Kyushu University Academic Staff Educational and Research Activities Database
List of Reports
Minato Futoshi Last modified date:2024.06.03

Associate Professor / Physics / Department of Physics / Faculty of Sciences


Reports
1. 千葉 敏, 湊 太志, 核変換の新しい手法, JAEA-Conf 2010-005, pp.39-44, 2010.12, ハイパー核を用いる新しい核変換の可能性について議論する。ウランやマイナーアクチノイドにJ-PARC等で利用可能な反K中間子を入射し$Lambda$ハイパー核を生成する。生成されたハイパー核は通常核分裂障壁以上のエネルギーに励起しているので核分裂を起こすが、そのとき、$Lambda$粒子は核力の深い重い核分裂生成物に選択的に移行していくことがわれわれのSkyrme-Hartree-Fock計算で判明した。重い核分裂生成物に移行した$Lambda$粒子はその後$Lambda$+N$
ightarrow$N+Nの過程で崩壊するが、その際、質量差約190MeVのエネルギーが発生し、重い核分裂生成物が高い励起状態に励起される。その後、多くの中性子放出、あるいは核分裂生成物の核分裂という過程を経てこれら重い核分裂生成物がさらに核変換される。この過程によって、重い核分裂生成物に由来する長寿命核分裂生成物が生成しない核分裂という新しい核変換の可能性が拓かれる可能性を見いだした。.
2. Hiroyuki Koura, Jun-ichi Katakura, Takahiro Tachibana, Futoshi Minato, Chart of the Nuclides 2014(核図表2014)(プレス発表付), Japanese Nuclear Data Committee and Nuclear Data Center, Japan Atomic Energy Agency, 2015.03, 「原子力機構核図表2014」は、これまで世界中で実験的に確認された3,150核種を掲載し、そのうち2,916核種の崩壊半減期の評価値と23種類の崩壊様式のデータ、加えて1,578核種の未知の半減期の理論予測値を収録しています。今回、極短寿命の原子核の掲載や、陽子・中性子ドリップ線の掲載を新たに行いました。

16ページ畳み折りで持ち運びにも便利な本核図表は、原子核研究のツールとしての利用とともに、高校生や一般の方々に対し、宇宙における元素の起源や原子炉での放射性核種の生成や変換などの教材や講義資料として利用出来ます。.
3. 片倉 純一*, 湊 太志, JENDL崩壊データファイル2015, JAEA-Data/Code 2015-030, 10.11484/jaea-data-code-2015-030, p.97, 2016.03, JENDL崩壊データファイル2015(JENDL/DDF-2015)を作成した。このファイルには質量数1から260までの原子核の半減期等の崩壊データが収納されている。$gamma$線やベータ線の放出データが不明な場合でも、崩壊チェインが途中で途切れないように半減期や分岐比のデータを含めた。質量数66から172の核分裂生成物についてはJENDL/FPD-2011を用いることを基本とし、一部不都合が報告されたデータに関しては修正を施した。また、新たに追加された1953核種についてはENSDFからデータを採取した。最終的に安定核244核種を含む3237核種についての崩壊データファイルJENDL/DDF-2015を完成させた。.
4. Improvement of WWW chart of the nuclides interface
The booklet "chart of the nuclides" is issued every 4 years since 1976 from Nuclear Data Center, JAEA. The chart of the nuclides for WWW (World Wide Web) was developed in 1999 in order to be available from internet browser. Internet connection speeds, browser functions and JavaScript libraries has, however, progressed at present compared with the internet technology in those days. In connection with the release of the 2014 edition of the chart of the nuclides, the interface of the WWW chart of the nuclides has been improved by introducing new internet technologies aiming at enhancing convenience on accessibilities via browsers. We introduced a scrolling screen that would make capabilities of easy screen movement on a map with the addition of the drag scrolling function. Considering smart phone access, the light-weight edition which introduced automatic switch was prepared. The new system results in reduction in access time and usefulness in mobile environment. The method of making figures of the chart was reconsidered due to addition of new decay schemes to the 2014 edition. SVG (Scalable Vector Graphics) was adopted so as to make figures easily. It is concluded that the accessibilities of WWW chart of the nuclides are substantially improved from the previous version by introducing the new technologies..
5. 小浦 寛之, 片倉 純一*, 橘 孝博*, 湊 太志, 核図表2014のためのコンパイレーション; 包括的な崩壊データ, JAEA-Conf 2015-003, 10.11484/jaea-conf-2015-003, pp.147-152, 2016.03, 原子力機構で作製する核図表2014を現在製作中であり、その進捗状況について報告する。本核図表は日本原子力研究所にて1977年の公開以来、1980から2004年4年ごとに公開されてきた。2005年の原子力研究開発機構ヘの移行後、2010年に9回目の公開を行い、今回が10回目の公開となる。本核図表には同位体の半減期、崩壊様式、同位体存在比、核異性体の情報が載せられている。これに加えて元素の周期表、物理基礎定数、特性X線、熱中性子の捕獲および核分裂断面積が掲載されている。現在作製中の核図表に採用する実験データは2014年6月末までのものとした。今回の修正点は実験データに関しては、(1)中性子放出,陽子放出に対する不安定同位体の新たな掲載(32同位体)、(2)崩壊様式の区分の増加(12例から23例へ)、(3)中性子ドリップ線、陽子ドリップ線の描画、および$eta$崩壊遅発核分裂の可能限界線の描画、理論データに関しては従来の3崩壊($alpha$, $eta$,自発核分裂)に加えて新たに2崩壊(1陽子, 2陽子放出)を加え、中性子過剰核側の整備を行った。今回の改訂により実験的に確認された同位体は3150におよび、そのうち半減期が測定された核種が2914核種であるという結果を得た。.
6. 柴田 恵一, 岩本 信之, 国枝 賢, 湊 太志, 岩本 修, 軽水炉廃止措置のための放射化断面積ファイル, JAEA-Conf 2016-004, 10.11484/jaea-conf-2016-004, pp.47-52, 2016.09, 軽水炉施設の廃止措置を進めるためには、放射性廃棄物の量を正確に予測することが必要である。そのための基盤データベースの一つとして中性子誘起による放射化断面積ファイルを整備した。対象となる放射性生成物は線量告示にある半減期30日以上の227核種と超長半減期12核種の計239核種である。この生成物に至る可能な核反応パスから、標的となる原子核を選定した。この標的核に対する放射化断面積データはJENDL-4.0, JENDL/A-96及びJENDL-4.0以降に新たに行われた評価から採用し、302核種から構成される放射化断面積ファイルを作成した。既存の評価値と比較すると残留核が準安定状態に至る捕獲反応で大きな差があることが分かった。今後、更なるデータ改良を行って2016年度中に断面積ファイルを公開する予定である。.
7. Nuclear Chart - Magnificent landscape of nuclei.