久生,高桑脩,津﨑兼彰, プレスリリース:「鉄鋼材料を強く・しなやかにする,水素の知られざる一面を発見 -安全・安心な水素社会実現への構造材料開発に新風を吹き込む-」, 2020.09
 鉄鋼材料に水素が侵入するとその強度と延性が劣化する現象は、「水素脆化」として百年以上も前から知られてきました。近未来の普及が期待される水素エネルギー機器では、多くの構造部品が過酷な高圧水素ガス環境下で使用されるため、水素に曝された状態でも卓越した力学性能を発揮できる鋼材の開発は、安全・安心な水素社会実現のために避けては通れない課題です。
 水素脆化は、材料中に潜むミクロな格子欠陥の性質や結晶構造の安定性などに水素が多様な影響を及ぼし、それらの負の側面が優先して現出することで発生します。一方、九州大学大学院工学研究院機械工学部門の小川祐平助教、細井日向大学院生、松永久生教授、髙桑脩准教授、津﨑兼彰名誉教授らは、水素侵入に伴い生じる材料物性変化の一部を有効利用し、鉄鋼の強度と延性双方の大幅な向上を図るという前例のない研究に取り組みました。合金成分量を最適化したFe-Cr-Ni鋼(現行の水素エネルギー機器の主要構成材料に類似)に対し、高温・高圧水素ガス曝露により高濃度の水素を添加した後に引張試験を行うことで、引張強度 × 伸びの指標で30%、破断応力にして50%もの向上を達成することに成功しました。またその発現要因は、水素が①転位と呼ばれる格子欠陥の移動に対する障害物の役割を果たすことと、②双晶変形を促進して結晶方位差の大きい内部界面を次々に生み出すことにあり、これらの効果①②の重畳によって材料の変形抵抗と加工硬化性能が広いひずみ範囲に渡り維持されることを解明しました。
 以上の成果は「鉄鋼材料は水素により脆化する」という従来の固定観念を根底から覆すものであり、この先の耐水素構造用材料の開発にも新たな風を吹き込むものと期待されます。
 本研究成果は、金属材料工学分野で最も権威ある英文誌『Acta Materialia』のオンライン速報版に8月15日付で掲載されました。また、本研究はJSPS科学研究費補助金基盤研究(S)(16H06365)およびJST産学共創基礎基盤研究プログラム(20100113:JPMJSK1411)の支援により遂行されました。, [URL].
学会活動
所属学会名
溶接学会
日本材料学会
日本鉄鋼協会
日本機械学会
学会大会・会議・シンポジウム等における役割
2021.03.10~2021.03.10, 日本機械学会九州支部 第74期総会・講演会, 材料力学セッション 座長.
学術論文等の審査
年度 外国語雑誌査読論文数 日本語雑誌査読論文数 国際会議録査読論文数 国内会議録査読論文数 合計
2017年度      
2019年度      
2018年度      
2020年度    
その他の研究活動
海外渡航状況, 海外での教育研究歴
オスロ大学, ノルウェー科学技術大学, Norway, 2017.08~2017.08.
受賞
日本機械学会九州学生会 第45回卒業研究発表講演会 優秀講演賞, 日本機械学会, 2014.03.
日本自動車技術会 大学院研究奨励賞, 日本自動車技術会, 2016.03.
日本材料学会疲労部門委員会 第33回疲労シンポジウム 優秀研究発表賞, 日本材料学会, 2016.11.
九州大学 学生表彰(学術研究表彰) , 九州大学, 2019.03.
研究資金
科学研究費補助金の採択状況(文部科学省、日本学術振興会)
2021年度~2023年度, 若手研究, 代表, 合金元素としての水素の有効活用:構造用耐水素オーステナイト鋼開発の新境地.
2019年度~2020年度, 研究活動スタート支援, 代表, 水素-転位間相互作用に立脚したBCC鋼中の水素誘起疲労き裂伝播機構の包括的解明 .
日本学術振興会への採択状況(科学研究費補助金以外)
2016年度~2018年度, 特別研究員, 代表, 水素利用機器用金属材料の高圧水素ガス環境中における疲労強度特性に関する研究.
競争的資金(受託研究を含む)の採択状況
2021年度~2023年度, 一般社団法人 日本鉄鋼協会 鉄鋼研究振興助成, 代表, パーライト組織を応用した水素誘起疲労破壊耐性向上のための簡易的手法の開発.
2021年度~2021年度, 公益財団法人 岩谷直治記念財団 岩谷科学技術研究助成, 代表, 水素により高強度・高延性化を示す革新的ステンレス鋼の開発 ~固溶強化と双晶変形促進効果の応用~.
2021年度~2021年度, 公益財団法人 JFE21世紀財団 鉄鋼技術研究助成, 代表, 水素による固溶強化と双晶変形促進効果を利用した高性能ステンレス鋼の開発.

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