九州大学 研究者情報
総説一覧
井手野 昇(いでの のぼる) データ更新日:2024.04.18

助教 /  九州大学病院 胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科 臨床・腫瘍外科学


総説, 論評, 解説, 書評, 報告書等
1. 中村聡, 仲田興平, 阿部俊也, 井手野昇, 池永直樹, 中村雅史, 【イラストで見る消化器癌手術アトラス】肝胆膵 腹腔鏡下膵体尾部切除術, 手術, 10.18888/op.0000003351, 77(6):953-959, 2023.04, <文献概要>腹腔鏡下膵体尾部切除術(laparoscopic distal pancreatectomy;LDP)は,2012年に良性・低悪性度腫瘍を対象に「原則としてリンパ節郭清を伴わないもの」として保険収載された。その後,2016年には「原則として周辺臓器および脈管の合併切除を伴わないもの」という条件付きで膵癌に対しても適応が拡大された。これにより多くの施設からLDPの安全性や有用性について良好な成績が報告されるようになり,LDPは広く普及され標準術式となりつつある。2020年にロボット支援下膵切除術が保険収載されたが,導入には厳格な施設基準と術者条件が設定されているため,導入できる施設は限られ,今後もLDPの症例数は増えていくことが予想される。.
2. 井手野昇, 中村聡, 中村雅史, 【膵癌の早期診断-診療ガイドラインの改訂を踏まえて】膵癌スクリーニングの可能性 早期診断に向けて 膵癌の早期診断を目指した十二指腸液中バイオマーカー探索, 臨牀消化器内科, 10.19020/CG.0000002507, 38(2):154-157, 2023.04, <文献概要>膵管からの膵液採取は内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)による重症膵炎の合併症リスクがあり,膵癌のスクリーニングには適さない.多くの膵癌患者は腹部症状を訴え診断前に上部消化管内視鏡検査を受けているが,精密検査をされることなく結果として進行して診断されている現状に着目し,われわれは通常の内視鏡で採取できる十二指腸液を用いた膵癌診断法を開発し,膵癌の早期診断への流れを作ることを目指した研究を行っている.膵癌ならびに前癌病変の組織標本・膵液中で高値を示すS100P(S100 calcium-binding protein P)タンパク質をバイオマーカーとして採用し,当科での前向き臨床研究で十二指腸液採取関連合併症は皆無であり,十二指腸液中S100P濃度の測定で膵癌検出が可能であることを示した.さらに,膵液中のmicro RNAやエクソソームに保存されているmicro RNAも正確な膵癌診断に有用であることが明らかになっており,十二指腸液への応用によって,より低侵襲な膵癌早期診断を目指している..
3. Sayuri Hayashida, Naoki Ikenaga, Kohei Nakata, So Nakamura, Toshiya Abe, Noboru Ideno, Makoto Endo, Shoko Noguchi, Yoshinao Oda, Masafumi Nakamura, Repeated robotic pancreatectomy for recurrent pancreatic metastasis of mesenchymal chondrosarcoma: A case report, Asian J Endosc Surg, 10.1111/ases.13240, 16(4):795-799, 2023.04, Abstract
Mesenchymal chondrosarcoma is a rare subset of sarcomas accounting for 3%-10% of all cases of chondrosarcomas. Radical resection is the only curative strategy, even in patients with metastatic tumors. However, data regarding treatment strategies remain limited owing to the small number of cases. Herein, we report a patient who underwent repeated robotic pancreatectomy for recurrent pancreatic metastasis originating from extraskeletal mesenchymal chondrosarcoma of the pelvis. First, robotic pancreaticoduodenectomy with a reconstruction of pancreaticogastrostomy was performed for synchronous pancreatic metastasis 5 months after the primary resection of mesenchymal chondrosarcoma. Ten months after robotic pancreaticoduodenectomy, tumor recurrence was observed at the tail end of the pancreas, which was removed by reperforming robotic distal pancreatectomy. Given the precise tissue manipulation that can be achieved with robotic articulated forceps, the peripheral splenic artery and pancreas were easily isolated and divided in close proximity to the tumor. The central part of the pancreas was preserved. Robotic surgery allowed safe and effective resection of the reconstructed remnant pancreas. The patient survived for 28 months after primary tumor resection. Repeated pancreatectomy with minimally invasive techniques is a feasible and curative treatment for metastatic mesenchymal chondrosarcoma.
Keywords: mesenchymal chondrosarcoma; robotic distal pancreatectomy; robotic pancreaticoduodenectomy..
4. 阿部俊也, 仲田興平, 重松慶一, 中村聡, 井手野昇, 池永直樹, 藤森尚, 笠普一朗, 島田有貴, 小田義直, 中村雅史, 術前に診断しえた膵頭部神経鞘腫に対して 腹腔鏡下核出術を施行した 1 例, 膵臓, 10.2958/suizo.38.279, 38(4):279-285, 2023.04, 要 旨:症例は 48 歳,女性,腹痛を主訴に近医を受診し,腹部超音波検査で膵頭部腫瘤を 指摘され,精査加療目的に当院を紹介され受診した.造影 CT で膵頭部に 15 mm 大の遅延 性に増強される充実性腫瘤を認め,MRI の T2 強調画像で高信号を示し,EUS では膵頭部 に境界明瞭な 15 mm 大の低エコー腫瘤を認め,画像上は神経内分泌腫瘍や充実性偽乳頭状 腫瘍が鑑別診断に挙げられた.EUS―FNB による生検で束状に増殖した紡錘形細胞を認め, 免疫染色で S―100 蛋白陽性であることから膵神経鞘腫と診断した.経過観察も検討された が,核出術での摘出が可能,かつ,症状消失が期待されたため,切除を選択し,腹腔鏡下 膵腫瘍核出術を施行した.術後合併症を認めず第 12 病日に退院となった.最終病理診断も 膵神経鞘腫の診断であった.術後に腹痛は消失し,術後 1 年経過し,再発を認めていない..
5. 新垣滉大, 大内田次郎, 木村隆一郎, 井手野昇, 丸塚浩助, 大友直樹, 胆嚢出血を契機に診断した重複胆管及び膵胆管合流異常を伴う胆嚢癌の1例, 日本臨床外科学会雑誌, DOI無し, 84(9):1498-1503, 2023.04.
6. 池永直樹, 井手野昇, 中村雅史, Liquid biopsyは膵癌の診断・治療をどう変えるか?】Liquid biopsyで膵癌早期診断は可能か?, 胆と膵, 43(1):25-31, 2022.04, 膵癌の予後改善には早期診断が必要不可欠であるが、有効なスクリーニング法は確立されていない。Liquid biopsyは腫瘍生検の代わりに体液中を循環する癌由来分子を検出・解析する診断法で、癌の存在診断や遺伝子変異解析を可能とし、ゲノムプロファイリングに基づく個別化治療に加え予後予測や治療効果判定、再発のモニタリングでの活用が模索されている。Liquid biopsyをスクリーニングツールとして使用するにはより微量な分子を高精度に検出する必要があり課題も多いが、解析技術の進歩に伴い早期癌における検出能力は向上しつつある。Liquid biopsyをスクリーニング法として臨床実装するには検出能力に加え解析コストや解析時間も考慮する必要があり、膵癌早期診断実現のためさらなる技術革新が望まれる。(著者抄録).
7. 井手野昇, 仲田興平, 池永直樹, 阿部俊也, 中村聡, 中村雅史, 【これ一冊ですべて網羅!消化器の吻合方法】各臓器における吻合方法 膵頭十二指腸切除術における膵管粘膜吻合を伴う膵消化管吻合, 消化器外科, 45(8):911-918, 2022.04.
8. 仲田興平, 阿部俊也, 井手野昇, 池永直樹, 中村雅史, 【高難度肝胆膵外科手術アトラス2022】膵臓 腹腔鏡下膵頭十二指腸切除, 手術, 10.18888/op.0000002723, 76(4):615-622, 2022.04, <文献概要>腹腔鏡下膵頭十二指腸切除(laparoscopic pancreatoduodenectomy;LPD)は腹腔鏡手術のなかでも難度が高い手術の1つである。本術式の導入にあたっては施設基準を確認し,安全に施行することを第一に考える必要がある。現在,LPDは良性から膵癌を含む悪性腫瘍まで適応となっているが,随伴性膵炎を伴う膵癌症例や肥満症例は難度が高く,十分に手技が成熟したのちに行うべきである。また,術中脈管を触知することができないため,開腹術以上に解剖を認識しておく必要がある。.
9. 中村聡, 仲田興平, 阿部俊也, 井手野昇, 池永直樹, 中村雅史, 【高齢者(75歳以上)の膵胆道疾患の特徴と診断・治療方針】高齢者の膵嚢胞性病変の特徴と診断・治療方針, 胆と膵, 43(10):1019-1024, 2022.04, 高齢化社会において,偶発的に膵嚢胞性病変が診断される機会が多くなった。膵嚢胞性病変を評価する際,手術適応かどうかの判断が重要であるが,組織診断は困難なことが多く,画像診断によるところが大きい。膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は高齢者に多く,その治療方針は国際診療ガイドラインに沿って決定される。通常,high-risk stigmataを有するIPMNは切除対象となるが,膵切除術は高侵襲であり,高齢者に対しては慎重な判断が求められる。切除対象とならないIPMNの場合でも,IPMN自体の悪性化や併存膵癌発症リスクがあるため長期的な経過観察が必要だが,至適観察期間は明確ではない。高齢者のIPMNに対して治療方針を決定する際には,益と害のバランスを考慮し,十分なインフォームドコンセントの上でなされるべきである。.
10. 阿部俊也, 仲田興平, 井手野昇, 池永直樹, 中村雅史, 【最先端の画像支援技術を用いた肝胆膵外科手術】3Dシミュレーションを利用した膵切除, 手術, 10.18888/op.0000003010, 76(11):1715-1721, 2022.04.
11. 池永直樹, 仲田興平, 阿部俊也, 井手野昇, 中村雅史, 【胆膵周術期合併症のマネージメント】膵切除後膵液瘻に対するマネージメント, 胆と膵, 43(9):857-862, 2022.04, 膵切除後に起こる膵液瘻(postoperative pancreatic fistula:POPF)は、予防の取り組みにもかかわらずその発生率は依然高く、膵切除術の約20%に発生する。POPFは、感染を伴うと敗血症やDIC、術後出血など致死的な合併症へと発展するため、消化器科医はそのマネージメント法を熟知しておく必要がある。POPF治療の基本は適切なドレナージであり、臨床症状や血液検査により感染徴候を素早く察知する。感染徴候を認めた際はCT検査でドレナージ不良部を同定し、さまざまなアプローチを駆使し迅速にドレナージする。POPFのマネージメントには他専門科も含めたスタッフ、コメディカルの総合的なチーム力が求められるため、定期的にカンファランスを行うなど情報を共有し、連携して治療にあたる必要がある。最近、新しい疾患概念である"膵切後膵炎(post-pancreatectomy acute pancreatitis:PPAP)"の診断基準がISGPS(International Study Group for Pancreatic Surgery)より提唱された。PPAPはPOPF発生と関連が深いことから、そのメカニズム解明と予防策の開発が望まれる。.
12. 阿部俊也, 仲田興平, 井手野昇, 池永直樹, 中村雅史, 【低侵襲膵切除術の進歩】腹腔鏡下膵切除術のエビデンス, 日本外科学会雑誌, 123(5):384-389, 2022.04, 近年の低侵襲手術の普及に伴い,膵切除術においても開腹手術に代わって腹腔鏡下手術の割合が増加している.これまでの腹腔鏡下膵切除術に関する臨床試験の多くはretrospectiveな解析に基づく検討であったが,近年はrandomized controlled trial(RCT)における報告も散見される.本邦においては腹腔鏡下膵切除症例の術前前向き登録調査により,本邦の腹腔鏡下膵切除の短期成績は良好であり,安全に施行されていることが示された.また海外を含むこれまでの報告から膵癌を含む膵体尾部腫瘍に対する腹腔鏡下膵体尾部切除術や膵癌を含む膵頭部腫瘍に対する腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術(laparoscopic pancreatoduodenectomy:LPD)は開腹手術と比較して術後短期成績を改善させ,膵癌を含めた長期成績も同等である可能性があり,推奨される.今後はRCTでの膵癌における長期成績を含めた大規模での検討が必要である.一方でLPDに関して術後短期死亡率とhospital volumeとの関連の報告がなされており,本邦でも経験豊富な施設では腹腔鏡下膵切除の短期成績はより良好であることが示されていることから,腹腔鏡下膵切除は十分に経験豊富な施設で施行されることが望ましい.
13. 井手野昇, 仲田興平, 池永直樹, 阿部俊也, 中村雅史, 内分泌臓器・腫瘍に対するロボット支援手術の国内外の現況と展望
膵神経内分泌腫瘍に対するロボット支援下手術の国内外の現況と展望
, 日本内分泌外科学会雑誌, 10.11226/jaesjsts.39.1_35, 39(1):35-39, 2022.04, 膵に発生する神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasms,NEN)は,2019年に発刊された膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)診療ガイドラインによって,機能性・非機能性,限局性・非限局性,腫瘍径や解剖学的な位置関係などによって膵切除の術式が推奨されている。また,膵臓内視鏡外科研究会,日本肝胆膵外科学会,日本内視鏡外科学会主導で行われた「腹腔鏡下膵切除術の安全性に関する前向き観察多施設共同研究」において,腹腔鏡下膵頭十二指腸切除,尾側膵切除術の約20%が膵 NENに対して行われていた。したがって,今後,膵NENは2020年4月に保険収載となったロボット支援下膵切除術による治療対象となる症例が多いと予想される。徐々に導入が進んでいる本術式の安全性と長期予後の検証,定型的膵切除を必要としない膵NENに対するロボット支援下膵縮小手術の導入によって,低侵襲膵切除術のメリットを享受する患者が増えることが期待される。.
14. 仲田興平, 阿部俊也, 井手野昇, 池永直樹, 中村雅史, 【腹腔鏡下・ロボット支援下手術のリカバリーショット 私ならこうする!】腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術, 消化器外科, 45(4):453-460, 2022.04.
15. 山本真大, 井手野昇, 阿部俊也, 池永直樹, 仲田興平, 中村雅史 , 膵頭十二指腸切除術後の腹腔動脈起始部狭窄の増悪に対し緊急正中弓状靭帯切開術を施行した1例, 日本消化器外科学会雑誌, DOI無し, 55(11):684-691, 2022.04.
16. 森泰寿, 大塚隆生, 仲田興平, 井手野昇, 池永直樹, 岡部安博, 中村雅史, 【ロボット膵切除の導入ガイド-先行施設にノウハウを学ぶ】ロボット支援下膵頭十二指腸切除術 導入に際する注意点, 臨床外科, 10.11477/mf.1407213291, 76(3):304-309, 2021.04.
17. 池永直樹, 仲田興平, 森泰寿, 井手野昇, 中村雅史, 外科手術手技の実際 コツと工夫 膵がんに対するロボット手術, 胆膵Oncology Forum, 10.34449/J0118.02.01_0025-0029, 2(1):25-29, 2021.04, Abstract:<文献概要>ロボット支援下手術は,2012年に前立腺悪性腫瘍に対して初めて保険収載され,近年になってさまざまな術式で行われるようになってきた。腹腔鏡下膵切除術は低悪性度腫瘍に対する膵体尾部切除術から始まり段階的に適応が拡大されてきたが,2020年になって膵がんに対するロボット支援下膵切除術も厳しい施設条件をクリアすれば保険診療で可能となった(表1)。本稿では内視鏡手術支援ロボットda Vinci Xi Surgical System(Intuitive Surgical社:以下,da Vinci)を用いたロボット支援下膵頭十二指腸切除術について,その手技の実際について述べる。.
18. 森泰寿, 池永直樹, 井手野昇, 仲田興平, 岡部安博, 中村雅史, 各疾患におけるリスクファクター 胆道癌, 臨牀と研究, 98(8):935-938, 2021.04.
19. 井手野昇, 仲田興平, 中村雅史, 【近年注目される膵臓疾患】IPMN国際診療ガイドライン2017年版, 日本医師会雑誌, 150(5):819-823, 2021.04.
20. 渡邉雄介, 仲田興平, 井手野昇, 森泰寿, 池永直樹, 中村雅史, 【胆膵領域の臨床試験Up to date~これを読めば世界が見える~】胆膵疾患に対する腹腔鏡下膵切除術の現状, 胆と膵, 42(1):35-41, 2021.04.
21. 井手野昇, 守田真基子, 大塚隆生, 中村雅史, 【分枝型IPMNの長期予後と進展様式】IPMNの長期予後 全国多施設共同研究によるIPMN長期予後, 肝胆膵, 82(6):773-778, 2021.04.
22. 井手野昇, 仲田興平, 池永直樹, 森泰寿, 山本猛雄, 古賀裕, 小田義直, 中村雅史, 【慢性膵炎診療の最前線】慢性膵炎と発癌との関連, 胆と膵, DOI無し, 42(2):133-137, 2021.04.
23. 池永直樹, 仲田興平, 森泰寿, 井手野昇, 中村雅史, 良悪性境界病変(IPMNなど)に対するロボット支援下膵頭十二指腸切除術, 胆と膵, 42(3):199-201, 2021.04, bstract:ロボット支援下膵切除術が2020年に保険収載され、ロボット支援下膵頭十二指腸切除術も低悪性度腫瘍を対象に今後導入が進むと思われる。手振れ防止機能付き多関節鉗子で操作が行えるロボット支援下手術は、精緻な手術を可能とする一方多くの新しい機器を協調的に管理せねばならず、術者はその取り扱いに精通しておく必要がある。解剖学的な術前シミュレーションは当然のこと、安全かつスムーズな手術進行のためには、機器の配置や手術手順などを定型化し麻酔科医や看護師、コメディカルとその認識を共有する必要がある。ロボット支援下膵切除術に対する手術チーム全体の理解が深まることで、手術成績は向上すると思われる。.
24. Ideno N, Mori Y, Nakamura M, Ohtsuka T, Early Detection of Pancreatic Cancer: Role of Biomarkers in Pancreatic Fluid Samples, Diagnostics, 10.3390/diagnostics10121056 , 10(12):1056, 2020.04, Abstract
Pancreatic ductal adenocarcinoma (PDAC) is the fourth leading cause of cancer-related deaths worldwide. Most patients with PDAC present with symptomatic, surgically unresectable disease. Therefore, the establishment of strategies for the early detection is urgently needed. Molecular biomarkers might be useful in various phases of a strategy to identify high-risk individuals in the general population and to detect high-risk lesions during intense surveillance programs combined with imaging modalities. However, the low sensitivity and specificity of biomarkers currently available for PDAC, such as carbohydrate 19-9 (CA19-9), contribute to the late diagnosis of this deadly disease. Although almost all classes of biomarker assays have been studied, most of them are used in the context of symptomatic diseases. Compared to other body fluids, pancreatic juice and duodenal fluid are better sources of DNA, RNA, proteins, and exosomes derived from neoplastic cells and have the potential to increase the sensitivity/specificity of these biomarkers. The number of studies using duodenal fluid with or without secretin stimulation for DNA/protein marker tests have been increasing because of the less-invasiveness in comparison to pancreatic juice collection by endoscopic retrograde cholangiopancreatography (ERCP) and endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration (EUS-FNA). Genomic analyses have been very well-studied, and based on PDAC progression model, mutations detected in pancreatic juice/duodenal fluid seem to indicate the presence of microscopic precursors and high-grade dysplasia/invasive cancer. In addition to known proteins overexpressed both in precursors and PDACs, such as CEA and S100P, comprehensive proteomic analysis of pancreatic juice from patients with PDAC identified many proteins which were not previously described. A novel technique to isolate exosomes from pancreatic juice was recently invented and identification of exosomal microRNA's 21 and 155 could be biomarkers for diagnosis of PDAC. Since many studies have explored biomarkers in fluid samples containing pancreatic juice and reported excellent diagnostic accuracy, we need to discuss how these biomarker assays can be validated and utilized in the strategy of early detection of PDAC.
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25. 井手野昇, 仲田興平, 池永直樹, 森泰寿, 中村雅史, IPMNの分子生物学 IPMNの遺伝子異常と発生モデル, 胆と膵, DOI無し, 41(臨時増刊特大号):1239-1244, 2020.04.
26. 森泰寿, 仲田興平, 井手野昇, 池永直樹, 岡部安博, 政次俊宏, 佐田正之, 中村雅史, 【肝胆膵における結石診療のベストプラクティス】胆嚢結石に対する外科的治療 -胆嚢摘出の意義と治療の変遷-, 肝胆膵, 81(2):342-347, 2020.04.
27. 森泰寿, 井手野昇, 池永直樹, 仲田興平, 岡部安博, 中村雅史, 【早わかり縫合・吻合のすべて】(4章)術式別の縫合・吻合法 胆道 胆管-空腸吻合 腹腔鏡下, 臨床外科, 10.11477/mf.1407213156, 75(11):255-259, 2020.04, Abstract:<文献概要>1980年代より始まった消化器外科領域の腹腔鏡下手術は,本邦でも胃癌や大腸癌を中心に広く普及してきており,手技の定型化や安全性の確保が固まりつつある.胆膵領域においても,2016年に腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術(LPD)や腹腔鏡下先天性胆道拡張症手術(LCBD)が保険収載され,切除のみならず再建を腹腔鏡下で安全確実に行うことが重要になってきた.腹腔鏡下胆管-空腸吻合術はLPD,LCBD,胆管狭窄に対するバイパス術などで行われる手技である.一方,腹腔鏡下胆道再建は解剖学的な観点から鉗子の自由度が制限されるため難易度は高い.このため視野展開や吻合法の標準化が望まれる.本稿では腹腔鏡下胆管-空腸吻合の手技のポイントについて解説する..
28. 井手野昇, 仲田興平, 池永直樹, 森泰寿, 小田義直, 中村雅史, 【膵頭十二指腸切除の完全ガイド-定型術式から困難症例への対処法まで】困難症例に対する手技・対処法 主膵管型IPMNの術中断端陽性例に対する追加切除, 臨床外科, 10.11477/mf.1407213211, 75(13):1437-1442, 2020.04.
29. 安蘓鉄平, 大塚隆生, 木村英世, 松永壮人, 渡邉雄介, 田村公二, 井手野昇, 大内田研宙, 上田純二, 高畑俊一, 相島慎一, 五十嵐久人, 伊藤鉄英, 小田義直, 水元一博, 田中雅夫, 【見直される膵癌診療の新展開】 診断における新展開 膵液細胞診および膵液遺伝子検査による膵癌診断, 臨床外科, 69(1):12-16, 2014.04, Abstract:<ポイント>膵液細胞診は,膵炎発症の懸念から敬遠される傾向にあるものの,微小膵癌発見のための重要ツールである.KRAS変異などの遺伝子マーカーとの組み合わせにより,さらなる診断効率の向上が期待できる.(著者抄録).
30. 木村英世, 大塚隆生, 松永壮人, 渡邉雄介, 田村公二, 井手野昇, 安蘓鉄平, 宮坂義浩, 上田純二, 高畑俊一, 水元一博, 田中雅夫, 膵NETの外科治療:術式選択の実際, 胆と膵, 35(7):635-639, 2014.04.
31. 森泰寿, 大塚隆生, 井手野昇, 安蘓鉄平, 河野博, 永吉洋介, 上田純二, 高畑俊一, 山口幸二, 田中雅夫, インクレチンに着目した膵切除後の膵内分泌機能の検討, 胆膵の病態生理, 29(1):61-67, 2013.04, Abstract:2009年8月~2010年8月に施行した膵頭十二指腸切除術(PD)20例、膵体尾部切除術(DP)14例、計34例を対象に、PDとDPの術式別に術後の膵β細胞機能とグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、ブドウ糖依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)の変化について検討した。術前、術後1ヵ月目の糖代謝の状態をPD、DPの術式別に検討すると、PD群術前では12例が糖尿病型、8例が非糖尿病型であった。一方、DP群術前では8例が糖尿病型、6例が非糖尿病型であった。PD群では術前糖尿病型であった12例中8例(67%)が術後1ヵ月目に非糖尿病型に改善した。DP群では8例中3例(38%)が糖尿病型から非糖尿病型に改善した。更にDP群では1例が非糖尿病型から糖尿病型となり、術後糖尿病型のままであった5例中4例がコントロール不良の糖尿病となった。.
32. 渡邉雄介, 大塚隆生, 田村公二, 木村英世, 松永壮人, 井手野昇, 安蘇鉄平, 上田純二, 高畑俊一, 牛島泰宏, 伊藤鉄英, 水内祐介, 相島慎一, 小田義直, 水元一博, 田中雅夫, 【術前画像診断のポイントと術中解剖認識】 肝・胆・膵 IPMN, 臨床外科, 68(11):228-234, 2013.04.
33. 木村英世, 大塚隆生, 松永壮人, 渡邉雄介, 田村公二, 井手野昇, 安蘓鉄平, 宮坂義浩, 上田純二, 高畑俊一, 水元一博, 田中雅夫, 【神経内分泌腫瘍(NET)の最前線】 膵神経内分泌腫瘍の診断と外科治療 非機能性神経内分泌腫瘍, 消化器外科, 36(13):1861-1867, 2013.04.
34. 井手野昇, 大塚隆生, 上田純二, 高畑俊一, 牛島泰宏, 相島慎一, 伊藤鉄英, 水元一博, 田中雅夫, 膵嚢胞性疾患, 診断と治療, 101(5):729-733, 2013.04.
35. Tamura K, Ohtsuka T, Ideno N, Aso T, Kono H, Nagayoshi Y, Shindo K, Ushijima Y, Ueda J, Takahata S, Ito T, Oda Y, Mizumoto K, Tanaka M, Unresectable pancreatic ductal adenocarcinoma in the remnant pancreas diagnosed during every-6-month surveillance after resection of branch duct intraductal papillary mucinous neoplasm: a case report, JOP, 10(14):450-453, 2013.04, Abstract


CONTEXT:

There are few studies regarding the surveillance period and interval of resected or observed branch duct intraductal papillary mucinous neoplasms (IPMNs) of the pancreas in terms of early detection of concomitant pancreatic ductal adenocarcinoma. Despite a strict surveillance protocol, some patients are diagnosed with metastatic distinct ductal adenocarcinoma after resection of IPMN.

CASE REPORT:

We herein report a patient with unresectable pancreatic ductal adenocarcinoma that developed in the remnant pancreas 18 months after resection of branch duct IPMN. Although the patient was surveyed every 6 months after the operation and imaging studies at 6 and 12 months postoperatively demonstrated no evidence of recurrence, invasive ductal adenocarcinoma with liver metastasis appeared 18 months after the operation. The patient subsequently underwent chemotherapy; however, he died 9 months after the diagnosis of metachronous pancreatic ductal adenocarcinoma.

CONCLUSIONS:

In some patients with branch duct IPMNs, 6-month surveillance seems to be insufficient to detect resectable concomitant pancreatic ductal adenocarcinoma. Therefore, identification of high-risk patients who require surveillance at shorter intervals is urgently needed.
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36. 木村英世, 大塚隆生, 伊藤鉄英, 渡邉雄介, 松永壮人, 田村公二, 井手野昇, 安蘓鉄平, 宮坂義浩, 上田純二, 高畑俊一, 五十嵐久人, 水元一博, 田中雅夫, 【膵神経内分泌腫瘍(P-NET)外科の新たな潮流】 P-NETの全国集計と手術のタイミング, 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌, 30(4):253-255, 2013.04, Abstract:本邦における神経内分泌腫瘍(NET)の診断、治療ならびに研究に関する情報の共有を目的としてNET Work Japanが2004年に設立され、2002年~2004年の3年間、患者の実態調査と2005年の1年間の受療患者を対象とした第1回疫学調査が行われた。それによると人口10万人あたりのP-NET有病患者数は2.23人、新規発症数は1.01人であり、いずれも欧米より多いことが明らかとなった。また遠隔転移の頻度、非機能性P-NETにおけるMEN1の合併率などが欧米と異なることも分かった。2010年には第2回疫学調査が行われ、その結果の公表が待たれる。P-NETの治療は外科的切除術が唯一の根治的治療であり、局所に留まるP-NETはすべてが切除適応である。(著者抄録).
37. 大塚隆生, 井手野昇, 田村公二, 安蘓鉄平, 永吉洋介, 河野博, 森泰寿, 大内田研宙, 上田純二, 高畑俊一, 石神康生, 伊藤鉄英, 五十嵐久人, 相島慎一, 大久保文彦, 水元一博, 清水周次, 田中雅夫, 【再びIPMNの切除適応を考える】 IPMNに併存する通常型膵癌の診断をどうするか?, 胆と膵, 33(11):1195-1200, 2012.04, Abstract:膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN:intraductal papillary mucinous neoplasm)の3~10%に通常型膵管癌を合併することが報告されており、IPMNを通常型膵癌のハイリスク群として重点的に精査し、経過観察を行うことで併存膵癌を早期に診断できる可能性がある。IPMNの初診時および切除時にはendoscopic retrograde pancreatograhpu(ERP)下膵液細胞診と術中膵管洗浄細胞診が、他の画像診断法では捉えられない早期の併存膵癌の同定に有用である。一方、IPMNの経過観察中に早期の併存PDACを診断するためのサーベイランス法とERPの位置づけは確立されておらず、今後急ぎ検討すべき課題である。(著者抄録).
38. 大塚隆生, 堤宏介, 井手野昇, 高畑俊一, 中村雅史, 田中雅夫, 【膵腫瘍:診断と治療の進歩】 トピックス 膵内分泌腫瘍 治療の現状, 日本内科学会雑誌, 101(1):109-115, 2012.04.
39. Kono H, Ohtsuka T, Fujino M, Ideno N, Aso T, Nagayoshi Y, Mori Y, Takahata S, Nakamura M, Ueki T, Tanaka M, Type Ⅱ congenital biliary dilation (biliary diverticulum) with pancreaticobiliary maljunction successfully treated by laparoscopic surgery: report of a case, Clin J Gastroenterol, 5:88-92, 2012.04.
40. 中村雅史, 高畑俊一, 河野博, 永吉洋介, 井手野昇, 森泰寿, 大塚隆生, 清水周次, 田中雅夫, 【肝胆膵系疾患に対する腹腔鏡手術】 腹腔鏡下膵体尾部切除術
, 外科治療, 105(6):559-563, 2011.04, 脾摘出を伴う腹腔鏡下膵体尾部切除術の手技について解説した。とくに、腹腔鏡下で施行するために必要な解剖である、膵背面より見た脾動脈根部周辺の解剖や、トンネリングの時に遭遇することがある脾静脈・上・下腸間膜静脈合流部付近に存在する動静脈枝等について言及しつつ具体的な手技を説明した。(著者抄録)
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41. 井手野昇, 大塚隆生, 堤宏介, 森泰寿, 永吉洋介, 河野博, 安蘓鉄平, 高畑俊一, 中村雅史, 田中雅夫, 【膵神経内分泌腫瘍-Up date 2011】 機能性腫瘍の臨床・画像診断 ガストリノーマの画像診断
, 肝・胆・膵, 63(2):255-261, 2011.04.
42. 井手野昇, 中村賢二, 村上光彦, 大里隆, 小川芳明, 籾井眞二, 田中雅夫, 急性胆嚢炎を契機に診断され二期的に治癒切除し得た胆嚢癌の1例, 胆と膵, 32(6):557-560, 2011.04, 症例は76歳、男性。食後の心窩部痛を主訴に救急外来を受診した。腹部エコー、CT、MRIで、腫大した胆嚢の体部から底部の壁が全周性に肥厚し、胆嚢床の一部は境界が不明瞭で、急性胆嚢炎と診断した。胆嚢内腔には造影効果を示す乳頭状隆起を認め、胆嚢癌の合併が疑われた。高度の炎症による腹部症状が強く早期手術を要し、初回手術では胆嚢床切除を伴う胆嚢摘出術を施行した。術後の病理検索で乳頭状隆起は深達度ssの胆嚢癌と判明し、大腸内視鏡で直腸癌を、二期的手術として肝外胆管切除、2群リンパ節郭清を行い、直腸高位前方切除術を併施した。胆管周囲のリンパ節転移や胆管断端の癌遺残はなかった。急性胆嚢炎を伴った胆嚢癌では、画像診断や術中迅速病理による良悪性の鑑別や深達度診断は容易でない。ss以深の胆嚢癌に対する根治手術の過大侵襲を回避し、病理学的確定診断を得て二期的に根治術を行うことも一つの有用な治療戦略と思われた。(著者抄録)
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43. 中村雅史, 井手野昇, 高畑俊一, 上田純二, 清水周次, 田中雅夫, 【肝胆膵鏡視下手術の最先端】 腹腔鏡下膵体尾部切除術, 手術 , 64(5):611-616, 2010.04.
44. Abe K, Mohri M, Ideno N, Tsukuda M, Noma M, Origuchi H, Yamamoto H, Images in Cardiovascular Medicine. Chest Pain and Intimal Flap Detected by Chest Computed Tomography Scans , Circulation , 10.1161/CIRCULATIONAHA.105.595702 , 114(4):e64, 2006.04.

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